両陛下が比大統領を宮中晩さん会で歓迎 「大戦の犠牲 深く哀悼」(15.6.4 中日新聞)
国賓として来日しているフィリピンのアキノ大統領を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が三日夜、皇居・宮殿「豊明殿」開かれた。
天皇陛下はスピーチで、今回の大統領の訪問が「両国の相互理解と友好協力関係の一層の発展に資する、実り多いものとなることを切に願っております」と述べられた。
また、戦後七十年に当たり「先の大戦においては、日米間の熾烈な戦闘が貴国の国内で行われ、多くの貴国民の命が失われました。このことは私ども日本人が深い痛恨の心とともに、長く忘れてはならないことであり、当時の犠牲者へ深く哀悼の意を表します」と語った。
大統領は「過去に経験した痛みや悲劇は、相互尊重、尊厳、連帯に根ざした関係構築に務めるという貴国との約束によって、癒されてまいりました」と応じた。一九八六年に母コラソン・アキノ大統領が国賓として来日した際に同行した思い出として、昭和天皇から「母を大切にするように」と話し掛けられたことにも触れた。晩さん会には皇太子ご夫妻ら皇族方、両国の関係者など百五十人が出席。秋篠宮家の次女佳子さまが始めて出席した。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
今の天皇は戦争の真っ只中で少年時代を過ごしましたから、この言葉が出たのだと思います。
きょう(4日)の中日新聞「首相の一日」欄には「6時38分、皇居、昭恵夫人と共にアキニノ大統領歓迎の宮中晩さん会。10時3分、東京・富ヶ谷の私邸」となっていましたから、安倍首相は晩さん会に出席し、天皇のスピーチを聴いていたはずです。どのように聞いたのでしょうか。
安倍首相は戦後70年の首相談話を出すことにしていますが、50年の時の「村山談話」で述べられた「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛をあたえたことに痛切な反省と心からのお詫びを申し上げます」の『国策を誤り』は思っていないようですし、「お詫び」もしたくないようです。菅官房長官も「村山談話や小泉談話と同じものをやるなら、新たに談話を出す必要はない」(1月9日BSの番組で)と「侵略」や「お詫び」を使わないことを正当化しようとしています。
なお、きのう(3日)の中日新聞は、「談話 おわび明記を 河野元衆院議長講演で首相に注文」という記事を載せました。記事では、河野元衆院議長は2日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、安倍首相が夏に発表する70年談話では先の大戦をめぐる「おわび」の文言を明記すべきだとの考えを示した、と記しています。河野元議長は中国や韓国を念頭に「被害者は謝罪してほしいとの気持が強い。(謝罪すると)書かなければ納得しない」と配慮の必要性を強調しました。
河野元議長は今年4月に、日本国際貿易促進協会会長として中国を訪問し、李克強首相と会談していますが、「中国は『安倍談話』に相当不安を感じている。安倍首相は百パーセント信用されていない。少しでも懐疑的に思われているなら、お詫びを書いた方がすっきりする」と語りました。
大西 五郎
国賓として来日しているフィリピンのアキノ大統領を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が三日夜、皇居・宮殿「豊明殿」開かれた。
天皇陛下はスピーチで、今回の大統領の訪問が「両国の相互理解と友好協力関係の一層の発展に資する、実り多いものとなることを切に願っております」と述べられた。
また、戦後七十年に当たり「先の大戦においては、日米間の熾烈な戦闘が貴国の国内で行われ、多くの貴国民の命が失われました。このことは私ども日本人が深い痛恨の心とともに、長く忘れてはならないことであり、当時の犠牲者へ深く哀悼の意を表します」と語った。
大統領は「過去に経験した痛みや悲劇は、相互尊重、尊厳、連帯に根ざした関係構築に務めるという貴国との約束によって、癒されてまいりました」と応じた。一九八六年に母コラソン・アキノ大統領が国賓として来日した際に同行した思い出として、昭和天皇から「母を大切にするように」と話し掛けられたことにも触れた。晩さん会には皇太子ご夫妻ら皇族方、両国の関係者など百五十人が出席。秋篠宮家の次女佳子さまが始めて出席した。
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今の天皇は戦争の真っ只中で少年時代を過ごしましたから、この言葉が出たのだと思います。
きょう(4日)の中日新聞「首相の一日」欄には「6時38分、皇居、昭恵夫人と共にアキニノ大統領歓迎の宮中晩さん会。10時3分、東京・富ヶ谷の私邸」となっていましたから、安倍首相は晩さん会に出席し、天皇のスピーチを聴いていたはずです。どのように聞いたのでしょうか。
安倍首相は戦後70年の首相談話を出すことにしていますが、50年の時の「村山談話」で述べられた「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛をあたえたことに痛切な反省と心からのお詫びを申し上げます」の『国策を誤り』は思っていないようですし、「お詫び」もしたくないようです。菅官房長官も「村山談話や小泉談話と同じものをやるなら、新たに談話を出す必要はない」(1月9日BSの番組で)と「侵略」や「お詫び」を使わないことを正当化しようとしています。
なお、きのう(3日)の中日新聞は、「談話 おわび明記を 河野元衆院議長講演で首相に注文」という記事を載せました。記事では、河野元衆院議長は2日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、安倍首相が夏に発表する70年談話では先の大戦をめぐる「おわび」の文言を明記すべきだとの考えを示した、と記しています。河野元議長は中国や韓国を念頭に「被害者は謝罪してほしいとの気持が強い。(謝罪すると)書かなければ納得しない」と配慮の必要性を強調しました。
河野元議長は今年4月に、日本国際貿易促進協会会長として中国を訪問し、李克強首相と会談していますが、「中国は『安倍談話』に相当不安を感じている。安倍首相は百パーセント信用されていない。少しでも懐疑的に思われているなら、お詫びを書いた方がすっきりする」と語りました。
大西 五郎