「海外武器企業買収を解禁」。これは、2日中日新聞の1面トップ記事の見出しである。これをみて、9条が改訂されたほどのショックを覚えた人は、僕だけではないと思う。僕の場合、そう感じた理由は以下の通りだ。
①近年の先進国の戦争というものと格闘した学者たちは多い。19世紀には、ドイツのカール・マルクス、20世紀にはイギリスの経済学者メイナード・ケインズがその典型だろう。二人に共通する先進国の戦争分析はこんなものだと、僕は理解してきた。
②先進国世界には必ず定期的に恐慌が起こる。世界的に景気が沈没して、銀行も潰れ、世界に失業者があふれるなどの現象をさしている。こうなる理由は資本の方が社会の購買力よりも必ず大きくなって、結局何を作っても売れない時期が来るからである。そんなときに先進国では必ず、武器を大量に作り、売り始める。これが起こる仕組みは、こういうものと発見されてきた。
③資本が国家を握りやすく、武器は国家が買い取るものだからである。つまり、国家資金による窮余の需要作りというわけだ。ただ、いったんこうなり始めるともうなかなか後戻りが出来なくなる。不況の時代に武器生産や、軍隊を縮小したりするとたちどころに失業者が急増するから、軍事縮小はなかなか出来なくなる。景気がよくなる見通しがなければ、軍隊もどんどん大きくなり、もう戦争という形で世界が自爆していくことにならざるをえない。
④こういう典型が戦前のいわゆる遅れてきた先進国、日独伊である。1929年の世界恐慌前後から一挙に戦時体制に突入していった。こうして二つの大戦は、以上のような背景を持った先進国間で起こされ、国家総力戦という形を取った。
⑤ただ、20世紀になって総力戦の悲劇を反省した人類は、戦争違法化国際体制を結び、強化してきた。政治的にはアメリカのウィルソン大統領などがイニシアティブを取って、経済的にはケインズが国際経済組織などを作って。これは、歴史上画期的なことだと、どこまでも主張したい。「意識の上では」もう戦争は起こしたくないと先進国が決意しあったということだからである。が、世界がまたしても上のような事態になれば、事は混沌として、怪しくなって来ることに変わりはない。この50年のアメリカ産軍政複合体などは、この典型ではないかと思う。
さて、僕がここでアメリカの産軍政複合体を常に危惧してきた理由は以上の通りである。そして今、このアメリカと集団的自衛権を交わし合おうという日本が武器輸出3原則を崩すばかりか、海外武器企業買収までを解禁する。もの凄いショックだ。リーマンショック以来特に世界に失業者があふれて、何を作っても売れない時代にもなっているのだし。9条を持つ日本が、ケインズなどが観た普通の戦争をする先進国になっていくと観るからである。
これではもう、9条があっても無くてもそんなに変わりはなくなるとも言えるし、日本も戦争をする国になっっていく。「意識してする」と言うよりも、「するしかないような国、状況にどんどんなっていく」ということだと思う。世界の不景気、失業者の群れを観ること以上に、悲しいことだ。
僕としては、この25日に書いた「僕の9条堅持論」の通りの世界になって欲しいと願ってきたが。世界に格別の変化がない限り、まだまだ先の話にいったんはなってしまった。国連警察軍の実質化は必ず実現すると観ているが、人類ってオロカだとつくづく思う。人類史は愚行の陳列台だと語ったのは、ニーチェだったっけ? それにしても。
全く別の話を。1日まで1週間のアクセス数こそ1,175人だが、閲覧数が実に25,607になった。このブログは元々閲覧数がアクセス数の10倍というのはしょっちゅうだが、20倍を超えたのは多分初めてであって、この閲覧数自身も過去の最高記録を更新したもの。過去の最高は、10年5月16日からの週の20,155だ。ちなみにアクセス数の記録は11年5月8日からの週の3,426。
大変な政治情勢の中でこれからも色々と頑張って書きますので、ご支援をよろしく。
①近年の先進国の戦争というものと格闘した学者たちは多い。19世紀には、ドイツのカール・マルクス、20世紀にはイギリスの経済学者メイナード・ケインズがその典型だろう。二人に共通する先進国の戦争分析はこんなものだと、僕は理解してきた。
②先進国世界には必ず定期的に恐慌が起こる。世界的に景気が沈没して、銀行も潰れ、世界に失業者があふれるなどの現象をさしている。こうなる理由は資本の方が社会の購買力よりも必ず大きくなって、結局何を作っても売れない時期が来るからである。そんなときに先進国では必ず、武器を大量に作り、売り始める。これが起こる仕組みは、こういうものと発見されてきた。
③資本が国家を握りやすく、武器は国家が買い取るものだからである。つまり、国家資金による窮余の需要作りというわけだ。ただ、いったんこうなり始めるともうなかなか後戻りが出来なくなる。不況の時代に武器生産や、軍隊を縮小したりするとたちどころに失業者が急増するから、軍事縮小はなかなか出来なくなる。景気がよくなる見通しがなければ、軍隊もどんどん大きくなり、もう戦争という形で世界が自爆していくことにならざるをえない。
④こういう典型が戦前のいわゆる遅れてきた先進国、日独伊である。1929年の世界恐慌前後から一挙に戦時体制に突入していった。こうして二つの大戦は、以上のような背景を持った先進国間で起こされ、国家総力戦という形を取った。
⑤ただ、20世紀になって総力戦の悲劇を反省した人類は、戦争違法化国際体制を結び、強化してきた。政治的にはアメリカのウィルソン大統領などがイニシアティブを取って、経済的にはケインズが国際経済組織などを作って。これは、歴史上画期的なことだと、どこまでも主張したい。「意識の上では」もう戦争は起こしたくないと先進国が決意しあったということだからである。が、世界がまたしても上のような事態になれば、事は混沌として、怪しくなって来ることに変わりはない。この50年のアメリカ産軍政複合体などは、この典型ではないかと思う。
さて、僕がここでアメリカの産軍政複合体を常に危惧してきた理由は以上の通りである。そして今、このアメリカと集団的自衛権を交わし合おうという日本が武器輸出3原則を崩すばかりか、海外武器企業買収までを解禁する。もの凄いショックだ。リーマンショック以来特に世界に失業者があふれて、何を作っても売れない時代にもなっているのだし。9条を持つ日本が、ケインズなどが観た普通の戦争をする先進国になっていくと観るからである。
これではもう、9条があっても無くてもそんなに変わりはなくなるとも言えるし、日本も戦争をする国になっっていく。「意識してする」と言うよりも、「するしかないような国、状況にどんどんなっていく」ということだと思う。世界の不景気、失業者の群れを観ること以上に、悲しいことだ。
僕としては、この25日に書いた「僕の9条堅持論」の通りの世界になって欲しいと願ってきたが。世界に格別の変化がない限り、まだまだ先の話にいったんはなってしまった。国連警察軍の実質化は必ず実現すると観ているが、人類ってオロカだとつくづく思う。人類史は愚行の陳列台だと語ったのは、ニーチェだったっけ? それにしても。
全く別の話を。1日まで1週間のアクセス数こそ1,175人だが、閲覧数が実に25,607になった。このブログは元々閲覧数がアクセス数の10倍というのはしょっちゅうだが、20倍を超えたのは多分初めてであって、この閲覧数自身も過去の最高記録を更新したもの。過去の最高は、10年5月16日からの週の20,155だ。ちなみにアクセス数の記録は11年5月8日からの週の3,426。
大変な政治情勢の中でこれからも色々と頑張って書きますので、ご支援をよろしく。
武器輸出くらいで大袈裟なんだよなあ。中日新聞や文科系氏の理論・主張が正しいなら、現に武器輸出も徴兵制もしている韓国やスイスなんかの国は、一秒でも早くすべて滅ぼしたほうが世のため人のため世界平和のためになるのではなかろうか。どう思います? らくせきさん。大西五郎さん。
これ以上、お答えする必要を感じません。
人間には自分の思うようにならないことがふたつあるという。ひとつは「人間はひとりでは生きていけない」ということ。もうひとつは「自分の思うようになることはほとんどない」ということだ。自分の思うようにしたい。ところが現実はなかなか思うようにならない。そこに理想と現実のギャップが出てくるわけだが、だからこそ努力が必要である。自分の思うようにするために努力していく。その先にあるのが理想であり、夢であり、希望であり、願望である。
国連は、総会というものがありながら、あの拒否権って、ちょっとおかしいと思う。文字通り各国が平等ならば、総会が最高の決定機関だろう。だからアメリカが度々やってきた事だが、総会決定を無視したり、知らん顔したり出来るのだ。警察軍とかの重大決定などでも、総会で決めたらよいのだ。つべこべ言う国はほかっておいてAIIBのような新組織を創ってでも。
国連常設警察軍は必ず出来る。各藩の警察よりも、中央政府警察一つのほうが遙かに経済的だし、そもそも公平にもなれると思う理屈である。国連がこれを目指し始める過程で初めて、アメリカも中国も、そしてロシアも、少しは大人しくなり始めるだろう。
攻めてくる国は必ずあると語る人はすべからく、国連警察軍を創る方向を目指すべきである。世界の皆が目指せば、20年もかからず出来るはずだ。
ただ、今なら米国が真っ先に反対するだろう。自分がただでさえ国連を無視して自由に戦争するために大軍備を保有しているという、これを使った大きな顔が出来なくなるからである。アメリカ以外は全部賛成なら、アメリカを除いた国連を創ればよい。そうしたらアメリカも少しは大人しくなるはずだ。今は間違ってもローマ帝国のような事は出来ないはずだからである。
いわゆる現実論には正反対の未来を対してみればよい。それが理論というものの出発点である。そういう出発点に立ってこそ、初めて見えてくるもの、未来に考えてみるべき事が産まれるものだ。
犯罪国家の北朝鮮←中国とロシアが反対
パレスチナを無差別攻撃しているイスラエル←アメリカが反対
ミャンマーのポルポト政権←中国が反対
正しく、連合国軍とするなら米英仏軍と中ロ軍を作り、日本やドイツはお金を出す側に回るべきでしょうか……しかし(文字通り)話の通じない軍隊になりそうだ(笑)。国連というから何か良いもののように聞こえるのだ。これからは報道されている国連という言葉を正しくすべて連合国と置き換えて暮らしていきましょう! 韓国や中国でさえちゃんと連合国と呼んでいるのに……日本は最低最悪だ……。
君の「連合国」は分からないでもないが、今はほとんどの国が加入して、総会もある。だからこそ、やがては文字通り国際連合に変わっていくだろう。またそうせねばならない。各国平等という原則がありながらこれを踏みにじっているのだから矛盾しているのであって、これは必然の流れというもの。
ここの警察軍が名実ともにそう変わるということも含めてね。その場合は、各国軍隊はまー自警団であって、無闇な発動は許されない。日本戦国の群雄割拠が統一国家に変わったようなものだろう。歴史のスピードはどんどん速くなるのだし。アメリカの没落などあっという間だと思うよ。
人間世界のどんな理論も、人間世界の不幸を観て想像力を働かせる所から始まる。想像しなければどんな理論も、どんな未来も生まれない。現実世界の諸不幸をよーく観つつのことだけど。