OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ケイト・テイラーの素敵なカムバック

2010-05-04 14:22:49 | Pops

Kate Taylor (Columbia)

ケイト・テイラーはご存じ、ジェームス・テイラーの妹にして、私の大好きな歌手のひとりです。

ただし曲作りの才能はそんなに無かったらしく、それゆえに1971年というシンガーソングライターの大ブーム期にアルバムを1枚出しただけで結婚・引退していたのですが、育児も一段落したのでしょうか、1977年秋には突如としてオールディズのカパー曲「The Shoop shoop Song」を歌ったシングルを出し、小ヒットさせてくれたのはファンとして嬉しかったですねぇ~♪

そして翌年になって発売されたのが、待望久しい本日ご紹介のアルバムです。

 A-1 A Fool In Love
 A-2 Smuggler Song
 A-3 Harriet Tubman
 A-4 Stubborn Kind Of Woman
 A-5 Happy Birthday Sweet Darling
 B-1 It's In His Kiss (The Shoop shoop Song)
 B-2 Slow And Steady
 B-3 It's Growin'
 B-4 Tiah's Cove
 B-5 Rodeo
 B-6 Jason & Ida

前述した復帰のシングルヒット「The Shoop shoop Song」がジェームス・テイラーとの掛け合いボーカルアレンジであったことから、ここでも兄妹の絆とカパー曲の面白さが満喫出来ると予想はしていたのですが、実際にジャケットに記載された上記演目を確認した瞬間、本当にサイケおやじは期待に胸が高鳴りました。

もちろんプロデューサーとして、ジェームス・テイラーの名前がきっちりとあります。

で、まずはA面ド頭「A Fool In Love」からして、アイク&ティナ・タナーが1960年に大ヒットさせたR&Bのカパーですから、本来が白人ゴスペルや黒人音楽からの影響も色濃いケイト・テイラーの歌いっぷりにはジャストミート♪♪~♪ サイドボーカルとしてアレックス&ジェームス・テイラーの兄貴2人が介添えを演じているのも、実に心温まるところです。

ちなみに前述した1971年のデビューアルバム「シスター・ケイト(Coitllion)」でもR&Bやゴスペルは歌っていたのですが、それが7年の歳月を経て尚更に味わい深く、歌の上手さそのものが飛躍的に向上しているのは、全く嬉しい誤算というか、本当に凄いことです。

それは他のR&Bカパー曲においても同様以上で、マーヴィン・ゲイの「Stubborn Kind Of Fellow」を少しばかり改作した「Stubborn Kind Of Woman」、テンプテーションズの「It's Growin'」、そして既に述べたベティ・エベレットの「The Shoop shoop Song」の楽しさは格別ですよ♪♪~♪

歌いっぷりも良いんですが、声質そのものがサイケおやじの好みにぴったりで、実は我国の黛ジュンに一脈通ずる魅力があるんですねぇ~♪

まあ、そんな風に感じているのは私だけかもしれませんが、そのあたりのフィーリングは兄のジェームス・テイラーが提供した「Happy Birthday Sweet Darling」や「Slow And Steady」のハートウォームでシミジミした世界でも変わることは無く、また弟のリヴィングストン・テイラーが書いた「Rodeo」や自作の「Jason & Ida」おける素直で内省的な表現も流石、音楽一家の血筋を強く感じさせてくれます。

ところで、このアルバムが発売された当時の流行のひとつに、セッションミュージシャンの存在がありました。主役の歌手よりも、演奏パートを作っているメンツに魅力を感じてレコードを買う層が確かに存在したのですが、もちろんここでも、それは超豪華!

コーネル・デュプリー(g)、ジェフ・ミロノフ(g)、リチャード・ティー(key)、ドン・グロニック(key)、ウィル・リー(b)、ロン・カーター(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(per)、ランディ・ブレッカー(tp)、マイケル・ブレッカー(ts)、デヴィッド・サンボーン(as) 等々のお馴染みの面々に加えて、テイラー兄弟やカーリー・サイモンまでもが集まっていますので、その安定して濃密な演奏はピカイチ♪♪~♪

レコードを聴きながら、内袋に印刷されたメンツの名前を確認して楽しむという、実に1970年代後半的な楽しみが、今でも満喫出来ますよ。

そしてケイト・テイラーは翌年にも同傾向のアルバムを作っていますが、結局は再び家庭に戻って……。

ですから実際にライプをやっていたかは不明なんですが、個人的には生歌を聴いてみたかった女性シンガーのひとりです。どうやら近年はネット販売のインディーズ盤も作っているようですから、まだまだ望みは捨てていません。

それまでは、このアルバムを聴き続けることが、ファンとしての私の使命なのでした。

コメント
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