20250414 小松基地訴訟口頭弁論(第4回)傍聴報告
F35A戦闘機配備は憲法違反だ!
4月14日、兼六園周辺の桜も散り始め、金沢地裁前は真っ白なしろばなみつばツツジの垣根が人目を引いていた。そんななか、午後2時から第7次小松基地爆音訴訟第4回口頭弁論が開かれた。傍聴席は原告で埋まり、原告弁護団席は26人を数えた。被告国は前回と同じく11人だった。
双方の準備書面を確認したあと、原告弁護団から第3準備書面の要約陳述がおこなわれた。(以下はメモに基づいたもので、不正確である)

弁護人は小松基地には公共性はなく、騒音被害をもたらしており、憲法違反だと断じた。2014年安倍政権下で憲法解釈を変更して「集団的自衛権」で、自衛隊の海外活動(侵略戦争)に許諾を与えた。自衛隊は自国の防衛ではなく、他国防衛を口実にして、戦争する軍事組織となり、憲法9条に違反している。集団的自衛権行使の前提条件としての「存立危機事態」については、日本は主体的に判断できず、他国の判断に委ねられている。これまで言われてきた「自衛権」とは異質で、戦前型に逆戻りしている。国は「外交の裏付けは防衛力にあり」といい、「満蒙は日本の生命線」「南洋は海の生命線」として戦争に踏み込んでいった戦前のみちを歩もうとしている。
このように、第4回口頭弁論は、自衛隊違憲論によって、小松基地訴訟の真髄を発揮した。
国側第3準備書面について
裁判閉廷後隣接する弁護士会館で開かれた報告集会でも、弁護団から国は「小松基地は日本の独立と平和をまもり、国民は利益を受けているから、高度な公共性がある」として、基本的人権よりも国防は上位にあると主張している。
自衛隊は日米共同演習で、アメリカとともに「他国」(仮想敵中国など)を攻撃する訓練を繰り返している。日米同盟に対峙する「他国」は、攻撃される前後に、出撃基地小松基地を攻撃するだろうと想定して、司令部を地下化し、戦闘機のための防空壕をつくっている。それは決して住民のためではない。戦争が始まれば、小松基地周辺住民の生活も生命も守られることはない。小松基地をなくすことこそが周辺住民の安全と生命(基本的人権)を守ることができる。
国の第3準備書面では、小松基地の適地性について、①平坦地である、②近くにG訓練空域がある、③北陸自動車道など物流・運搬のアクセスがよい、など3点を挙げているが、最も重要な朝鮮半島が射程に入り、攻撃基地としての適地性を隠している。そして、4月1日には、攻撃用ステルス戦闘機F35Aを配備しはじめたのである。
小松基地爆音訴訟は、他の基地訴訟とは違い、小松基地の違憲性を正面に掲げて主張する裁判であり、原告、弁護団とともに全力でたたかわねばならない。
今年(2025年)に入ってからの切り抜き帳から、小松基地などの軍事情勢について、俯瞰する。
①台湾及び東アジア情勢
昨年9月海自護衛艦「さざなみ」が台湾海峡を通過し、2月上旬にも護衛艦「あきづき」が台湾海峡を通過したと報道されている。2月10~12日にかけて、米軍ミサイル駆逐艦も通行している。2月10日、米原子力潜水艦「アレクサンドリア」が釜山に寄港した。2月13日には、仏海軍の空母艦隊が沖縄のホワイトビーチに寄港している。2月20日、朝鮮半島上空で米韓合同演習がおこなわれ、米軍はB1B戦略爆撃機を参加させた。3月30日、オーストラリア前首相は「有事の際は、原子力潜水艦を台湾や沖縄に派遣する」と話している。このような包囲網にたいして、中国は4月2,3日台湾周辺で軍事演習をおこなっている。
②防衛費の膨張
2月7日のトランプとの会談で、大型輸送機C17(1機300億円以上)を購入すると約束し、17日、石破首相は「2027年度よりあとの防衛費について、GDP比2%超にする」と発言した。3月4日には、米国防次官補は日本の防衛費をGDP比3%にせよと要求している。グラフ(ネット上の画像に加工)で見るとおり、2022年度までは5兆円前後だったのに、4月15日の防衛省の発表では、<2025年度の防衛費+関連経費>が9兆9000億円になり、2022年度GDP比1.8%にまで膨れ上がっている。

③軍事同盟の強化
1月11日、石破はインドネシア大統領との会談で、安全保障協力を約束した。1月15日、中谷防衛大臣はイギリス空母群を防衛すると約束した。1月31日、中谷防衛大臣と米国防長官との間で、尖閣諸島防衛(日米安保条約第5条適用)を約束した。2月24日、中谷防衛大臣がフィリピンを訪問し、両国の軍事的連携強化を確認した。4月8日、米海軍が嘉手納基地に大型無人偵察機を配備すると通告した。
④準戦時体制構築
防衛省は急速に防衛費を増額しながら、3月24日、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦指導部」を発足させた。3月30日、米国防長官は在日米軍司令部を作戦指揮権を持つ「統合軍司令部」に再編し、自衛隊をその傘下に置こうとしている。まさに準戦時体制に移行しようとしているのだ。
そのもとで、4月1日、小松基地にF35Aを3機配備し(最終的には2飛行隊40機)、対北朝鮮攻撃能力を強めようとしている。また、4月1日、政府は「特定利用空港・港湾」に金沢港など8カ所を加えて、合計36カ所とすると発表した。日本列島をハリネズミのようにしようというのだ。
F35A戦闘機配備は憲法違反だ!
4月14日、兼六園周辺の桜も散り始め、金沢地裁前は真っ白なしろばなみつばツツジの垣根が人目を引いていた。そんななか、午後2時から第7次小松基地爆音訴訟第4回口頭弁論が開かれた。傍聴席は原告で埋まり、原告弁護団席は26人を数えた。被告国は前回と同じく11人だった。
双方の準備書面を確認したあと、原告弁護団から第3準備書面の要約陳述がおこなわれた。(以下はメモに基づいたもので、不正確である)


弁護人は小松基地には公共性はなく、騒音被害をもたらしており、憲法違反だと断じた。2014年安倍政権下で憲法解釈を変更して「集団的自衛権」で、自衛隊の海外活動(侵略戦争)に許諾を与えた。自衛隊は自国の防衛ではなく、他国防衛を口実にして、戦争する軍事組織となり、憲法9条に違反している。集団的自衛権行使の前提条件としての「存立危機事態」については、日本は主体的に判断できず、他国の判断に委ねられている。これまで言われてきた「自衛権」とは異質で、戦前型に逆戻りしている。国は「外交の裏付けは防衛力にあり」といい、「満蒙は日本の生命線」「南洋は海の生命線」として戦争に踏み込んでいった戦前のみちを歩もうとしている。
このように、第4回口頭弁論は、自衛隊違憲論によって、小松基地訴訟の真髄を発揮した。
国側第3準備書面について
裁判閉廷後隣接する弁護士会館で開かれた報告集会でも、弁護団から国は「小松基地は日本の独立と平和をまもり、国民は利益を受けているから、高度な公共性がある」として、基本的人権よりも国防は上位にあると主張している。
自衛隊は日米共同演習で、アメリカとともに「他国」(仮想敵中国など)を攻撃する訓練を繰り返している。日米同盟に対峙する「他国」は、攻撃される前後に、出撃基地小松基地を攻撃するだろうと想定して、司令部を地下化し、戦闘機のための防空壕をつくっている。それは決して住民のためではない。戦争が始まれば、小松基地周辺住民の生活も生命も守られることはない。小松基地をなくすことこそが周辺住民の安全と生命(基本的人権)を守ることができる。
国の第3準備書面では、小松基地の適地性について、①平坦地である、②近くにG訓練空域がある、③北陸自動車道など物流・運搬のアクセスがよい、など3点を挙げているが、最も重要な朝鮮半島が射程に入り、攻撃基地としての適地性を隠している。そして、4月1日には、攻撃用ステルス戦闘機F35Aを配備しはじめたのである。
小松基地爆音訴訟は、他の基地訴訟とは違い、小松基地の違憲性を正面に掲げて主張する裁判であり、原告、弁護団とともに全力でたたかわねばならない。
今年(2025年)に入ってからの切り抜き帳から、小松基地などの軍事情勢について、俯瞰する。
①台湾及び東アジア情勢
昨年9月海自護衛艦「さざなみ」が台湾海峡を通過し、2月上旬にも護衛艦「あきづき」が台湾海峡を通過したと報道されている。2月10~12日にかけて、米軍ミサイル駆逐艦も通行している。2月10日、米原子力潜水艦「アレクサンドリア」が釜山に寄港した。2月13日には、仏海軍の空母艦隊が沖縄のホワイトビーチに寄港している。2月20日、朝鮮半島上空で米韓合同演習がおこなわれ、米軍はB1B戦略爆撃機を参加させた。3月30日、オーストラリア前首相は「有事の際は、原子力潜水艦を台湾や沖縄に派遣する」と話している。このような包囲網にたいして、中国は4月2,3日台湾周辺で軍事演習をおこなっている。
②防衛費の膨張
2月7日のトランプとの会談で、大型輸送機C17(1機300億円以上)を購入すると約束し、17日、石破首相は「2027年度よりあとの防衛費について、GDP比2%超にする」と発言した。3月4日には、米国防次官補は日本の防衛費をGDP比3%にせよと要求している。グラフ(ネット上の画像に加工)で見るとおり、2022年度までは5兆円前後だったのに、4月15日の防衛省の発表では、<2025年度の防衛費+関連経費>が9兆9000億円になり、2022年度GDP比1.8%にまで膨れ上がっている。

③軍事同盟の強化
1月11日、石破はインドネシア大統領との会談で、安全保障協力を約束した。1月15日、中谷防衛大臣はイギリス空母群を防衛すると約束した。1月31日、中谷防衛大臣と米国防長官との間で、尖閣諸島防衛(日米安保条約第5条適用)を約束した。2月24日、中谷防衛大臣がフィリピンを訪問し、両国の軍事的連携強化を確認した。4月8日、米海軍が嘉手納基地に大型無人偵察機を配備すると通告した。
④準戦時体制構築
防衛省は急速に防衛費を増額しながら、3月24日、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦指導部」を発足させた。3月30日、米国防長官は在日米軍司令部を作戦指揮権を持つ「統合軍司令部」に再編し、自衛隊をその傘下に置こうとしている。まさに準戦時体制に移行しようとしているのだ。
そのもとで、4月1日、小松基地にF35Aを3機配備し(最終的には2飛行隊40機)、対北朝鮮攻撃能力を強めようとしている。また、4月1日、政府は「特定利用空港・港湾」に金沢港など8カ所を加えて、合計36カ所とすると発表した。日本列島をハリネズミのようにしようというのだ。