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サイケおやじの生活と音楽

秋を歌うミコちゃん

2012-10-21 15:22:06 | 歌謡曲

枯葉のうわさ c/w 悲しみの足音 / 弘田三枝子 (日本コロムビア)

流行歌は文字通り、その時々の風物を歌うわけですから、所謂季節商品も頻繁に発売されてきました。

本日ご紹介する弘田三枝子のシングル盤も、昭和42(1967)年11月の風情にはジャストミートの1枚であり、同時に永遠の歌謡ポップス傑作盤と思います。

それはA面「枯葉のうわさ」がタイトルからもご推察のとおり、この前に出していたスマッシュヒット「渚のうわさ」の後日譚を連想させる、これが見事なプログラムシステムの成果であって、如何にもメランコリーな気分を増幅させられるイントロのチェンバロの響きからして、ツカミはOK♪

ですから後は、GS歌謡がど真ん中のメロディとサウンドの妙が巧みに紡ぎだされていく展開に身を任せ、ひたすらに弘田三枝子の歌の上手さに酔わされてしまうんですねぇ~~♪

もちろん、これを書いたのは作詞:橋本淳、作編曲:筒美京平という黄金コンビの最高の仕事であって、それはB面「悲しみの足音」でさらに全開!

なんとっ! ジャケットにも記載があるように、英語タイトルが「Blue Bossa Novw」とされたのも当然が必然の大傑作歌謡ボサノバなんですよっ!

そして弘田三枝子のジャズフィーリングが活かされた歌唱は、その節回しのリズム感や微細なメロディフェイクがイヤミにならず、それでいて絶対的なポップス感覚は昭和歌謡曲のひとつの極北かもしれません。

おそらく歌謡ボサノバというジャンルが確立しているのであれば、この「悲しみの足音」は絶対的に選ばれるべきものと確信しているほどです。

しかし、実は告白すると、リアルタイムではテレビの歌番組で披露されていたのがA面「枯葉のうわさ」ばっかりで、少なくもサイケおやじはB面「悲しみを足音」に接した事がありませんでしたから、このシングル盤をちょいと後追いの中古で入手した時になって、ようやくそれに気がついたというわけです。

あぁ~~、何度聴いても両面が最高の傑作シングル盤ですよっ、これは!

ということで、おそらくは両曲とも、彼女のベスト盤あたりで今でも普通に聴けると思いますが、ここまでのレベルに達している歌謡ポップスが現在でも作られているかと言えば、なかなか疑問を感じるほどです。

それは歌手の実力や雰囲気、またはソングライターの手腕云々に関わってくる事はもちろんですが、リスナーの好みなぁ~んてのも、かなり重要なポイントかもしれませんねぇ……。

以降は些かの結果論ではありますが、今思うと当時の弘田三枝子は本人の存在も、歌っていた楽曲もお洒落過ぎた感があった気がしています。

まあ、それゆえに彼女のレコードは今日でも人気があるわけですが、現実的には皆様もご存じのとおり、リアルタイムでの弘田三枝子は些かの低迷期にあり、それが翌年夏の「渚の天使」を経て「人形の家」のメガヒットにより息を吹きかえすのですから、そこには例のダイエットによる話題集中もあったりして、やっぱりスタアの証明を果たしたというわけです。

う~ん、秋を歌うミコちゃんも最高~~~~♪

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辛抱たまらんのストーンズ復刻

2012-10-20 15:52:16 | Rolling Stones

Charlie Is My Darling / The Rolling Stones (Universal = BD & DVD + CD, EP, etc.)

しぶとく続いているストーンズのアーカイヴ商法の中でも、何故か粗略に扱われていた感も強いブライアン・ジョーンズ期、つまり1960年代物がようやくスタートしたようです。

それも貴重な映像作品となっていた1965年制作の「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」が、未発表映像&音源を追加しての新規リマスターで登場となれば、ファンならずとも、これは感涙して鑑賞する他はありません。

と、またまた本日も独断と偏見の力んだ書き出しになっていますが、しかし予告篇を見る限りにおいても、画質はこれまでのブートやブートまがいの疑似公式版「Rolling With The Stones」よりは、ずぅ~~っと向上しているんですから、相対的に内容は保証付きと確信しています。

で、肝心の中身については、まず本篇の記録フィルム「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」が既に述べたとおり、1965年9月の英国巡業の中で、ストーンズがアイルランドに出かけた2日間をメインにしたドキュメント映像になっていますが、特に興味深いのはリーダーだった故ブライアン・ジョーンズのインタビューでしょう。

今となっては、ブライアン・ジョーンズ=不良バンドイメージで売っていたストーンズの顔!? そんな位置付けで評価される事も多いと思われますが、ここでは意外なほど冷静な視点でバンドを取り巻く様々な状況、そして今後の展望(?)を語っているのは、さもありなんでしょうか。

また宿泊先でのメンバーのホノボノ感と狂熱するファンの様子が絶妙のコントラストで撮られている事も、なかなか面白いところだと思います。

もちろん、1960年代ファッションのあれこれも楽しいところ♪♪~♪

監督したピーター・ホワイトヘッドにしても、意想外の結果が残せたんじゃ~ないでしょうか。

ちなみにオリジナル本篇は約1時間弱と言われていますが、サイケおやじは公式上映を観たことがありませんし、1970年代の我国で流行ったフィルムコンサートなぁ~んていう催しで上映されていたのは、本作品の断片がほとんどだったそうですから、前述した「Rolling With The Stones」で観た内容と今回の新規発売版が、どのように異なっているのかは想像の域を出ず、それゆえに期待も高まっているわけです。

さて、そこで気になる演奏シーンや使われたストーンズの楽曲については、「Satisfaction」「The Last Time」「I'm Alright」「Heart Of Stone」等々が前述した「Rolling With The Stones」で確認出来たのですが、その他にもストーンズのバージョンでは無い、所謂カパーバージョンがダビングされていた部分もあり、それが今回はど~なっているのかも興味津々!

すると現在までの情報では、新発見された未編集のライプソースやセッション風景等々が相当に追加されるとの事で、以下に復刻の本命盤とされる「スーパー・デラックス・エディション」の内容を記しておきます。

 ※DVD&BD:映画本篇映像で、それぞれが単品発売もされるそうです。

 ※CD#1:本篇サウンドトラック音源
   01 Play With Fire / The Aranbee Pop Symphony Orch.
   02 Heart Of Stone / The Rolling Stones
   03 Who Do You Like In The Group? / Peter Whitehead & Fans
   04 The Last Time (Live) / The Rolling Stones
   05 Time Is On My Side (Live) / The Rolling Stones
   06 I´m Alright (Live) / The Rolling Stones
   07 The Next House We'll Turn The Screaming Down
                                    / Andrew Loog Oldham & Priest
   08 Theme For A Rolling Stone / The Andrew Oldham Orch.
   09 Nice Tea / The Rolling Stones & Andrew Loog Oldham
   10 Maybe It's Because I'm A Londoner / ALO Productions
   11 Play With Fire / The Rolling Stones
   12 Tell Me / Mick Jagger, Keith Richards & Andrew Oldham
   13 Heart Of Stone / The Andrew Oldham Orch.
   14 Are You Going To The Show Tonight? / Peter Whitehead & Fans
   15 Everybody Needs Somebody To Love (Live) / The Rolling Stones
   16 Pain In My Heart (Live) / The Rolling Stones
   17 Blue Turns To Grey - The Andrew Oldham Orch.
   18 Subconsciously Supernatural / Mick Jagger & Andrew Oldham
   19 Satisfaction / The Andrew Oldham Orch.
   20 The Moon In June - Mick Jagger
   21 Satisfaction (Live) / The Rolling Stones
   22 Going Home / The Rolling Stones

 ※CD#2&10寸アナログ盤:ライプ・イン・イグランド 1965
   01 We Want The Stones
   02 Everybody Needs Somebody To Love
   03 Pain In My Heart
   04 Down The Road Apiece ★
   05 Time Is On My Side
   06 I'm Alright
   07 Off The Hook ★
   08 Charlie's Intro to Little Red Rooster
   09 Little Red Rooster ★
   10 Route 66
   11 I'm Moving On
   12 The Last Time ★
   13 Everybody Needs Somebody To Love (Finale) ★
 さて、これが今回の大目玉!
 なんとっ! 同時期の1965年3月に敢行された英国巡業からのライプ音源がCDとアナログ盤でオマケにされるんですが、驚愕なのは★印の未発表演奏が追加されている事です♪♪~♪
 もちろん、皆様がご存じのとおり、ここに用いられている音源はリアルタイムのイギリス盤EP「ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!」やアメリカ盤LP「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」や「デッセンバーズ・チルドレン」等々で既発のトラックもありますが、それでもここまで纏められるとなれば、リミックスに関する諸問題やレコーディングデータの開示も含めて、これが非常な楽しみの極みつきです。

ということで、こんなに熱い復刻は快挙だと思います。

また、件のデラックス・エディションには、当時の巡業ポスターのレプリカや未発表写真を掲載した42頁のハードカバー(?)本、新聞コラムや雑誌記事の切り抜きコピー等々のオマケも付属が予定されているんですねぇ~♪

まあ、正直言えば、映像部分はDVDかBDのどっちかひとつでもOKとは思いますが、あえてストーンズにお金を払う以上、ここは素直な気持が大切なのでしょう。

そして発売予定日は日本盤が11月7日!

価格を考慮すれば輸入盤でも……、と思いがちですが、やはりドキュメント映像でのインタビューや会話のパートがありますから、きっちり日本語字幕は欲しいところです。

同時に堪能(?)していただきたいのが、本当に若かった頃のストーンズの実態で、今では貫録のメンバーも当時は驚くほどピュアであったとか、巡業中の和気藹々なムード等々は、失われてしまったがゆえに輝く、まさに時の魔法のようなものでしょう。

うむ、税込15,800円は覚悟の出費です!

ネット通販ならば、もう少し安く買えるはずですから、ぜひともお楽しみ下さいませ。

あぁ~、とっても楽しみです♪♪~♪

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さようならエマニエル夫人

2012-10-19 15:53:32 | Movie

エマニエル夫人 / Pierre Bachelet (ワーナーパイオニア)

シルビア・クリステルというよりも、エマニエル夫人……。

連日の訃報には、やりきれない気分ばかりですが、しかし彼女をこの世に使わせてくれた神様には感謝するべきと思います。

それは1974年末、吉例お正月映画として公開された「エマニエル夫人」の大ヒットにより、主演のシルビア・クリステルは日本でもトップスタアになった出来事は今や歴史でしょう。

というか、実は件の「エマニエル夫人」は封切前から相当にマスコミの煽りがあって、本質はポルノ映画でありながら、そのファッションセンスに近いソフトな映像表現によるコアなセックス描写が女性にも堂々と鑑賞出来る云々、そうした宣伝も強くあったのです。

また、特筆すべきは主演のシルビア・クリステルのポルノ女優らしくない佇まいでしょう。

実はこの映画出演以前の彼女はオランダのファッションモデルであり、加えて監督のジュスト・ジャンカも本業はファッション関係のカメラマンであったという内実が後に明かされてみれば、ハイキー調でソフトフォーカス多用の映像作りも充分にポルノ映画に使える事が証明された実績は侮れません。

ちなみにソフトフォーカスを使ったファッションやヌードの表現では、日本でもお馴染みの写真家としてデイヴィッド・ハミルトンが有名でしょうし、1970年代はそうした流行が確かにあったのです。

しかし、だからと言って、誰しもがソフトフォーカスでポルノを演じれば、それで良しとするわけもありません。

そこにはシルビア・クリステルというジャストミートな存在があり、彼女も「エマニエル夫人」を演じて、自身の代名詞ともなった名演を残したのは、時代の空気感との相性も認められるところでしょう。

特に劇中、大きめの籐椅子で挑発的なポーズをキメるシルビア・クリステルは、映画ポスターやサントラ盤レコード等々に使われたほどの絶対性があり、それは掲載したシングル盤ジャケ写でご覧になれるとおり♪♪~♪

もちろん巷でも、このイメージは広く流布しており、例えばリゾートホテルのロビーとか、似たような籐椅子がある場所では、同じポーズで記念写真を撮る観光客、殊更女性が目立ったのも、着衣姿とはいえ、自然の流れでありました。

そして当然ながら、そのシングル盤に入れられたピエール・バシュレの劇中主題歌も大ヒット!

如何にも覚え易いフレンチポップス風味のメロディは、今や誰もが一度は耳にしたことがあろうと思います。確か日本語バージョンも作られていて、某外人女性歌手だけでなく、我国のポップス系ボーカリストも演目にしていたのは、なかなか素敵なブームでしたよ♪♪~♪

ということで、実はサイケおやじはシルビア・クリステルにそれほどの思い入れがあるわけではなく、むしろ「エマニエル夫人」という事象が忘れられないのです。

なにしろリアルタイムのロマンポルノでは田口久美を主演に「東京エマニエル夫人(加藤彰監督)」なぁ~んていう、亜流作品までもが作られ、これがまた相当に素敵に仕上がりになっていたんですから、たまりません。

さらに本家「エマニエル夫人」もシルビア・クリステルによる続篇はもちろんの事、同系のソフトポルノ作品としては「卒業試験」「夜明けのマルジュ」「チャタレイ夫人の恋人」等々が1970年代に彼女の主演作として公開されればヒットは確実! 

幻のデビュー作「初体験」までもが堂々の公開となった騒動(?)は、そういう勢いの凄さでした。

しかし、当然ながら、シルビア・クリステルには「エマニエル夫人」という印象があまりにも強く、サイケおやじには良いとしても、映画界全般においては、些かのマイナスがあった事も否めません。

1980年代からの低迷が本人の健康上の問題もあったとはいえ、何かそれがあたりまえの受け取られ方をしていたのは、ちょいと悲しいものがありました。

シルビア・クリステルはエマニエル夫人!

それで、良いじゃ~~ありませんかっ!

今回の訃報においても、それが納得の知らせであって、故人を偲ぶ時には忘れらない印象になるはずです。

さようなら、エマニエル夫人……。

また何時か、逢える時まで、合掌。

 

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追悼・若松孝二監督

2012-10-18 15:05:13 | Movie

私をきつく抱きしめて / 路加奈子 (テイチク)

本日未明、友人からの連絡で、若松孝二監督の訃報に接しました。

ご存じのとおり、既に数日前、交通事故により入院を余儀なくされていたわけですが、重傷というだけで、特段生命には……、という報道でしたから、それはあまりにも突然……。

今、こうして文章を綴っていても、悲しみよりは混乱という気持の整理がつきません。

しかしサイケおやじは成人映画好きという性癖ゆえに、若松孝二監督作品はそれなりに観てきましたし、すっかり近年は社会派の巨匠という評価も、実は本質では無い云々、相当に不遜な心持でしたから、あらため故人の遺徳を偲び、ここに些かの思い出を記している次第です。

さて、そこで若松孝二監督と言えば、昭和40(1965)年の「情事の履歴書(若松プロ / 国映)」があまりにも有名であり、成人映画の枠を超えた高評は言うまでもありませんが、そこには当時としては奇蹟的とも言える興業収益の高さが、結果的にそれへ繋がっている側面もあるでしょう。

つまり実際に観ておらずとも、ヒットした大衆映画は時を経るにしたがって、尚更に名作や傑作と認められる事は一般常識に近くなっているはずです。

ところが若松孝二監督の作品は、もちろんヒット作は凄い仕上がりになっていますが、もっと広く評価されるべき良い仕事が多く、昭和40~50年代には名画座等々で度々特集が組まれ、また大学祭のイベントのひとつとして、人気作&隠れ名作が上映されていたのも、その証と思います。

で、そんな中でサイケおやじを驚愕させたのが、昭和38(1963)年に制作公開された「不倫のつぐない(日本シネマ)」という作品で、出演女優のひとりが本日掲載のシングル盤を吹き込んだ路加奈子(みちかなこ)でした。

物語は浮気な人妻が情事の帰り道に轢き逃げをやった事から、妙な男に脅迫され、暴行監禁やレイプという展開だったんですが、そこで描写される暴力シーンのリアルな迫力は、そのまんまレイプ&セックスの生々しさに直結するエグ味が強烈至極!

特に海辺の波打ち際で繰り広げられる強姦シーンは、和服姿の路加奈子が海水でズブ濡れになって犯され、押し倒されては殴られるという激しさで、サイケおやじの全身の血液が逆流沸騰させられた劣情の記憶は、今も鮮烈です。

しかも、おそらくは寒い季節であった思われる現場での彼女の演技の熱烈さは、若松孝二監督の容赦無い演出と抉るようなカメラワークが相まって、それは凄味さえ感じられるものでした。

そして同時に強く表出していたのが、路加奈子の女優としての本質で、実は彼女は日活の大部屋所属ながら、イタリア系の血が入った妖艶な正統派美女という魅力が全開♪♪~♪

グラマーで色っぽく、しかし何処かしら清楚な佇まいの彼女が暴行される時、着物の裾から艶めかしい太股が露出するシーンは、モロ見えで無くとも、激しい興奮を喚起させられ、他にもちょいとした仕草で滲み出る成熟した女性の存在感がエロいんですねぇ~♪

ご存じのとおり、路加奈子は当時の若松孝二監督のお気に入り女優として、様々な作品に出演していますが、そこでの好演が人気を呼び、ついには武智鉄二監督の超話題作「白昼夢(昭和39年・第三プロ / 松竹)」に主演して世間を騒がせたのもムペなるかなです。

そして告白すると、サイケおやじは、この「不倫のつぐない」に接するまで、喧伝されていた若松孝二監督の素晴らしさがイマイチ分からず、もちろんそれまでに他の作品十数本は鑑賞していたのですが、どうにも自分には……。

う~ん、このあたりは全く不遜な戯言ではありますが、逆に言えば、それだけ「不倫のつぐない」という作品、そして路加奈子という女優さんが、サイケおやじの感性にジャストミートしていたのでしょう。

ちなみに後追いで観た若松孝二監督作品の中では、「赤い犯行(昭和39年・日本シネマ)」での路加奈子も相当に熱い演技を披露していますよ♪♪~♪

そして以降、サイケおやじの若松孝二監督作品に対する観方が変化した事は言うまでもありません。

中でも凄いなぁ~~、と何時も感心させられるのがカメラワークのエグ味で、当然ながらモロ見えどころか、出演者の腰の動きや表情にまでも映倫の厳しい審査が行われていた時代において、ギリギリ加減と斬新な捕らえ方によるエロスの表現は、理屈を超越したストレートな感覚として、スクリーンを凝視する者のスケベ心を直撃してくるのです。

これは成人映画の世界では、監督の立場でありながら、逸早く自分の制作プロダクション=若松プロを立ち上げた成果というか、メインの撮影カメラマンが盟友とも言える伊東英男であったことも、常に意志の統一が図れた点かと思います。

また、それゆえに現場での若松孝二監督の演出は、さらに辛辣果敢であったのでしょう。

伝説(?)も数多いわけですが、レイプシーンでの女優さんに対する仕打ちはSMまがいであったとか、放尿シーンは本物ばかりだったとか、とにかく半端無いエネルギッシュな感覚は、しっかりと残されたフィルムに焼きつけられているはずです。

それらについては、今更サイケおやじがクドクドと述べる必要もない事は自覚しておりますが、個人的には密室でのSMに拘った「胎児が密漁する時(昭和41年・若松プロ)」は忘れられません。

それと故人の履歴には何かと錯綜する過去があったようで、おそらく今後、マスコミで様々に虚実入れ乱れた報道があるでしょう。

ただし、人間は過去なんか、ど~でもいいという真実が確かにあるはずです。

そりゃ~、若松孝二監督が家出少年からチンピラになって、何時しか映画関係の下働きをするようになり、名匠・小林悟監督の弟子として修業を重ね、様々な現場を経た後の昭和38(1963)年に初監督作品「甘い罠」を自らの制作プロを立ち上げて撮ったという経緯は、立志伝中の人物に成り得るものでしょう。

そして同時にチンピラ時代の留置場体験、自ら指揮する撮影現場における俳優事故死騒動、大島渚監督のメガヒット問題作「愛のコリーダ」の実質的な制作等々、やはり反権力・反体制の意思を貫く姿勢も、サイケおやじは尊敬するところです。

ちなみに「愛のコリーダ」のメインカメラも前述した伊藤英男なんですよっ!

ということで、若松孝二監督については、いくら書いても、これで終わりという事はありません。

しかし、今日はここまで……。ひたすらに合掌です。

最後になりましたが、掲載した路加奈子のシングル盤は件の主演映画「白昼夢」の主題歌扱いなんですが、劇中の彼女が歌手役であった事を活かした企画物として、昭和39(1964)年に発売されたものです。

残念ながらというか、当然ではありますが、狙いは「お色気レコード」ですから、一般的なヒットになっていません。

それでも作詞:松島敬之、作編曲:牧野昭一による「私をきつく抱きしめて」は、なかなか良いムードが堪能出来ますよ。

ただし、やっぱり路加奈子は、動いている姿が最高で、腋毛女優としても有名なひとりでしたから、サイケおやじは大好きでした。

あぁ、もう一度、「不倫のつぐない」が観たい……。

そして若松孝二監督、永遠なれ! 合掌。

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Groovin' High 金井克子

2012-10-17 15:31:37 | 歌謡曲

■小っちゃな恋の歌 c/w ミニ・ミニ・ガール / 金井克子 (日本コロムビア)

現在の我国の社会状況、殊更政治と経済の煮詰まりは、そのまんま国民の生活の下向き事情に直結している感じでしょうか……。

ほとんど意気消沈、あるいは不条理な憤りに駆られる出来ごとばかりで、やりきれない気分なのは、独りサイケおやじばかりではないでしょう。

しかし、こんな時こそ、パァ~~ッとやることが肝要!?!

個人的には,そうした意気込みだけは失いたくありません。

そこで思い出されるのが高度成長期にあった昭和元禄の頃、とにかく遮二無二前向きだった時代の破天荒さで、例えば昭和42(1967)年夏に発売された本日ご紹介のシングル盤は、結論から言うとA面「小っちゃな恋の歌」よりも、B面の「ミニ・ミニ・ガール」が強い印象を残して、今日に至っているはずです。

と言うのも、これは今も伝説の音楽バラエティ番組「レ・ガールズ(日本テレビ)」のテーマ曲扱いとして、このレコードでの主役たる金井克子、由美かおる奈美悦子原田糸子という西野バレエ団4人娘がミニスカやキワドイ衣装で歌って踊る眩しい姿が、刻まれた「音」だけで、ストレートに伝わってくるからなんですねぇ~♪

とにかくアップテンポで激しいビートにエレキの響きが加われば、その場は瞬時にイケイケの桃源郷!

今となってはリアルタイムをご存じない皆様にとっても、ほどんど意味を成さない直截的な歌詞が、なかなか刹那のフィ~ル・ソ~・グッ~♪♪~♪

等々、今日も独り善がりに決めつけますが、しかしこれがテレビで流れる時、画面の中では前述の美女達がピッチピチのアクションで素晴らしい肉体と若さを誇示してくれたんですから、たまりませんでしたねぇ~~♪

平たく言えば、ミニスカからの太股やパンツ見せは「お約束」以上の大サービスで、しかもレオタードや水着姿も全く違和感なく披露してくれたんですから、良い時代でした♪♪~♪

ちなみに本日主役の金井克子は、当時の西野バレエ団では若手のトップスタアとして、既に多くのレコードも発表していましたが、決して歌謡ヒットを出していたわけではありません。

しかし彼女がそこで踊って歌う時、それがステージであろうが、テレビであろうが、特に野郎どもの視線は釘付け!! お堅いNHKにも出演が多く、それゆえに当時としては社会問題化しそうになった「紅白歌合戦パンツ見せ事件」等々もありましたですねぇ~~♪

あぁ~、なんて素敵なお姉さまでせう!

実際、前述の4人娘の中では、ちょっぴりキツイ熟女系の魅力も良い感じ♪♪~♪

ですから、必然的にレコードジャケットも美味しいブツが非常に多く、この1枚もA面「小っちゃな恋の歌」においては、思わず下半身直撃の過激さが最高♪♪~♪

これが欲しくてレコードを買ったって、決してバチは当たらないでしょう。

そして肝心の楽曲は、これもエレキ歌謡の秀作だと思いますが、そのエレキよりはテナーサックが全面に出たサウンド作りと些かぶりっ子気味のボーカルが、不思議と金井克子らしくありません。

と言うよりも、B面の「ミニ・ミニ・ガール」があまりにもジャストミートしすぎているがゆえの結果かもしれませんが……。

ということで、このブッ飛び感覚こそ、今の日本に一番蘇って欲しいものです。

最後になりましたが、金井克子は決してルックスやダンスだけのスタアではなく、実は最近、彼女のコロムビア時代の代表曲を集めた2枚組CDが出ていますで、歌の世界もお楽しみ下さいませ。

後に一般的な歌謡ヒットを出しまくったCBS時代とは、一味違うポップス風味の強いボーカルスタイルは、失礼ながら上手いという評価はそれほどありませんが、妙に惹きつけられる「何か」があると思います。

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青い影のハードな純情

2012-10-16 15:29:41 | Rock

青い影 / HSAS (Geffen / ワーナーパイオニア)

結局、人が歌ったり、楽器を演奏するのは、そこにやりたい演目があるからでしょう。

特に良い曲、つまりヒットした歌やメロディに対する衝動は、例えばカラオケの大いなる普及やアマチュアバンドを誕生させる絶好の機会のはずです。

そこで恥ずかしながら、それなりに素人バンドをやってきたサイケおやじが、何時かはきっとっ! そう、心に決めながら、なかなか実践出来なかった曲のひとつが、今や永遠のロックスタンダードになっている「青い影 / Whiter Shade Of Pale」でした。

なにしろプロコル・ハルムのオリジナルバージョンは絶対的に完成されていますからねぇ~~。その全篇をリードするパロック調のオルガンの響きとソウルフルなボーカルの対比は、何処の誰がやったって、それはコピーの領域を出ず、下手を打ったら、バンドの稚拙さがモロに露呈するばかりでしょう。

しかし、それでもやりたいと願うサイケおやじの前に1984年、突如として現れたのが、本日ご紹介のカバーバージョンです。

う~ん、これは最初、ラジオで聴いたんですが、思わず唸ってしまったほどのハードロックがど真ん中で、ほとんど震えが来てしまったですよ♪♪~♪

演じているHSASというバンドはサミー・ヘイガー(vo)、ニール・ショーン(g)、ケニー・アーロンソン(b)、マイケル・シュリーヴ(ds) という面々4人の企画プロジェクトながら、1983年11月に行った短期間のライプ公演が大ウケし、そこで録っていたライプ音源に後日の手直しを加えて発売に至ったのが、この「青い影 / Whiter Shade Of Pale」を含むアルバム「炎の饗宴 / Through the Fire」だったという顛末は、今やハードロック伝説のひとつだと思います。

と書いたのも、サイケおやじと同世代の皆様には説明不要かと思いますが、サミー・ヘイガーは元モントローズの灼熱系ボーカリストであり、当時は孤軍奮闘していたとはいえ、ハードロックのファンからは根強い支持があった存在ですし、またニール・ショーンは言うまでもなく、アメリカンハードロックを牽引していたジャーニーの中心人物!

と言うよりも1971年、弱冠17歳にしてサンタナに加入した天才ギタリストでしたから、同バンドでの繋がりから、マイケル・シュリーヴの参加も納得の人選でしょう。

また、ケニー・アーロンソンは元リック・デリンジャー・バンドの屋台骨を支えていた実力者という事で、ちょいと懐かしい言葉を使えば、これぞっ! 1984年型スーパーグループってもんですよ!

尤も日本のレコード会社にすれば、それでも不安はあったんでしょうねぇ……。

掲載ジャケ写で一目瞭然、それが「サミー・ヘイガー&ニール・ショーン」の名義にしてあるところが、いやはやなんとも、今となっては妙に共感されますよ。

で、肝心のHSAS版「青い影 / Whiter Shade Of Pale」なんですが、これが意外なほどにオリジナルバージョンの雰囲気を大切にしながら、曲の要であったオルガンをニール・ショーンの強靭明快なギターに置き換えるという、心底ハードロックファンの琴線に触れまくるアレンジがたまりません♪♪~♪

もちろん忠実なフレーズの再構築の合間には、十八番の早弾きオカズを入れまくりですから、ちょいとギターを触っている者にとっては、コピー衝動をズキズキと刺激されるわけです。

しかし、流石は天才と称されたニール・ショーンのギターは、一筋縄ではいきません。

ハードな感性と分厚い音作りは、前述したアルバム全篇で堪能出来ますが、この「青い影 / Whiter Shade Of Pale」においては、行き届いた歌心が繊細に響くという見事さで、ちょっと聞きにはスラスラと耳に入ってくる演奏展開の中に仕込まれたナチュナルなセンスの良さには、完全脱帽!

とてもじゃ~ありませんが、サイケおやじの感性では、足元にも及ぶところがないのです。

特にチョーキングや音の伸長時に出す独自の味わいは、ピッキングそのものが通常とは違うようで、そのあたりを様々な映像で確認すると、運指とのコンビネーションが天才の証明のような気が!?!?

ですから、分かり易いフレーズの合間に過激な早弾きを押し込む得意技が、HSAS版「青い影 / Whiter Shade Of Pale」を更なる魅力の高みに引き上げているのは確かだと思います。

さて、そこでサイケおやじのコピーの手際としては、まずストレートなメロディの展開は、まあ、なんとかなるでしょう。

そこで問題となるのが、合の手気味に炸裂する早弾きのパートなんですが……。ここは例によって、それなりのスケール弾きとアーミングで逃れようする、如何にも姑息な手法で、ご勘弁……。

う~ん、しかし、それがやっていて気持E~~♪

正直に告白して、失笑されるに決まっている気分なんですから、名曲「青い影 / Whiter Shade Of Pale」も救われませんよねぇ。

不遜のお叱りも、重々覚悟の次第です。

ということで、おやじバンド御用達のカバーバージョンとはいえ、コピーするのは決して容易ではありません。全てのパートが、きっちり組み上がっているところにライプならではの一発録りの臨場感と瞬発力が、なかなかどうして、直ぐには表現しえません。

なにせ、我等はトーシロのバンドですから、という言い訳も恥ずかしくはないでしょう。

しかし、やるからにはロック魂!!

所詮は道楽と居直りつつも、それだけは思っているのでした。

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中尾ミエのファズで踊って! ニューロック!

2012-10-15 15:14:18 | 日本のロック

恋のシャロック c/w シャロック No.1 /中尾ミエ (日本ビクター)

今や我国芸能界の大ベテランになってしまった中尾ミエですから、そのキャリアには様々な流行最先端が刻まれています。

例えば本日ご紹介のシングル盤は、昭和43(1968)年に発売された「日本のロック」の人気作として、今日でも各方面でチヤホヤされまくっている現実は言うまでもないと思います。

つまり、当時のブームであったGS歌謡の極めてロックっぽい解釈は、それゆえにリアルタイムでの大ヒットには繋がらず、しかし今となっては、そのガレージっぽさやニューロック性感度の高さが、たまらない世界♪♪~♪

実はサイケおやじが現在入れてもらっている「おやじバンド」で、ど~しても「恋のシャロック」をやるっ! そんなメンバーの総意が頑なに纏まっているのも、それがあればこそというわけです。

なにしろイントロから黒人R&Bのロック的展開という、率直に言えばブッカーT&MGs の代表曲「Green Onions」のモロパクリが炸裂し、ジージージリジリのファズギターとハードでソウルフルなビートが撒き散らされれば、後は自ずと中尾ミエのボーカルが十八番のポップスフィーリングで全開されるんですねぇ~~~♪

しかもニューロック風味満点の間奏が、これまた激ヤバの快感なんですから、無理にでもやってみたくなるのはアマチュアバンドの深~い「業」ってもんだと思います。

ちなみに中尾ミエと言えば、昭和37(1962)年頃のデビューから忽ちにして洋楽カバーの和製ポップスで大いに売れまくり、例のメガヒット「可愛いいベイビー」は我国のリスナーにとって、コニー・フランシスと言うよりも、中尾ミエの代表曲とするのが一般常識でしょう。

そして以降、中尾ミエのレコードは、ほとんどが同傾向の日本語詞による洋楽ポップスとなり、結果的に何時しか時代遅れになりかかっていた頃、突如として作られたのが、この「恋のシャロック」であり、その Part-2 みたいなB面曲「シャロック No.1」でした。

つまり中尾ミエは、珍しくも歌謡曲どっぷりのオリジナルレコードをなかなか出さなかったボーカリストであり、実はこれ以前の昭和41(1966)年に発売していたエレキ歌謡の名曲「Go!Go!レンタカー」にしても、田辺靖雄とのデュエットによるオールディズ風味の仕上がりでしたから、いきなりニューロックへと飛翔した激しさは推して知るべし!

なにしろテレビでは歌謡番組が連日放送されていた昭和元禄期とあって、有象無象が闇鍋状態のGSに混じりつつ、中尾ミエがミニスカ姿で踊りながら歌ってくれた「恋のシャロック」の残像が、今も焼きつけられている皆様は大勢いらっしゃるはずです。

確か同年に公開された加山雄三の主演映画「リオの若大将(東宝・岩内克己監督)」でも、そんな場面が入っていたと記憶していますし、なによりもこのシングル盤のジャケット中面には、「ニューリズム!シャロック!!」で踊る彼女の振り付け解説が感涙♪♪~♪

そこで気になる「シャロック」とは、恐らくは当時の造語なんでしょうが、一般的には黒人音楽で汎用的に使われる「シャッフル」と白人音楽の「ロック」を合成したビート&リズムとされるらしく、他にも例えば梅宮辰夫の「番長シャロック」とか、今は死語ではありますが、その頃は何かと頻繁に使われていましたですねぇ。

で、肝心の「恋のシャロック」と「シャロック No.1」と共に作詞:松原智津子、補作詞:安井かずみ、作曲:新居一芳夫、編曲:森岡賢一郎が当時の流行を上手く狙った路線であり、不遜にも冒頭で「Green Onions」のパクリと書いてしまったサイケおやじは、意図的に付け加えられたサビの展開の職人技には脱帽!

全く本日も、己の未熟さに身も縮む思いです。

ということで、こ~なったら絶対に成就させたいのが、「恋のシャロック」の永劫性!

少なくともサイケおやじは完全に本気モードに入っていますから、ジージージリジリのファズサウンドも殊更熱く響かせているのでした。

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あぁ、青春の歌謡フォーク:其の壱

2012-10-14 15:29:43 | 歌謡曲

ふたりの青い鳥 / コスモス (CBSソニー)

レコードを買う動機は様々にありますが、サイケおやじの場合は殊更「懐かしさ」がキーワードであって、それゆえに中古屋で衝動に走った事は数知れません。

本日ご紹介のシングル盤も、全くそのとおりの1枚であって、以下はほとんどが、サイケおやじの苦しい言い訳になります。

で、まず所期の目的であったのが、A面収録の「ふたりの青い鳥」で、これは昭和47(1972)年秋、日本テレビで放送されていたドラマ「鉄平と順子」の主題歌であり、何を隠そう、サイケおやじは松坂慶子や奈美悦子の出演に惹かれて、件の番組に夢中でした。

物語は主役を演じる大和田伸也と松坂慶子の恋人カップルが、それぞれの幸せを確認するために婚前旅行に出るという、なんとも羨ましい発端から、いろんな人間模様や夫婦関係に遭遇しつつ、お互いの絆をあれこれ模索する展開が、毎週30分で描かれていました。

そこで松坂慶子なんですが、当時の彼女は決して大女優ではなく、契約していた大映の倒産があっての諸々で、言わばブレイク前の熟成期♪♪~♪

ですから、必然的に大映作品で演じていた優等生、あるいは正反対の不良バカ娘といった十八番から、ちょいと不安定な美人タイプの役柄になっていたと思います。

また準レギュラーの奈美悦子も当時は結婚を機に、本来の大人びたセクシーさが艶っぽさに変化しつつあった頃でしたから、ファンにはたまらない時期でしょう。

したがって、この主題歌も自然と刷り込まれていたわけですが、もうひとつ、これはまさに青春の懐かしさとでも申しましょうか、それは翌年の秋の某女子高文化祭に仲間と出かけたサイケおやじは、この「ふたりの青い鳥」を歌っていたフォークソングの女子デュオに遭遇しました。

実はレコードで歌っているコスモスは、有名なオーディション番組「スター誕生」出身であり、その爽やかなボーカル&コーラスは歌謡フォークが全盛だった当時の芸能界にはジャストミートの逸材♪♪~♪

もちろんイヤミにならないルックスの良さもあって、忽ち人気を集めた立井雅子&田村悦子は、マーコ&エッちゃんと呼ばれていましたですねぇ~♪

ちなみにその頃はコスモスの他にもシモンズ、ジャネッツ、タンポポ、ピンク・ピクルス、ウイッシュ等々、とにかく歌謡フォークの女性デュオが花盛りの勢いでしたから、アマチュアにも、それを目指したフォークグループが自然に大発生していたのです。

そこで件の女子高生デュオなんですが、なかなかコーラスもギターも上手くて、ちょいと感心させられましたですねぇ~♪

正直、お友達になりたいなぁ~♪

と思わせられるほど、プラトニックな魅力がありましたですよ♪♪~♪

もちろん、そんな事は実現されるはずも無かったんですが、サイケおやじの青春メモリアルには、きっちり記録され、時が流れました。

そしてサイケおやじが社会人として、どうかに一応の仕事も覚えた頃、再び前述の元女子高生デュオに遭遇!!

なんとっ! ふたりとも今度は子連れで、この「ふたりの青い鳥」を歌っていたんですねぇ~~♪

現場は子供服関連のイベントだったんですが、う~ん、ふたりは幸せな結婚をしていたんだなぁ~、その歌詞どおりに!?

思わず、そんな感慨が沸き上がってきて、妙に和んでしまった事は今も忘れていません。

このシングル盤を中古でゲットしたのも、その直後でありました。

ということで、作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一、そして編曲:馬飼野俊一のトリオは流石に良い仕事をやっていますよ♪♪~♪

主役のコスモスが、どのような芸能活動を送ったかは勉強不足で知る由もありませんが、少なくともサイケおやじの良い思い出に貢献してくれた事には、心より感謝しております。

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負けてらんねぇ~ぜっ! ストーンズには!

2012-10-13 15:33:44 | Rolling Stones

Doom And Gloom / The Rolling Stones (Universal)

昨夜はサイケおやじが入れてもらっている「おやじバンド」の面々と久々に再会♪♪~♪

あぁ~、これがやっぱり楽しかったですねぇ~~♪

と言うよりも、現実的には仕事や家庭内、あるいは健康諸問題等々の悩みやボヤキが大半ではありますが、それすらも練習場所にしているメンバーの家の蔵の中で、楽器や機材に囲まれての酒席とあれば、自ずと和みが優先されたというわけです。

ちなみにここは既に数年の関わりがある雪国の仕事先で、現在は非常勤ですが、以前はガッツリ単身赴任していたところから、何時しか仲間に入れてもらっていたという幸運が今も続いているのです。

さて、そんなこんなの話題の中に浮上してきたのが、ストーンズ待望のアルバム「ガル~~!」と新曲「Doom And Gloom」のあれやこれや!?

まず件のアルバムが結局は僅かばかりの新曲を入れた大袈裟なベスト盤であり、しかもボーナスディスクや豪華ブックレットを入れた箱物から手頃な廉価盤、そしてDL販売まで、数種類も違う仕様で発売されるというマニア泣かせの商売優先スタイルとあっては、流石のサイケおやじも素直に喜べない気持でした。

まあ、それでも告白すれば、BBC音源やIBCデモのオマケが入っているデラックス版は予約してしまったんですが、それとて、もやは惰性……。毒喰らわばなんとやらです。

ところがついに先行シングル扱いの新曲「Doom And Gloom」が iTunes Store で販売され、同時(?)に公式プロモバージョン(?)が YouTube にアップされてみると、これが吃驚仰天!!

予想外と言うには失礼極まりないほど如何にもストーンらしい、ギンギングリグリのロック王道路線の決定版で、各方面からの情報によれば、どうやらパリで最近行われたセッションから作られたというのですが、とても老境にあるバンドが出している音とは思えない、実に突進力のある歌と演奏なんですねぇ~~♪

全く、不遜な事を思っていたサイケおやじは、自らの不明を恥入るばかりでした。

ちなみに前述の「iTunes バージョン」は、250円で買えますが、やっぱり「YouTube バージョン」とはミックスが異なり、ドラムスやキーボード、そしてボーカルが所々で違う事が簡単に確認出来ますので、これは要注意だと思います。

う~ん、ストーンズは何時になってもやってくれますねぇ~~♪

そしてサイケおやじは、やっぱりストーンズの姿勢は見習う覚悟を新たにしたというわけです。

なにしろ近々、ストーンズが1965年に作った重要映像作品「チャーリズ・イズ・マイ・ダーリン」も見事なリマスターと強烈なオマケ付きで世に出ますし、であればこそ、迷い道に踏み込んでも、結局は何時もストーンズに帰結してしまうサイケおやじの本性は、宿業なんでしょう。

またまた目覚めさせられたストーンズ、最高~~~~!

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栗田ひろみの憎めなさ

2012-10-12 15:21:15 | 歌謡曲

太陽のくちづけ / 栗田ひろみ (ワーナーパイオニア)

世の中に何をやらかしても、決して憎めない人ってのが居ますよねぇ~。

それは人徳でもあり、その人の羨むべき個性ですから、周囲には十人十色の好き嫌いで扱われても当然だと思います。

さて、そういう観点からすると、サイケおやじにとっての栗田ひろみは、まさに憎めないアイドルでありました。

実は結論から述べさせていただければ、失礼ながら歌は上手いとは言えませんし、演技だって、圧倒的な輝きを見せてくれた事は無かったと思います。

またルックスにしても、スタイル抜群のメリハリバディではなく、しかし妙に親しみ易い面立ち、ぶりっ子やってもイヤミにならない存在感は、絶妙のバランスだったと思います。

で、サイケおやじが初めて栗田ひろみを知ったのは、大島渚監督が撮った「夏の妹(ATG)」を観た昭和47(1972)年夏の事で、物語は沖縄を旅する彼女を主役にしたロードムービーでしたから、必然的に現在の諸問題にも繋がる沖縄の実相あれこれを活写した内容です。

つまり大島渚ならではの捻ったエグ味が、この作品の持ち味ですから、本来は些かネクラなムードが優先的に感じられると思いきや、栗田ひろみが登場することによって、そこへ不思議な光が投射されるという感覚に満ちていたんですねぇ~~♪

尤も、それはあくまでもサイケおやじだけの感想にすぎません。

しかし、栗田ひろみという十代の女優さんがアイドル人気を爆発させる予兆であった事は確かと思います。

なにしろ翌年には東宝で初主演映画「放課後(森谷司郎監督)」が作られ、これは井上陽水が本格的に大ブレイクした「夢の中で」という人気曲を主題歌に使った事も話題でしたが、それは本末転倒! 現実的には栗田ひろみが、ここで決定的な人気を得ています。

そして以降、映画やテレビの世界だけでなく、雑誌のクラビアや表紙にも頻繁に登場し、さらに当然の流れで歌手デビューとなったのが、本日ご紹介のシングル盤というわけですが……。

まず、はにかんだ表情と愛くるしい仕草の栗田ひろみ♪♪~♪

サイケおやじが何時もシビれるフェロモン資質とは無縁の佇まいにグッと惹きつけられるんですから、このジャケ写はシンプルでありながら、彼女の不思議な魅力が凝縮されたものと思います。

また、肝心の歌は既に述べたとおり、決して上手くありません。

それでも作詞:山口あかり、作曲:森田公一、そして編曲:馬飼野俊一というヒットメーカートリオの仕事は流石の匠! 栗田ひろみの危うい歌唱力を期待を抱かせて聞かせる技の冴えは、これが発売された昭和48(1973)年のアイドル歌謡ポップスでは王道路線の必中盤でしょう。

同時にテレビの歌番組に出演し、この歌を披露してはヘタレを演じていた彼女が、笑って許してっぽい仕草で微笑む時、それこそが栗田ひろみの真骨頂でありました。

ご存じのとおり、翌年には篠山紀信の撮影によってヌードグラビアに登場してしまう彼女も、この頃は未だ清純派というか、映画やテレビドラマではちょいとネクラな演技を十八番にしていたところと相まっての人気が絶頂でしたから、それを上手く活用(?)出来たものと思います。

ということで、栗田ひろみは1970年代前半の一時期だけ閃光のように輝き、数年の活動の後、結婚を機に潔く引退されましたが、だからこそ、眩いのだっ!

それがサイケおやじの素直な気持です。

皆様には決してオススメ出来るレコードではありませんし、あくまでもファンのためのアイテムではありますが、栗田ひろみという、憎めないほど素敵なアイドルも当時は許されていたという、そんな話を本日は綴ってみました。

ちなみにレコードはサイケおやじが知る限り、シングルが3枚とLPが1枚発売され、数年前にCD復刻もされていますが、中ではセカンドシングルとなった「初恋の散歩道」が一番良いと思います♪♪~♪

あっ、映画「放課後」もDVD化されていますよっ!

これは文句なしの傑作なんで、ぜひっ!

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