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消えるべき「南京」否定学者  文科系

2020年08月17日 15時20分34秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 これは、この14日拙稿『書評「増補 南京事件論争史」』の続きに当たるもの。この論争は今や、安倍首相も「事件はなかった」と言えず(国際問題になって負けるから)、いくつかの「南京なかった」組織に集まった自民党議員らがあちこちで嘘論議を組織的にばらまき続けるなどに落ちぶれている。本日は同書から、数少ない南京否定派学者、亜細亜大学法学部教授・東中野修道が被告となって高裁まで行った名誉毀損事件を紹介してみたい。事件の概要と、裁判の争点、判決結果を同書から引用してみる。

『南京事件当時、8歳の少女だった夏淑琴さんが一家9人のうち7人も殺害され、4歳だった妹とともに、孤児として生きなければならなかったことを証言したのにたいし、東中野は「夏淑琴が事実をありのままに語っていれば、証言に食い違いのおこるはずもなかった」、証言内容に「一点の食い違いがあってもならない」と、・・・として夏淑琴さんを「ニセ被害者」と書いたのである。』

  そして、この裁判の最大争点はこういうものであった。東中野は、こう主張した。本当の夏さんは、事件の時に死んでいる。その証拠は、当時のドイツ人外交官文書に、夏さんを銃剣で突き殺したとあるからだ。対して弁護側は、こう反論した。その文書には「銃剣で突き殺した」ではなく「銃剣で突き刺した」と書いてある。だからこそ、同外交官文中その後に「その8歳の少女は・・」と言う文言があるのを、東中野はこれを夏さんとは別の少女と扱うことになってしまった。

 この裁判の結果は、そのか所をそのまま引用する。
『同裁判の東京地裁の判決が2007年11月2日に出され、夏淑琴さんの名誉毀損を認定し、慰謝料など400万円の支払いを命じた。判決文は「被告東中野の原資料の解釈はおよそ妥当なものとは言い難く、学問研究の成果というに値しないと言って過言ではない」と言い切った。東中野の研究者としての資格を否定する厳しいものである。東中野は「非常に心外だ。控訴する方針だ」とのコメントを出したという』
 その後、東中野側は上告したが、2009年2月5日、最高裁は東中野と展転社からの上告棄却を決定、一審判決通り、両者に対し、合計400万円の賠償を命令する裁判が確定した。2009年4月16日にこの賠償金は支払われた。

  さて、本日の最後である。この東中野修道のウィキペディア記述の中に、こんな下りがあるのを僕は見つけた。
『 河村たかしは衆議院議員時代、東中野の研究結果を元に、政府が東中野の研究を把握して歴史の再検証作業を行っているか否か、南京大虐殺紀念館に東中野が疑問視する写真が展示されているが中国へどのように対応するのか等の質問主意書を内閣に提出した』
  名古屋市長・河村たかしは南京虐殺を今でも否定しているようだが、彼の南京バイブルが東中野修道では、これも必然かも知れない。


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1 コメント

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曲学阿世 (文科系)
2020-08-17 19:34:17
 この東中野修道みたいな学者こそ、曲学阿世というのだろう。「刺し殺された」を「刺された」の代わりの訳に換え、その後で「その8歳の子が・・・」と書いてあるか所を、別の子にしてしまって、問題の子は死んでいるのだ、と。
 こんな裁判で完敗した人が、どうして今も歴史学者で通って行くのか。この反対ならば、とっくに職場にいられないはずだ。つまり、「南京虐殺はこのように事実」と出版した学者がこんな明らかに意図的な訳出をしたならば・・・。
 
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