OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

シーサイド・バウンドの衝撃

2010-05-08 17:43:57 | 日本のロック

シーサイド・バウンド / ザ・タイガース (ポリドール)

タイガースはGSブームの中では飛び抜けたアイドルバンドで、欧州クラシック趣味に彩られたプログレ歌謡ともいうべきジャンルを得意にしていましたが、しかし実際のライプステージでは、なかなかワイルドなロック魂を発散させていました。

ですからデビューから2枚目のシングル曲にして、これが大ブレイクの端緒となった痛快ロックな「シーサイド・バウンド」こそが、バンドイメージの決定なヒットだったと思います。

実際、今でも演奏しながら歌って飛び跳ねる「シーサイド・バウンド」のステージアクションを、カラオケやりながら真似る中年者が確かに存在しているはずです。もちろんその後の腰痛&膝痛は覚悟の上の狂騒でしょう。

まあ、それほど「シーサイド・バウンド」は、当時がリアルタイムの若者に待ち望まれていた、これぞっ、日本語ロックの決定版!

我国ではロックファンを一徹に自称する大勢が、GSを軽視する傾向にあった1970年代以降、しかしサイケおやじは頑なに「シーサイド・バウンド」は最高っ! と叫び続け、実際に演奏しては顰蹙だった過去があります。と言うよりも、仲間と一緒のバンドであれば、その演目を相談する時に「シーサイド・バウンド」を提案しては、なかなか受け入れてもらえないという繰り返しが続きましたですねぇ……。

現在ではタイガースの演目の中では、どちらかと言えば地味な「花の首飾り」とか「青い鳥」みたいな歌謡フォーク系の歌が好きなんですが、昭和42(1967)年の確か子供の日に発売された「シーサイド・バウンド」が、この時期になると無性に聴きたくなるのです。

とにかく当時、初めて「シーサイド・バウンド」を演じるタイガースをテレビで見た瞬間、それまでGSの代表格だったブルー・コメッツやスパイダースが、おっちゃんぽく感じられたほどです。

ご存じのとおり、この時期からブルー・コメッツは歌謡曲度数を上げ、またスパイダースはエンタメ路線も含む娯楽主義のヒットを連発していくのですが、それはもちろんバンド側主導による自作自演がメインでありましたから、タイガースに顕著な行き過ぎたアイドル性とは一線を画すものだったことが、今日の歴史からしても明らかでしょう。

しかしタイガースが凄かったのは、企画優先のプロジェクトを演じながら、全く評価されていないロック魂を捨てなかったことにあるんじゃないでしょうか。

そのあたりは決して庇うことの出来ない部分も認めているんですが、少なくとも「シーサイド・バウンド」のリアルタイムでの衝撃度は、圧巻でした。

ちなみに作曲:すぎやまこういち、作詞:橋本淳の名コンビは昭和を代表するソングライターチームとしても、決して忘れられませんよねぇ~♪

ということで、昼間はこのシングル盤A面を聴きまくり、夜は誘われているカラオケ大会で、この歌を熱唱する覚悟が出来ているのでした。

コメント (2)
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