OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

たまには反則もOK

2008-01-21 17:29:01 | Weblog

今日はシビアな仕事の話で疲れてしまいました。というよりも、自分にネバリが無くなっているのか……?

押しが利かなくなっている自分に、後で気がつくテイタラク……。

ということで、本日は――

The Swinging Guitar Of Tal Farlow (Verve)


タイトルどおり、痛快無比なギターの名盤! もちろん主人公のタル・ファーロウにとっても代表作でしょう。

録音は1956年5月、メンバーはタル・ファーロウ(g)、エディ・コスタ(p)、ヴィニー・バーク(b) という伝説のトリオです――

A-1 Taking A Chance On Love
A-2 Yardbird Suite
A-3 You Stepped Out Of A Dream
A-4 They Can't Take That Away From Me
B-1 Like Someone In Love
B-2 Metero
B-3 I Love You

――という演目は、モダンジャズではお馴染みのスタンダードにジャズオリジナル♪ ですから、バンドの勢いとか演奏の素晴らしさ、さらにメンバーの凄い技量と感性が素直に楽しめます。

特にタル・ファーロウのギターは、ブリブリのトライヴ感に豪華絢爛な歌心が驚異的で、低弦を積極的に使う音色の太さも最高ならば、早いテンポでも極力ごまかしを避け、同時に決してダレないアドリブは神業に近くなっています。

実際、ギターでアドリブをコピーしてみると、あまりにも難フレーズが多く、それを淀みなく弾きまくるタル・ファーロウには後光が射しているいるような……。

実はタル・ファーロウは外人としても手が相等に大きかったそうです。うっ、それは反則だよなぁ~。

という嘆息は抜きにして、やっぱり聴いていて爽快です。ただしミディアム~アップテンポの演奏ばかりなのは、ちょいと好き嫌いが分かれるかもしれません。

個人的には「Taking A Chance On Love」や「I Love You」の完璧に凄いアドリブにKOされますねぇ。「They Can't Take That Away From Me」に聴かれるように、自在なアクセントを付けるピッキングも凄いと思います。

そして別角度として、エディ・コスタとヴィニー・バークの存在感も強く、つまりトリオが対等の立場で秘術を尽くすというモダンジャズの真髄が記録されているのです。特に「Like Someone In Love」は自然体のアレンジも効いていて、和みます♪ 荒っぽさがスリルに変転する「You Stepped Out Of A Dream」も最高で、エディ・コスタは得意の低音乱れ打ちを炸裂させますし、ヴィニー・バークのベースもグリグリに迫ってくる快演になっています。

ちなみにこのアルバムはモノラル録音ですが、こういう演奏こそ、ステレオバージョンが聴きたいですねぇ~。左にギター、真ん中にピアノ、右にベースという立体音響が理想です。

というか、近い将来、自分の好みでミキシングや音の定位を作れるオーディが出て欲しいと願っています。PCならば作れそうな気もしていますが、いかがなもんでしょう。

コメント
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