さて、群馬の妖怪の話をしたところで、ぬたりが今回参考にしたのが「群馬県史 資料編27」。ここに記載の「怪異」の項ではあるが、アズキトギ婆は文章量こそ多いが項目トップの妖怪というわけではなかった。天狗やカッパという全国的に有名な怪異もあったが、こと「群馬県史」で扱われた妖怪のうち、一番最初に記載されていたのは「ワウー」である。
ワウーは今で言う利根郡みなかみ町藤原で伝わる妖怪。藤原自体が平家の落人伝説も残る山奥の集落だが、ワウーが出たのはそのさらに山奥、武尊山の山中になる。伝承はこうである。
ある日村の猟師が武尊山山中に狩りに出かけ、その日は里には帰らず刈俣(という場所)の山小屋に泊まった。すると夜中に「ワァーウー!」とうなり声を上げる化け物がやってきて、山小屋をガタガタと揺すりだした。
猟師は恐怖のあまり夜一睡も出来ず、翌日里に帰ると「ワウーのお化けが出た」と里にふれて回ったという。
しかし山に生きる藤原の里の生活に山の資源を欠かすことは出来ず、数日後今度は木工職人が材料集めで山に入らなければならなくなった。
そして夜になり山小屋の中にいるとやはりワウーがやってきて、「ワァウー!ワァウー!」と体がしびれるほどの大声を上げながら、一晩じゅう山小屋を揺らし、職人は恐怖で数日間小屋から出ることが出来なかった。数日後ようやく里に帰り、このことを皆に伝えたという。
それ以来、ワウーが出たあたりの沢のことは「ワウー沢」と呼ばれるようになったという。
さてこのワウー。間違いなく地域独自の妖怪で小豆洗いのように他の地区にも伝承があるなんてことは無いと考えられる。似たような事をする妖怪は他にもいるだろうけど、ワウーとは言われていないだろう。
さて、令和の世の中、妖怪と言ったらまずは水木しげる先生。水木先生が作品で大きく取り上げた妖怪の知名度は相当に高いが、そうでない妖怪の知名度は低い。ワウーに関しては奇妙な鳴き声で小屋を揺らすだけなので特殊能力という点では弱く、それこそゲゲゲの鬼太郎に登場しても扱いに困るだろう。このため群馬県民でもワウーを知っている人は少ないんじゃないかな。
ましてこのワウーが出たという場所は具体的に一体どこなのかとかは、ワウーについて記載した文書にもほとんど書いてない。「武尊山中」「刈俣」と書かれていても、じゃあそこはどこなのかの記載は見当たらないのである。民話の中の地名だから、あまり追っても仕方ないのかもしれない
・・・でも、気になっちゃったんだよねえ(つづく)
ワウーは今で言う利根郡みなかみ町藤原で伝わる妖怪。藤原自体が平家の落人伝説も残る山奥の集落だが、ワウーが出たのはそのさらに山奥、武尊山の山中になる。伝承はこうである。
ある日村の猟師が武尊山山中に狩りに出かけ、その日は里には帰らず刈俣(という場所)の山小屋に泊まった。すると夜中に「ワァーウー!」とうなり声を上げる化け物がやってきて、山小屋をガタガタと揺すりだした。
猟師は恐怖のあまり夜一睡も出来ず、翌日里に帰ると「ワウーのお化けが出た」と里にふれて回ったという。
しかし山に生きる藤原の里の生活に山の資源を欠かすことは出来ず、数日後今度は木工職人が材料集めで山に入らなければならなくなった。
そして夜になり山小屋の中にいるとやはりワウーがやってきて、「ワァウー!ワァウー!」と体がしびれるほどの大声を上げながら、一晩じゅう山小屋を揺らし、職人は恐怖で数日間小屋から出ることが出来なかった。数日後ようやく里に帰り、このことを皆に伝えたという。
それ以来、ワウーが出たあたりの沢のことは「ワウー沢」と呼ばれるようになったという。
さてこのワウー。間違いなく地域独自の妖怪で小豆洗いのように他の地区にも伝承があるなんてことは無いと考えられる。似たような事をする妖怪は他にもいるだろうけど、ワウーとは言われていないだろう。
さて、令和の世の中、妖怪と言ったらまずは水木しげる先生。水木先生が作品で大きく取り上げた妖怪の知名度は相当に高いが、そうでない妖怪の知名度は低い。ワウーに関しては奇妙な鳴き声で小屋を揺らすだけなので特殊能力という点では弱く、それこそゲゲゲの鬼太郎に登場しても扱いに困るだろう。このため群馬県民でもワウーを知っている人は少ないんじゃないかな。
ましてこのワウーが出たという場所は具体的に一体どこなのかとかは、ワウーについて記載した文書にもほとんど書いてない。「武尊山中」「刈俣」と書かれていても、じゃあそこはどこなのかの記載は見当たらないのである。民話の中の地名だから、あまり追っても仕方ないのかもしれない
・・・でも、気になっちゃったんだよねえ(つづく)
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