表題内容は、1日の中日新聞34面、とある新発見の記事内容の一つ。僕は、源平系や天皇家などの家系図にも、先祖どころか自分のお墓にもこれっぽっちも興味はないが、人類と日本人の起源については、長年オッカケをやってきた。ついでに言えば、若いころから類人猿にも興味があって、こんなこともあった。20年ほど前、動物園の特別期間に僕より重い子どものオランウータンと肌を接し、手も取り合い、時に抱き合ったりして、長時間戯れさせて頂いて、有頂天になっていた記憶もある。ちなみに、チンパンジーは、99%以上人と同じDNAを持ち、ゴリラよりも人間に近いということだ。
さて、この記事の紹介と、もうひとつ別に現存全人類の起源からの家系図について、学んできた所を少々述べてみたい。
①「あなたの12%は、『古い古い』縄文人?」
縄文人血統は、アジアで古いという意味においてかなり特殊な人類だと、最新の遺伝子研究によって判明したとあった。その出現は、アメリカ大陸先住民の先祖がベーリング海を渡ってアジアから別れて行った15,000年前はおろか、2万年以上前にさかのぼるとも。そして、現代日本人がまた、中国や東南アジアの人々に較べてこの縄文人に最も近いというのである。もちろん、昔から言われているように、アイヌ、沖縄の人々はさらに縄文人に共通した部分が多いということだった。まーこれらすべて、日本がアジア最果ての地であることから起こったことなのだが。
アメリカ原住民から日本人までの祖先を含んだアジアに最も昔にいた人々というひとまとまりが、縄文人と別れた時期以前となると、もうオセアニア人との枝分かれしかないということになった。つまりこういうことだ。他の現存アジア人から、先ずオセアニア人が枝分かれして、その残ったアジア人系統全体の中で次に枝分かれしたのが縄文人で、その残りのアジア人からアメリカ原住民が次に別れていったと。そうして残ったアジア人が現在日本、中国、東南アジアに住んでいるというわけだが、このなかで日本人がもっとも縄文人の痕跡を多く留めているというのである。
②現存人類全体の「家系図」
まず、現存人類は全て、15万年ほど前にアフリカにいたある女性(たち)の子孫であることは1990年頃に分かった。それ以前にいたネアンデルタール人、ハイデルベルグ人や、ジャワ原人、北京原人などはこの現存系統とは全く別の人類で、その子孫は既に死に絶えているとも分かっている。ただ、ネアンデルタール人だけは、現代人との混血がヨーロッパで起こったようだ。
このアフリカに生まれた現存全人類の先祖がアラビヤ半島南部からアフリカを出たのが約10万年前である(85000年という説もある)。そこからまず、西ヨーロッパの人々が枝分かれするのだが、それは5~10万年前とちょっと幅が広い。このヨーロッパ人と共通の先祖から東へ向かったインド人系統から最初に枝分かれしたのがオーストラリアやニューギニアなどの原住民オセアニア人で、これが約5~6万年前。そして次に起こった枝分かれが縄文人だということになって、以下は①に述べた通りである。オセアニア人以降の全ての人類をまとめて環大平洋人と名付けた人がいるが、その斉藤成也氏こそ今回の「あなたの12%は縄文人?」を発見したご当人のお1人である。そう、冒頭9月1日の中日新聞記事にあった。
③この新説発表者に関わって
冒頭の中日記事内容は、斉藤成也・総合研究大学院大教授らの共同研究の成果とあった。ただ、この人の古い著作には既に今回に近い仮説が建てられていたように思われる。例えばこんな記述だ。2006年に発行された彼の著作「DNAから見た日本人」(ちくま新書2005年3月第1刷)に書かれていたことである。
父子に伝わっていくY染色体内に起こる「Aiu配列挿入」という突然変異が、チベット人と縄文人、アイヌ人、沖縄人にとりわけ発生頻度が高いことに目を付けて、こう述べているのである。
『数万年前のユーラシアのどこかで、縄文人とチベット人の共通祖先集団がいて、そこに生じた・・・突然変異が現代までに伝わってきた可能性がある』(同上書103ページ)
こうして、朝鮮人はもちろん中国人も、否地球上の全人類が、同じ15万年ほど前アフリカに生まれた数人の女性から出た兄弟のようなもの。自国の偏った歴史論しか知らぬ偏狭なナショナリズムからののしりあっていたりしたら、大祖母さんが泣くというものだ。
平和憲法の理念に従えば、好戦的なエイリアン相手であっても話し合いで解決を目指すべきではないでしょうか
地球という歴史しか知らぬ偏狭なナショナリズム(?)から脱却できなければ、国家間のナショナリズムから脱することもまた不可能でしょう
エイリアンといえども、同じ宇宙に漂う塵から生まれた生命体に過ぎません
貴方の指摘は、今回も正しい部分があるように思われた。エイリアンの箇所は、消すことにしました。「好戦的エイリアン」と気軽に比喩のようにして出してしまったが、確かに僕の日頃の意見に反することである。それも確率的におよそ存在しないと言われている生き物をわざわざここで例に挙げてくることもなかったし。
ありがとう。
ヨーロッパでは二重国籍は今や当たり前。昨年イングランドから世界を驚嘆させたレスター優勝の立役者リャド・マレズが二重国籍である。アルジェリアとフランスの。
今回の五輪マラソンでも二重国籍で騒がれた日本人が居たことも知らないのかな。彼については大騒ぎはなく、こちらだけバカ騒ぎとは、いかにも島国日本人根性、さらに民主党攻撃のつもりなのだろう。そういう新聞ニュースから事が始まったようだ。そんな新聞を今時取る奴の顔が見たい。
ヨーロッパの首相たちが聞いたら、多分嘲笑うだろう。国籍なんて、30年後には意味を成さなくなるよ。アメリカ、イギリスは没落するし、ヨーロッパは移民だらけ。特に国籍に拘るのが日本人だけというトロイ話だったりね。
国籍に拘るのが右翼とは、これはまー昔からどこの国でも有名な話である。一種の人種差別が、右翼の看板なのだ。意識しようとしまいとね。
すぐ上のコメント「一種の人種差別が、右翼の看板なのだ」について、文中の「右翼の」を「多くの右翼の」と訂正させて頂きます。ご免なさい。全部の右翼を知っているわけではないし、鈴木邦雄氏だったかのこれについてのお考えも聞いてみたいものというのが、「お詫びして訂正」の理由です。
二重国籍なのだから、「国籍」は「ふたつ」「ある」ということなのに、いつの間にか「30年後には国籍なんて意味をなさなくなる」と話が飛躍している(そもそも、今のルールは無視ですか?)。
思考実験として仮の話をしよう。小泉純一郎にもうひとり娘がいて、「彼女は日本とアメリカの二重国籍」「自民党議員でひょっとすると次の総理かも?」というような状況であっても文科系氏は同じ文章を書くのだろうか? 民主党だから擁護という結論ありきではないのかと邪推してしまうが、そう思うのには理由がある。
朝日は慰安婦報道について謝罪した。「自分たちの主張がおおむね正しい」と考えるなら謝罪までする必要はないにもかかわらずである。1か月ほど前でのこのブログ内での話題にもありましたが、岩波や朝日は「大日本帝国=悪」の結論ありきで文章を書き、日本を擁護すべき事実があったとしてもそれを握りつぶして書かないというようなことが現在に至るまで平気で行われてきたのではないか……それと同じ疑惑である。
一つの事実で、あるいは二つ目の事実で、ある事実認定があって、判決(結論)が下ったとしよう。そしたら、その結論が永久について回ることになると言う理屈ではないか。これでは、法を犯した人に再起の余地が皆無ということになるが。これとても朝日の慰安婦・吉田問題と、あといくつ例が挙げられるのだろう。まして、この朝日事件を即岩波にも持ってきた。と、こういうことをしたら、逆にこんなこともできるが。
①右翼論壇が犯したミスを2,3上げる。そこで、こういう常習犯という判決(結論)を下す。
②以降もう①の人は立ち直らせない。永久結論が出たと言い続ける。
③その間、「左」の人の(例えば「朝日」の)そういうことは一顧だにさせない。さらに、実証は何もないのに、この同類を際限なく広げていく。
どうです? 馬鹿でしょ?? こういうことが許されるのですな、そもそも正しいのですか? 人間相手に何かの「結論」を押しつけることは裁判所しかできないのです。一般には、無罪推定ですから。それを「一事が万事」ってやったら、こんなやり方から自らを守れる人が果たしているのでしょうか。つまり、「結論ありき」と決めつける態度そのものが、自分を論理としてその外に置いた、卑怯なやり口なのである。ただ馬鹿馬鹿しいだけのそれね。
失礼だが、8月24日の拙稿「人間思考の前提、実証、『結論』」を読まれたか? ここに貴方がお使いの「結論」と言う概念まで入っていて、これ自身の説明まであるのだが。
こういうやり方は右が左に、左が右に、いつでもどこでも出来るのだが、それだけに何の意味もないアホの言葉というだけということ。アホと思わないアホ。