野田佳彦が総理になった。誰が見ても明々白々、財務省・官僚の猟犬である。その猟犬が、猫なで声で「融和」を訴え輿石東を幹事長に据えて、小沢にも手をさしのべているかに見える。が、これは、表面の顔。真の顔は誰でも分かる、こんなモノ以外ではありえない。このシリーズ36回目に書いた事、その通りの顔になるだろう。ご面倒だが、以下に抜粋再掲してみる。官僚の味方・中央の大マスコミが、菅直人に対してとは打って変わってやはり猫なで声で野田をそのお連れ合いぐるみで「隣の伯父さん」にしようと褒め称え始めた、これがその証拠だと言える。
【 今時の総理候補らは、実に呆れた、馬鹿馬鹿しい輩。これは誰が見ても分かる、明白なことだろう。
第1に、官僚全体がお墨付きを与えた奴らだということ。
第2に、「脱原発も遙か彼方」という輩だということ。
第3に、このデフレの時代に消費税をアップして、景気を悪くする奴らだということ。つまり、財務省の権力を増やすことに邁進する、そのお気に入り。
第4に、外務省・アメリカべったりでもあるはずだ。このことは、鳩山内閣の末路を見れば誰でも分かろうというものだろう。
今朝の中日7面社説にこういうのがあった。『霞ヶ関改革はどうする』が大見出しで、題名が『増税 民主代表選』。この社説が実に、こんな結びになっているのだ。
『では、霞ヶ関改革をどう進めるのか。そこが聞きたい。民主党は「脱官僚・政治主導」を旗に掲げて政権を握ったが、いまや面影もない。日本経済の再建はもとより震災復興のためにも、霞ヶ関の縦割り行政打破が不可欠だ。本音の論戦を避けているようでは、次の政権も期待できない』
僕も、『霞ヶ関改革をどう進めるのか。そこが聞きたい』。ところが、ここまでの内閣の崩壊に恐れをなして、民主党主流が官僚に下ったことは明らかなのである。アメリカに通じた外務省に反旗を翻されて、鳩山内閣が崩壊した。民主党マニュフェストを反故にして総理になった菅直人も、「脱原発依存」と叫んだとたんに、内閣の中で全く孤立してしまった。そして今の彼は、こんな本を読んでいるのだという。「反原発行動」の故に原発村の策動で無実の罪を着せられ、福島県知事を辞めさせられた佐藤栄佐久。その著作「知事抹殺」を。これには心からの共感を覚えるはずの菅直人さん、「脱原発依存」から今度はさらに改心して是非、「総理抹殺」でも物にして欲しいものだ 】
さて、こうして野田の「融和」とは、こういう融和だと思う。「『脱原発は遙か彼方』の融和」、「消費税値上げに筋道を付ける野田」、「滅び行くアメリカとの心中目指す野田佳彦」。そして何よりも、こんな路線で行ったとしたら「世界の根本矛盾による大悲劇再来必定の野田佳彦」。この道はやがては又、マネーゲームの大々的復活と、またぞろバブルの大崩落の再来必然の道だろう。そして、銀行救済のためにまたまたやむを得ず、大々的政府支出。これらの元凶であった、世界的矛盾が又一層進むしかないのだからこういう道しかあり得ないと言いたい。世界的需要不足の供給過多、資本のダブツキ。これによって、資本はマネーゲームに撃って出ても「上手い時期に上手く逃げればよい」と言い聞かせるしか道はないのである。世界的バブルを押さえるには、世界的法規制が必要だ。が、世銀やIMF、もしくはそれに相当するようなレベルでそんな論議をしようとすれば、アメリカが必ず妨害してきた。アメリカはマネーゲームによって、自国の累積赤字を世界の金で穴埋め目指しているとしか、僕には思えない。
国家法制度は常に既成事実の後追いできた。が、グローバルマネーを規制する世界的法律などまだどこにも生まれてはいない。やりたい放題のグローバルマネマネーと今度こそ折り合いを付けられると野田周辺は考えているのだろうが、紆余曲折はあっても失敗必定だろう。そして、日本の預金がまたまた失われていくはずだ。それが野田および、その周辺の運命である。国民は堪らないが、もうゴミみたいなモノなのだ。そう言えば、福島県民が既に、ゴミのように扱われてきた、な。
英紙ガーディアンやフィナンシャルタイムズ、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルといった外国メディアも
「国民的な人気も、党内での支持率も共に低い首相に、戦後最大の危機に直面している日本のかじ取りを任せられるのか」
という反応を示した。
フィナンシャルタイムズは「国民は国家のビジョンを示すことができる強い指導者の登場を願ったが、
政界はこれを無視した」、
ガーディアンは「日本に国力を結集する能力のある指導者が現れないのは謎としかいえない」と報じた。
だが、日本ではメディアも国民もこうした反応を示していない。
民主党の議員たちが野田氏を選んだ最大の理由は「人気がない」というものだった。
人気がないため、首相が独走するような政局運営はしないと思われているのだ。
民主党のある議員は「前原前外相が首相になった場合、
国民的に人気が高いことを背景に、国政運営を独占したり、
政界再編を主導し、総選挙を行ったりする可能性があるということがネックになった」と話した。
「日本に国力を結集する能力のある指導者が現れないのは謎としかいえない」
消費税が上がり、財務省の権力が増えると、欧米経済がきっと助かるのだろう。だから暗黙のウチに官僚にエールを送っているのだろう。