4日土曜日、表題のことがあった。演奏者は3人、いずれも中部アマチュアギターコンクールの優勝者ばかり。初めは去年の総合優勝者Tさん。次が、今年の総合優勝者Kちゃん、今年の第32回日本ジュニアギターコンクール総合優勝者で、小学6年生である。そして最後が、このコンサートの企画・開催者Uさん。今年のシニアの部第1位の方であり、この日の会場提供者でもあられる。僕は枯れ木も山の賑わいで、唯一の単なる聴衆。もっとも、Kちゃんのご両親もいらっしゃったけど。笑顔がいつも素敵なお父さんと、美しくって思慮深げなお母さんと。
このホームコンサートって、本当に至福。何か気になれば演奏者の直ぐ脇へ行って、それを観させていただくことも出来るし、ギター経歴なども気軽に問答してもらうことが出来る。そんなこんなで、アマチュアの最高峰である演奏者たちの個性が目の前に全部見えるのだ。下手くそな僕で僭越ながら、それを表現してみよう。おおむね他の皆さんにも確認済みのものでもあって、間違ってはいないと思うし。
Tさんは、大阪の方。大学時代からのギター弾きで、退職後この10年間を先生に通われたとのこと。信じられないような話で、大学時代からの基礎が余程良かったとしか思えない。いろんなギター技術の模範みたいなカッチリと安定した演奏をされる。アマチュアなのにレパートリーの広さがまた凄くって、常時20曲はあるとのこと。バッハ、「11月のある日」「アンダルーサ」「アルハンブラ」等々、もっともっと多くを弾かれた。
Kちゃんは、メルツの「ハンガリー幻想曲」、パガニーニ「超絶技巧練習曲」など。あの小さな体、か細い腕手のどこから、あんな強烈な音・表現力をほとばしり出せるのかと、いつも、ただ、目を見張るばかり。32回目だったかの全日本ジュニアにおいて、「小学生でのジュニアグランプリ」は過去3~4人と聞いた。近頃有名な村治佳織、奏一姉弟などもここを通った口であって、プロとしての大成功がほとんどもう保証されたも同じ6年生だ。
Uさんは、ソルの練習曲作品31の19番や「ガボットショーロ」「フリア・フロリダ]などをいつものように音楽性豊かに優しく弾いてくださり、場が和んだものだった。ただ、今日のホステス役ということで、随分遠慮しておられたようである。彼女については、ここでもよく紹介した「ギター遊びの会」のお仲間でもあり、またご紹介する機会もあるだろう。
話は替わるが、一昨日5日は名古屋マンドリン合奏団(第52回)定期演奏会というのを、名古屋市芸術創造センターへ聴きに行ってきた。ギターもあったし、多分低めのマンドリンである「マンドラ」とか、マンドリンをバイオリンとするとチェロのように大きな「マンドロンチェロ」とかを初めて見たり聞いたりして、興味津々だった。初めのほうの演奏がなんか音質が悪く、後に行くに従って良くなっていったと感じたが、あれが演出であったら嫌だなとも思った。3部に分かれていたから、せめて1、2部を入れ替えたほうがもっと気が利いているのではないか。それ以上に、あらかじめ誰か1部の音を注意する人がいなかったのかと、不思議な気もしたものだ。最後のマスカーニと「未完成交響曲」とが良かったので、全体としては満足したのだが。
それにしても、大学のギター・マンドリン同好会のOBたちがこの会をずーっと52年続けてきたらしいその努力には、頭が下がる。会場も満員であったりして、この国、この地の音楽文化の発展にとって、数人のちょっと優れたプロの出現よりも音楽の普及にとって遙かに計り知れない功績があったのではないか。
なお、事後にこんな事もあった。僕の中・高一貫校、そして同じ大学と通した同級生が1人出演していたのでちょっと同窓会のような趣もあって、終わってから5人ほどで食事をして、その後、僕の行きつけのスポーツバー「グランスラム」にご案内した。演奏会場の近くだから、歩いて行けるのだ。みなさん大いに興味を持たれたらしく、このうちの誰かがお孫さんでもつれてここに来られればいいと僕から申し上げた。実現すれば僕にとってこんな嬉しいことはない。
(2010年09月07日に初出掲載、再掲)
このホームコンサートって、本当に至福。何か気になれば演奏者の直ぐ脇へ行って、それを観させていただくことも出来るし、ギター経歴なども気軽に問答してもらうことが出来る。そんなこんなで、アマチュアの最高峰である演奏者たちの個性が目の前に全部見えるのだ。下手くそな僕で僭越ながら、それを表現してみよう。おおむね他の皆さんにも確認済みのものでもあって、間違ってはいないと思うし。
Tさんは、大阪の方。大学時代からのギター弾きで、退職後この10年間を先生に通われたとのこと。信じられないような話で、大学時代からの基礎が余程良かったとしか思えない。いろんなギター技術の模範みたいなカッチリと安定した演奏をされる。アマチュアなのにレパートリーの広さがまた凄くって、常時20曲はあるとのこと。バッハ、「11月のある日」「アンダルーサ」「アルハンブラ」等々、もっともっと多くを弾かれた。
Kちゃんは、メルツの「ハンガリー幻想曲」、パガニーニ「超絶技巧練習曲」など。あの小さな体、か細い腕手のどこから、あんな強烈な音・表現力をほとばしり出せるのかと、いつも、ただ、目を見張るばかり。32回目だったかの全日本ジュニアにおいて、「小学生でのジュニアグランプリ」は過去3~4人と聞いた。近頃有名な村治佳織、奏一姉弟などもここを通った口であって、プロとしての大成功がほとんどもう保証されたも同じ6年生だ。
Uさんは、ソルの練習曲作品31の19番や「ガボットショーロ」「フリア・フロリダ]などをいつものように音楽性豊かに優しく弾いてくださり、場が和んだものだった。ただ、今日のホステス役ということで、随分遠慮しておられたようである。彼女については、ここでもよく紹介した「ギター遊びの会」のお仲間でもあり、またご紹介する機会もあるだろう。
話は替わるが、一昨日5日は名古屋マンドリン合奏団(第52回)定期演奏会というのを、名古屋市芸術創造センターへ聴きに行ってきた。ギターもあったし、多分低めのマンドリンである「マンドラ」とか、マンドリンをバイオリンとするとチェロのように大きな「マンドロンチェロ」とかを初めて見たり聞いたりして、興味津々だった。初めのほうの演奏がなんか音質が悪く、後に行くに従って良くなっていったと感じたが、あれが演出であったら嫌だなとも思った。3部に分かれていたから、せめて1、2部を入れ替えたほうがもっと気が利いているのではないか。それ以上に、あらかじめ誰か1部の音を注意する人がいなかったのかと、不思議な気もしたものだ。最後のマスカーニと「未完成交響曲」とが良かったので、全体としては満足したのだが。
それにしても、大学のギター・マンドリン同好会のOBたちがこの会をずーっと52年続けてきたらしいその努力には、頭が下がる。会場も満員であったりして、この国、この地の音楽文化の発展にとって、数人のちょっと優れたプロの出現よりも音楽の普及にとって遙かに計り知れない功績があったのではないか。
なお、事後にこんな事もあった。僕の中・高一貫校、そして同じ大学と通した同級生が1人出演していたのでちょっと同窓会のような趣もあって、終わってから5人ほどで食事をして、その後、僕の行きつけのスポーツバー「グランスラム」にご案内した。演奏会場の近くだから、歩いて行けるのだ。みなさん大いに興味を持たれたらしく、このうちの誰かがお孫さんでもつれてここに来られればいいと僕から申し上げた。実現すれば僕にとってこんな嬉しいことはない。
(2010年09月07日に初出掲載、再掲)
ウチの先生の弟子がもっと増えて欲しいといつも思っている。良いギター音楽の普及になるはずだから、公共利益的観点で以上を語ったつもりだ。