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間違いだらけの中国脅威論 3  へそ曲がり

2008年01月19日 11時57分34秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
間違いだらけの中国脅威論 3【予算目当てで浮上した島嶼防衛】

 よく「中国海軍の脅威」も語られているが、07年11月に東京湾に「友好訪問」した中国駆逐艦・深圳に乗船してみて驚いた。日米は太平洋戦争中に火災で多くの艦を失った経験から、艦内から極力可燃物を排除する。ところが深圳は可燃物だらけなのだ。部屋のドアは木製で、廊下や下士官室にはアクリルのカーペットが敷いてある。テーブルなど家具も木製で、すべて金属製の日、米の艦とは大違いだ。
 中国は1894年の日清戦争の黄海海戦以降、本格的海戦の経験がない。こうした笑いたくなるような海軍が、「日本を軍事挑発」するだの、「米海軍に挑戦」しているなどといった昨今の論議は、海軍に関する無知から来る。
 だが近年、陸上自衛隊が「島嶼防衛」と称し、明らかに中国海軍を念頭に「西南諸島が占拠される」といった事態を想定している。中国が台湾に侵攻するにも力不足なのに、わざわざ日本の離島を攻撃し、日、米を敵に回すことがあろうか。
 自衛隊のレンジャー(特殊部隊)でもハワイあたりの小島を米国の油断を突いて一時的に取ることは可能かもしれないが、制海権も制空権も欠いていれば、その後どう維持するのか。だが、笑い話ではすまない。「島嶼防衛」用にC130輸送機を改造し空中給油装置を取り付け、ヘリコプターにも受油装置を付ける予算がつけられた。
 陸上自衛隊は作戦計画を毎年作るが、冷戦が終わって「脅威」がなくなり、困っていた。作戦計画を基に装備を開発したり、部隊を編成する。作戦計画を作るには、敵を決めなくてはならない。敵を必死で何とか探さなくてはならない。それで旧ソ連の後任に中国が登場した形だが、軍事的には全くナンセンス、政治的、経済的には国益上有害だ。
 中国の唯一の脅威は核ミサイルだが、65年からある。それを知りつつ日本は国交を樹立し、核不拡散条約にも加入した。今になって騒いでも、どうにもならない。
 今後さらに世界は相互依存関係が深まり、米中はますます接近する。米軍のアジア離れも始まり、沖縄から第3海兵師団、韓国からは第8軍を撤退させる計画だ。2012年までに米軍が韓国軍に有事の指揮権を返還するのも、「もう米軍は朝鮮半島では戦わない」ということを意味する。
 そんな時代に、わざわざ中国を「脅威」に仕立てるのは愚の骨頂だ。
                                (終わり)
 
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4 コメント

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”一人歩き”は怖い (文科系)
2008-01-19 12:42:40
へそ曲がりさんのこの投稿は時宜を得ていて、いろんなことを考えさせられた。

どんな役所でも、ポスト争いなども含めて”組織の一人歩き”を始める必然性があるようだ。そこから、”仕事”、”部署”、”ポスト”作りなどなどの無駄遣いを生みがちだと思う。冷戦が終わった今時の防衛省昇格などはその典型じゃないか。
そして、軍隊のこれは特に怖いと思う。一体、どういう「仕事」を作り出すのだ? 「防衛」がどんどん「積極的?」になっているようだし? アメリカにくっついて「島嶼」とか「宇宙」とかなんて、その典型じゃないか?
 
実に嫌な傾向だから、誰かがどこかでこれを制止して欲しい。アメリカから離れ、防衛省に大鉈を振るう政治こそ必要だ。ここにも「パンドラの箱」は無数に存在するだろう。何しろ「行け行け、どんどんの役所」だったのだから。守屋は決して例外ではなかったはず。
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70年前の雑誌を (楽石)
2008-01-19 19:53:01
パラパラとめくっていたら、日本の貿易相手国が
世界地図にのっていました。
アメリカが一番大きな貿易相手国でした。
日本は自動車ではなく、生糸を輸出していました。
その次が満州国かな?

貿易での相互利益という点でいえば
70年前も同じですが、
今と昔では、経済の関係がもっと深く
相互依存の度合いは、根本的に違いがあると思います。

しかし、軍隊が昔のように暴走すれば、
あぶないことが起きるかも。
そんなことのないように、やはり
自民党の政治には一度ストップをかけないと。




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核を持つと戦争は・・。 (保守系)
2008-01-20 00:14:01
私はいつか西部邁の「核兵器準備宣言を日本もすべき」を紹介した覚えがあります。核兵器を持つとお互いに戦争が出来ないのです。未だに若者を戦場に送るななどと絶叫している群れがいますが・・。今日のNHK衛星で1,989年11月のベルリンの壁を見ました。私は、戦後の私の世界歴史の驚きは、これでした。まさかソ連が崩壊し、東西ドイツが統合するなど、想像もしていませんでした。まだ20年も経ていません。
しかし、一昨年でしたか、ハンガリーヘ行った時に、ハンガリーの通訳が、ハンガリーでは失業者も多く、若い優秀な人々がEUの加盟により、他国へ出て行ってしまうと嘆いていました。そして完全雇用の共産主義の時代を懐かしんでいると言っていました。
そうなんでしょうね。共産主義の良さは、賃金が安いかもわかりませんが、家族がお互いに一緒に居て過ごしていたのでしょうね。
まあ落石さん、戦前も戦後も資源は日本にはありません。
親父の昭和10年の日本国勢図会を見ていても、石油はない、何もないのです。
へそ曲がりさんの懸念もあるのでしょうが、まあ戦争は簡単には起せません。それはシナが一番知っているのでしょう。といって「憲法九条は守る」はいけません。やはり憲法九条は改正すべきです。
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日本核武装は (楽石)
2008-01-20 09:51:52
アメリカが許すわけないでしょう。
アメリカに従属した考えの人たちが
核武装論を説くには、前提がくるっていませんか?

まず、対米従属を脱してからでしょう。
その心意気があるのかな?

そのプロセスをキチンと説明してからでしょうね。

もっともアメリカの経済覇権が崩れた今、
日本の安全保障を、どうするのか?
ここに核武装論が出てくるスキマが生れるかな?






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