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中田賢一と、山田久志?  文科系

2008年04月23日 10時29分22秒 | スポーツ
中日ドラゴンズが阪神にも大勝した。「読売巨人軍」の左右両エース・上原と内海をトラウマを残すまでに叩き伏せ、今度は首位・阪神にも8対ゼロの完勝。もう中日の優勝は決まったも同然である。
この立役者は何と言っても、中田賢一投手25歳。杉下、星野、小松らが付けたエースナンバー20番を受け継いだ若者である。昨夜の被安打数も、わずかに5つ。

さて、毎日新聞朝刊が大きく中田賢一を紹介しているが、そこのある表現が僕の目に飛び込んできた。
「今期は勝ち星を挙げても『いま一つ調子は良くなかった』と言い、登板予定のない先週末の遠征にも帯同して試行錯誤を繰り返した。森バッテリーチーフコーチのアドバイスもあり、軸足に重心をしっかり乗せて右腕を大きく使うことを意識した。『だいぶ良くなった』と手応えをつかんでのマウンドで最高の結果を出した」

この記事を読んで思ったことだ。「これで、川上憲伸の後継者・大エースが早くももう生まれたのではないか」と。というのは、上の表現の中にはすごく大事な知恵が入っているからだ。
「軸足に重心をしっかり乗せて右腕を大きく使うこと」
この言葉は僕に、球界大エースの忘れられない言葉を瞬時に思い出させた。アンダースロー投手にして、希代の剛球投手・山田久志が自分の「剛球の生命」をこう語っており、この言葉がなぜか、スポーツ好きの僕の頭からしばらく離れなかったことがあるのである。

「アンダースローは特に、下半身の粘りが全て。指先からボールを離すリリースポイントを1センチでも2センチでも前に出来るように、下半身で粘る。そういう下半身を作り、維持する。これが出来なくなったときが野球を止めるときだ」
これを読んだ当時の僕は、この言葉に込められた大きな知恵、意味を懸命に勉強したものだった。その知恵を今分かりやすく語るとすれば、以下のように表現されるだろう。松阪も含めて投手全てが語っていることなのだが。

初速160キロでも本ベース上で145キロになるピッチャーは全くだめだ。初速140キロでも、ベース上が137キロなら凄いボールであると。松阪もこれに関わって、終速150キロを超えるボールを目指しているようである。そして、こういう「伸びのある」ストレートは大きいフォームに耐えられる下半身を作って、「出来るだけ前で強くボールを離す」ことによってのみ可能になる。大投手といわれた人々なら総てが、強靱な下半身維持に大変なエネルギーを費やしてきたのは、ひとえにこのことのためなのである。

落合監督は中田賢一のことを「暴れ馬」という。そういう下半身の持ち主であると、すぐに見抜いたのだと思う。この下半身をきちんと使えるようになれば! これが実現し、川上憲伸の後継者が早くも生まれた。いやまだまだ、右の両輪というところであろう。たった7歳しか違わないのだし、投手生命もすごく伸びている時代であるし、監督としての落合はけっして無理をさせないはずでもあるから。

「25歳前後の投手が、競い合うようにしてどんどん育っている」
監督が目を細めてこのごろよく語る言葉だ。森バッテリーチーフコーチも素晴らしい教え手なのであろう。確か、全盛時代西武の投手だったはずだが、今なおときめく「中年の星」工藤公康の成長などを見届けてきた人物だったはずである。
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2 コメント

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150Kって (トウシロウ)
2008-04-24 00:15:00
 僕の連れに70になる人がいる。
 中日戦のエキジビションでスピード投球に挑戦した。
 彼は100Kを目標にしたが90がやっとだっと落胆していた。
 機会があって彼の投球を打ち返すことになった。
 
 しかし 手も足も出なかった。かすりもしない。
  
 150Kなんて恐ろしくなる。
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トウシロウさんへ (文科系)
2008-04-24 06:31:10
ご応答ありがとうございました。
短いけれど、僕としてはとても面白く読みました。
ご自分の経験に照らし合わせて、プロの球を思い描いてみられているところが。僕もこれをよくやってみました。

「150Kなんて恐ろしくなる」は、本当にそう。

僕はいつものバッティングセンターで120キロぐらい、人間の投球では130キロほどの経験しかありませんが、「終速の速い球」は全く違います。終速120キロの「生きた球」は腰が引けます。150キロと言ったら、恐ろしいではなくて、間違いなく、そこに立ってはいられない。ボッワーンとした何かものすごいものが体めがけて飛んで来る、そんな感じだと想像しますね。
まず、人間業とは思えないものですね。
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