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「メディアの憲法報道を問う」     

2008年12月08日 09時59分51秒 | Weblog
東海放送人九条の会 2周年記念講演会は第3回定例総会のあと、
午後3時から総会と同じ愛大車道校舎新館9階903教室で行われました。
講師に、中京大学教授で、中日新聞論説委員でもある飯室勝彦氏を迎え、
テーマは「メディアの憲法報道を問う」でした。

ご本人の了解を頂いて、当日の講演の詳細を紹介させていただきます。
                    (落石)


憲法は時代の道案内

自己紹介を簡単に申し上げます。
私は中日新聞に入社しまして38年間中日新聞の記者をやっておりました。
記者として取材対象にしたのは裁判が比較的長かったんですが、
最後は論説委員として12年ぐらい社説を書いておりました。
今本業の方は中京大学で、こそばゆいんですが、
一応教授として学生の相手をしております。

メディアの方の仕事は従でございまして、
時に、私が書くべきだと社の論説の責任者が思ったテーマを
書かしてもらうということでございます。
ですから皆様方のなかにも中日新聞の社説をお読みになって、
時に腹をお立てになったり、
或いは共感を得られた方の文章の中に私が担当したものがあるかもしれません。

どっちの反応にしましても、新聞社およびライターにとっては
非常に励みになるものです。


新聞社の中にいると見えないものが外にいると見えてくる
という部分もあるんですね。
自己批判を込めて今の報道に少し私の考えを
ご披露させていただきたいと思います。

改憲熱は下がったのか

導入部として新聞記事の話から入ります。
今年の5月2日、朝日新聞の二面の時事刻々という欄に
「政界、改憲熱 今は昔」という記事が載りました。
時事刻々というのはその時々の一番大きな話題を解説を交えて掘り下げる
欄なんですが、
「政界、改憲熱 今は昔」というメインタイトルで
「首相抑制、民主も乗らず」という見出しがついています。

首相というのはこのころは福田さんでした。
要旨を簡単に言いますと、憲法改正の国民投票法案は成立したが、
憲法審査会は未だ国会に出来ていない。
当時の福田康夫首相は安倍さんと違って改憲ということを全然口にしなくなった。
民主党もいまや政権を取ることに必死で憲法には全然関心がなさそうだ、と
いう記事です。

福田さんは改憲のことを何も言わないまま政権を放り出し、
いま麻生さんですね。
麻生さんも経済問題の対応に追われて憲法改正ということは何も言いません。
本来なら麻生さんも安倍さんと同じぐらい改憲意見のはずなんですが
何にも言いません。

民主党の方も政権が取れるかもしれないと言うことで
憲法にあまり関心を示さない。
とすると5月の朝日新聞の「政界、改憲熱 今は昔」
という記事は正しかったのかなぁと思われるかもしれませんが、
僕の見方はまったく違います。
この記事を読んだときから、そんなことはないぞ、
いま熱が下がったように見えるだけで、
政界の改憲熱は相変わらず高いよというのが僕の意識でした。

この見方は甘いんじゃないのと思っていた矢先に、
田母神論文問題なんですね。航空自衛隊のトップが侵略戦争を美化して、
憲法改正すべきだということまで言い出した。
これは僕にしてみれば「やっぱりなぁ、それ見ろ」という感じだったんです。
だって、その前後の選挙を見てますと、
とても政界の、或いは国民一般の雰囲気が変わったとも思われないんですね。確
かに参議院選では自民党を大敗させました。
ですから今やとても三分の二なんて取れませんから
憲法改正なんてことは言い出せない雰囲気になっていますが、
その前の衆議院選では自民党を大勝させています。

そうしてみると、憲法を守る運動が拡がっているのは事実なんだが、
その運動とは関係のないところでは、もっと風のようなもの、
吹いてくる風のようなものが動かしているんではないか。
ですから僕はいつも別の風が吹いてくると怖いなぁと思ってたんです。
そういう時に、あの論文が出て来たわけです。
ですからあれは、今新聞で扱われている以上にタイヘンな問題だと思っています。
ゾッとしています。
あれは形を変えた二二・六事件ではないか、という気がしています。

二二・六事件は言ってみれば政治のやり方が気に入らないと言って、
軍の指導者たちがクーデターを起こそうとした事件ですね。
あの論文そのものは、あれで3百万円くれれば美味しいなぁという論文です。
インターネットでアパグループというページを呼出しますと
そこに論文の発表というウェブがありますから、そこで全文引き出せます。

                           つづく


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5 コメント

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時宜を得たニュース! (文科系)
2008-12-08 11:17:39
僕らと同じ、「田母神論文=思想クーデター」説があるんですね。しかも中日新聞社の首脳から。だからこそ、退職金6000万円を結局彼が受け取れたことに、僕は猛烈に腹を立てています。

そして、今最も怖いのは、この流れと世界同時不況が当然、結びつくこと。各国の利害はぎくしゃくしっぱなしだろうし、愛国主義も熱狂的になりやすい。そこへもってきて、政治家の能力は低下していると来ている。そんなことを思うと憂鬱になります。

ただ、こんな朗報もあります。世界を客観的に見たら、最も貴重な流れではないでしょうか。もう読んでいるかも知れませんが、田中宇氏のニュースから抜粋します。
こういうところで世界の計画的需要拡大の話をしてくれなければ、戦争のにおいが出てくるばかり。ただ、第2次世界大戦時と全く状況が違いますけどね。人種差別、婦人参政権、旧植民地への民族自決思想などなどにおける前進のことですが。

【IMFと世界銀行という「ブレトンウッズ機関」(1944年のブレトンウッズ会議で設立された機関)は、国連の機関である。国連では今、中南米(ニカラグア)左翼出身のミゲル・デスコト・ブロックマンが国連総会議長となり、彼を中心に、発展途上国の代表が国連を牛耳り、従来の米英中心体制をぶち壊しにかかっている。国連は、左翼とイスラム主義者に乗っ取られている。以前に書いた「国連を乗っ取る反米諸国」の流れである。

 国連総会を掌握する彼らは、安全保障理事会を中心とした従来の国連の意志決定メカニズムを壊している。彼らは、総会の下にある「社会経済理事会」の傘下にIMFと世銀を組み入れる新体制を計画中で、欧州がIMFトップ、米国が世銀トップを出して米欧がIMFと世銀を支配していた、従来の構造を終わらせようとしている。(関連記事)

 左翼やイスラム主義者に乗っ取られて機能不全に陥っているかに見える国連だが、その国連は、ドルのハードランディングを防ぐための方策を提案している。11月29日、中東カタールのドーハで、国連の経済会議(開発資金会議)が開かれた。この会議は2002年の途上国経済発展に関する「モンテレー合意」の実行を総括することが目的だが、モンテレー合意には、国際金融システムの改革も含まれている。(関連記事)

 会議に際して記者会見したデスコト国連総会議長は「従来の国際金融システムは、もはや機能していない。新たな金融システムを作る必要がある。新たなシステムを作るための国際会議を、来年3月に開くことにした。世界のすべての国家元首に招待状を出す」と発表した。これは、提案のされ方から考えて、11月に米ワシントンDCで開かれた「第2ブレトンウッズ会議」の続きである。国連を乗っ取った左翼やイスラム主義者たちは、新たな国際通貨体制を作ろうとしている。しかし、彼らにそんなことができるのだろうか。(関連記事)

 ドーハの国連会議には、IMFも世銀もトップが来ず、主導役はみな発展途上国の代表だった。記者会見したデスコト総会議長は、IMFと世銀の欧米人トップたちの不参加を批判した。どうも欧米人たちは、国連を途上国の勢力に乗っ取られたことが不満で、ドーハ会議を欠席したかのようである。しかし同時に、フランスのサルコジ大統領や、ロシアのメドベージェフ大統領といった多極主義系の主要国の首脳たちは、デスコトのやり方を評価している。】
返信する
参考になりました (道草)
2008-12-09 12:19:45
なかなか外出できない身としてはこういうメールは新鮮です。
8日をはさんでテレビでも重い事柄を扱っていました。引き揚げに関するNHKの報道も戦争が引き起こす悲劇とともに、軍は国民を守らないとはっきり思い知らされました。こういう報道を武器を持ちたい人はどう思っているのでしょうか。
返信する
やはり中日も朝日か・・ (保守系)
2008-12-10 02:10:09
道草さんは、引き揚げ時とは、満州の事ですか、何処で起きた事件でしたか?
文科系さんは、未だに田母神さんの退職金に腹をたてているようで・・。
田母神さんの書いた近現代史の何処がいけないのかを指摘しないといけません。
それに社会党の村山ですよ・・。国会決議もしていないし・・。彼は村山前首相の名前を挙げて批判したのですか?一体、何処の国に、日本が迷惑をかけたのでしょうか?戦争とは突然、起こるものではありません。双方に何等かの原因や経緯があるもです。
こんな事は、子供でもわかる話しです。
飯室さんは、これでも教授が出来るのですね。これも天下りかな?恐い事です。
返信する
NHKでさえ (文科系)
2008-12-10 06:15:32
保守系さんはいつも、話の焦点をずらして、自分の焦点だけを語る。貴方の焦点には合わせず、いま社会で批判されているマットウな点だけを、僕は何回も応えるだけだ。

・閣議決定は、これに国会が反対ならばそうすればよい。それができない間は、閣議決定は国の方針である。その後自民党が衆院3分の2と盛り返しても覆すことができなかったものであることも強調したい。

・閣議決定はアジアに迷惑をかけたと書いてある。田母神も含めてあなたがたは、「どこに迷惑?」、「どんな迷惑?」などと語り、これへの違反発言を正当化できるような気分になられているようだ。こんなのは、「ためにする」、「不誠実な」、「偽論議」と言う。我田引水の「いいがかり」は、うじうじとして潔くないこと甚だしい。

・以上から、あなた方がほじくり出す歴史観などはこの際、どうでも良いことだ。ましてや公職にある田母神が、そんなことが言える立場ではないのは自明である。文科省関連の閣議決定違反発言を教員が生徒にやったとしたら、あなたがたはどんなに怒り狂うか。そんなことも考えてみよ。

・産経以外の5大紙も、NHKですらが「田母神」はこんなことを前からやっていたのだと批判している。それは全て上記の正当な理由によっている。

・自民が半数を割ったとき、いったんあなた方は負けたのである。だから村山談話が出た。その後衆院3分の2になったからと言っても、さらに参院で過半数を割ったから現状の田母神批判が出た。自民はよほどのことがない限り、次にはもっと負けるだろう。世論を気にするマスコミが、産経以外は同一歩調を歩んでいるが、当然の成り行きである。

・以上全てを前にして、歴史観などという持久戦をふっかけるとは、なんと根性の腐った人格であるか! 
返信する
まだ足りなかった (文科系)
2008-12-10 07:25:03
まだ1点、言い足りなかったことがある。

田母神にしても貴方にしても、「歴史観」なんてよく偉そうに言うよと思う。それはこういうこと。

田母神はこう語ったね。
「日本は良い国だ」と言ったら怒られた。自衛官たちに良い国だと思わせなければ、本気では守れない。

この論理からすると歴史観・歴史的事実などは、実はどうでも良いのだ。「多少悪いところは悪くないという」「大いに悪いところは、相手もやっていたといおう」とまー、こんなもんですよ。
こんな論理で「作る」歴史観が歴史観と言える代物かどうか。

ちょうどこういうことと一緒ね。
・人間にとって国を守るのが何より重要。
・とすると、青少年にも「守るに値する国」だと、何が何でも教えなければいけない。
・歴史的事実もそういうように取捨選択しよう。そう解釈しよう。
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