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不可解なNHKバッシング(4)中国語 禅不必須山水

2009年06月29日 00時07分51秒 | Weblog
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不可解4、日本統治で「中国語」が禁じられたことはなかった
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このNHK非難は、台湾入門書を読んでいないとその意味が理解できない。したがって、NHK弁護にも反面、同様な知識が必要である。しかしNHKは、一般視聴者にそれを前提として求めていないので、話はややっこしい!

A 台湾で使われている言語
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台湾で現在使われている言語には、

1、ビン(「門」かまえに「虫」)南語ーーー主に福建省からの移民による

2、客家(はっか)語ーーー主に広東省客家からの移民による

3、北京語ーーー国民党政権による教育

4、各先住民族語ーーー民族別に独立した言語

5、日本語ーーー日本統治による教育」

があり、1,2,3が漢語の方言である。
NHKはその3つを「中国語」と表現して、一括りにした。

「皇民化教育の中で中国語が禁じられた」というナレーションの「中国語」とは、
1、ビン南語と 2、客家語を指す。

私達日本人は、漢語=中国語として受け取るから、NHKの言い方で不都合はない。

B、「中国語」への反応
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ところが台湾の人は、「中国語」というと普通、国民党が「国語」として推し進めた3、北京語を指す。だから、台湾独立派は拒否反応をしめす。台湾独立派は、「中国」という言葉すら拒否し、「漢人」「漢語」に対してもアレルギーを示す。
だからといって、台湾の人々がみな「台湾独立派」なのかというと決してそうではない。

1、民族(文化)意識も国家意識も「台湾」
2、民族(文化)意識は「中国」、国家意識は「台湾」
3、民族(文化)意識は「台湾」、国家意識は「中国」

などなど・・・・さまざまなスペクトルがある。
さらにまた、現実政治、現実社会の中で、同じ人でも様々なニューアンスを使い分ける。
だから、NHKが使った「中国語」という言葉への反発も、台湾社会全体ではどうなのか、それはよく分からない。

C、「台湾語」ならよいか
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こうしたアレルギー反応が起こることはNHKも予知していて、ナレーションを書くときには、かなり悩んだに違いない。
ビン南語や客家語を「台湾語」と表現すれば良かったかというと、そうでもない。それでは別の問題が起こる。

「台湾語」と言ってしまうと、それが共通標準語であったかのような錯覚に陥る。日本人はきっと誤解する。
実は、台湾に「標準語」を持ち込んだ初めは日本で、「日本語」を「国語」として押し付けたのである。そして、戦後台湾にやってきた国民党政府もまた標準語として「北京語(国語)」を押し付けた。台湾の人々に取って「標準語」はどちらも、外部からのお仕着せ(注入物)であったのだ。
「日本語」と「北京語」を除いた言葉を「台湾語」といえばいいかといえばそれも違う。「ビン南語」、「客家語」、そして各「先住民語」、これらはあくまで鼎立して、単一の「国語」はない。
(現在の台湾の人々は、複数の言語を使いこなす人が多い)

D、なんと言えば正確だったか
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おそらく、NHKは「皇民化教育に当っては、各エスニックに固有の言語の使用を禁じた」、といえば正確だったかもしれない。
しかし、それもなんのこっちゃ、ということになるだろう。

私の結論は、「NHKはとても良い問題提起をした」という評価で終わる。

NHKはこの問題ではいかなる表現をしても辛辣な非難を浴びるであろう。しかしその経過の中で、台湾をしらなかった日本人には、台湾を学ぶチャンスが与えられる。
現に私にはそのチャンスが与えられた。

そういうことで、NHKには試練を受けてもらうことも必要だ。『台湾』というこれまで触りたくなかった腫れ物に言及し、「一石を投じた」ものの責任でもある。

わたしは、おかげさまでいろんな物を読み、なお読もうとしている。その意味では、NHKの番組と製作スタッフに大感謝である。

同時にNHK批判者にも感謝したい。余りにも事実からかけ離れたプロパガンダでなければ、もっと良い。





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