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自衛隊 市民の自由を尊重せよ 中日新聞6月8日社説

2007年06月08日 18時55分17秒 | Weblog

 自由な意見を表明する市民らの行動が、これほど詳細に自衛隊に監視されていたのかと驚かされる。

 高校生らが「イラク派兵おかしいよ」と題して二〇〇三年十一月、東京都新宿区で開催した集会も、同じころ愛知県の航空自衛隊小牧基地に派遣中止の申し入れ書を届けた九人の訪問も、大規模デモと並べて記録されていた。

 共産党が入手した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という文書には、街頭行動などの主催団体、実施日、場所、参加者数、発言内容といった情報が細かく整理されている。抗議行動の参加者に丸印をつけた記録写真や、運動の形態や規模などで分類した集計も添付されている。編集に関与した組織として情報保全隊などの名があり、自衛隊の内部文書だとされる。

 集会に参加した市民らが閲覧すれば無言の圧力を感じるだろう。「自衛隊が情報を収集して分析することは悪いことではない」という久間章生防衛相の説明は、表現の自由や人権に対する配慮が欠如している。

 文書によると、自衛隊は市民団体のほか報道機関や労働組合、政治家などを幅広く監視していた。自衛隊のイラク派遣に反対すればただちに“反自衛隊”と警戒して情報収集していたのなら、あまりに短絡的だ。その多くは、平和憲法下の自衛隊の役割を理解したうえで派遣に反対した行動、意見表明だったからだ。

 実力組織の自衛隊は政治的中立を厳守すべきであり、特定の人物や団体を色眼鏡で監視すれば立場や権限の逸脱につながる。思想の自由が保障されなかった時代に軍部が市民活動を抑圧した記憶も刺激される。

 かつて自衛隊への接近を企てたオウム真理教のような危険団体を警戒するというのなら、市民と社会の安全を守る任務として理解も得られよう。しかし、小さな集会まで監視する活動は、自衛隊が何から何を守ろうとしているのか、市民らに疑いを抱かせかねない。イージス艦の能力に関する秘密が流出していた事件などをみると、市民より隊内を先に監視すべきだとさえ思える。

 防衛省と自衛隊は、まず今回の文書の目的、根拠、運用の状況を明らかにして、人権の尊重を確認してもらいたい。過剰な監視活動については組織内の責任を検証し、再発防止策を講じねばならない。

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3 コメント

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防衛省に抗議を (有事法制反対ピースアクション)
2007-06-08 21:04:41
久間防衛大臣 様

 陸上自衛隊の情報保全隊による、イラク派遣などに反対する全国の市民団体や、ジャーナリスト、宗教団体などの動向を調査した「内部文章」が明らかになりました。公表された「情報資料」と「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」の2件の文章では、各団体の名称を分類し、集会等の日時、場所、参加人数、内容等詳細に記され、166ページに及び、関係する団体は293団体にも上っています。
 自衛隊がイラク派兵に異議を申し立てる市民団体やあらゆる人たちを対象に「調査」を行うことは、戦前の憲兵隊の復活を彷彿させ、断じて許すことのできないことです。
 そもそも、情報保全隊の任務は自衛隊がもっている情報が流出したり漏えいしたりすることを防止するために必要な情報収集を行うことを目的にしたものであり、今回「調査」の対象になっている市民団体などを
「監視」「調査」することは自衛隊法にも明記されておらず、明らか根拠のない違法行為です。このような行為をすることは、憲法19条に保障された思想・信条の自由と憲法21条の表現の自由を侵害し、民主主義の根幹を揺るがす行為です。5月に強行された、沖縄・名護辺野古沖での事前調査に、掃海母艦「ぶんご」の派遣もそうであるように、法的根拠を明らかにしないまま、自衛隊という軍事組織が市民社会の前面に出てくるような時代になったことに対し、強い不安と憤りを感じます。

 この「内部文章」には私たちの団体の名前も出ています。2003年、世界の反戦の声と国際法を無視して行われたイラク攻撃に対し、これを支持し、自衛隊の派兵をもって加担をした政府の誤った判断に対して「殺すな!加担するな!」という強い想いで、反対の行動を行ってきました。その行動が間違っていなかったことは、その後、
米英のイラク攻撃が「ウソ」の理由ではじめられたこと、残念ながら3年以上が過ぎてもイラクの混迷は続き、今尚多くのイラクの人々を殺し続け、苦しみを与え続けているという事実が証明しています。政府の間違った行動を正すための私たちの正当な活動を「反自衛隊的活動」などと規定して「監視」「調査」すること自体、許されな
い活動です。

この自衛隊の活動に対して、「必要な情報収集だ。違法性は一切ない」(守屋事務次官)、「法令で決められた範囲の任務」(折木陸上幕僚長)、更に、久間防衛相は「イラクに行った隊員の家族のために情報保全隊が情報収集に回っていた」などと正当化をする発言を繰り返しています。民主主義の根幹を揺るがし、市民を治安弾圧の対象とみなし、監視社会を進める今回の事態に対するこのような正当化の発言は、断じて許されるものではありません。久間大臣を初め、政府・自衛隊は今回の「調査」に過ちを認めるべきです。

私たちは、自衛隊の「調査」活動に強い抗議をすると共に、調査の全容を明らかにし、今後一切「調査」「監視」を行わないよう強く要求します。



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参考になれば (ネット虫)
2007-06-08 21:14:04
情報保全隊の組織や任務を調べるネットです、以下のようですが、よく分からないところもあります。
参考になれば。


陸自訓令
http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei_data/f_fd/2002/fx20030324_00007_000.htm
l
海自訓令
http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei_data/e_fd/2002/ex20030324_00008_000.htm
l
情報保全隊の新編
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/13/jizen/honbun/11.pdf


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愛される自衛隊(?)からの変身 (千里眼)
2007-06-10 15:32:29
国民から愛される自衛隊という語句が宣伝された時期があった。ところがこの変身ぶりはどういうことなのか。

 自衛隊情報保全隊が設置されたのは、確か、平成12年におこった現職海上自衛官によるロシア大使館駐在武官への機密情報流出事件がきっかけであったと、記憶している。その設置理由は「自衛隊に対する外部からの働きかけ等から部隊を保全するために必要な資料及び情報の収集整理」するため、とされていた。

 この組織が、こうした民間の調査を行うことは、自衛隊法のどこにも、それを可能にする条文はない。さらに、自衛隊内部の規定にもその行為正当化する内容はない。完全な違法行為行為なのだ。

 久間防衛大臣は「自衛隊法に基づく適正な行為」と言明しているが、条文のどこに基づいているのか一切言っていない。言っていないのではなく、いえないのだ。

 自衛隊の内部規定(長官訓令)では、「情報保全業務」とは「秘密保全、隊員保全、組織・行動等の保全及び施設・装備品等の保全並びにこれらに関連する業務」と定義されている。そして、さらに任務を具体的にした規定では、7つの具体的任務のなかの一つに「自衛隊に対する外部からの働き掛け等から部隊等を保全するために必要な資料及び情報の収集整理等」と規定されている。

 ここにやっと、今回の情報収集の法的(?)根拠らしいものが、姿を現す。それでも相当の拡大解釈である。

 国民を監視する権限は、自衛隊にあってはならないものなのだ。国民を敵として認知する自衛隊はあってはならないことなのだ。
 
 

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