前置きを一つ書いてから、本論に入ろう。
サウジアラビアという国は嫌いだ。王制の凄まじい専制国家だから。なんせ、偃月刀を使った犯罪者の首切りを首都の中央広場で見せしめとして行う制度があるような人権のない国なのだ。今や、日本のように死刑制度がある国が世界でも少数派だというのに、見せしめ死刑制度の国。このG20参加大国を実は、アメリカが長く中東外交の拠り所として来たのであった。アメリカの嫌いな専制主義国家としてはこれ以上悪い国はないというのに。
ところで、こんなサウジがこのたび事もあろうに、米サウジ共通の仇敵であり続けてきたイランと国交正常化を約したのである。イランがアメリカの仇敵であり続けているところから、この行為はアメリカに対するサウジの当てつけと観て良い。なぜこんな当てつけを?
アメリカでシェールガス採算がとれるようになって、「石油=ドル支払い世界体制」維持のための中東の重要さが不要になって、アメリカがサウジを捨てたからおこったことなのだ。そのサウジが、これまたこともあろうに中国の仲介で米仇敵イランと正常化関係に入ったのである。アメリカがG20大国をまた一つ派手に失ったというそんな歴史的事件なのである。アメリカとはそういう身勝手な退廃した国であると、日本もよく覚えておくことだろう。