松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

A4の老婆

2024-06-22 10:14:54 | 日記・エッセイ・コラム
 小泉潟の水位が、随分低い。底がこんなに露出しているのはいつ以来だろう。まとまった雨が欲しいね。と考えながら、日が昇ると同時に出発した。

 早速、いい風景に出会った。後ろから追い越した軽トラが、草刈り機に油を入れ、草刈りを始めた。いいぞ。朝の感じが出て来たぞ。

 軽い追い風に乗って、ひと駅分来てしまった。ここは潟上市。乱橋(みだれはし)。

 帰りは向かい風でつらくなるのも知らずに、いつも花で綺麗にしているお宅まで行こうと思った。

 何の花かは知らない。菊かと思った。
 向こうに婆さんの姿が見える。近づいて、おはよう御座いますと言うと「写真コ、撮ってらえだね」と言う。見ていたか。

 それでユリの花、撮ってもいいか、と聞いた。あれを撮るには、畝の間に入って行く必要がある。「いいよ」ありがとう。「何も要らねども写真コ、けれ」続けて「あのあれ、えーよんで」と四角く指を動かす。

 ビックリした。その前に「一枚撮ってもいいか」とカメラを向けると、やめろ~と顔を背ける。「骨折してら」とわけの分からない理由を持ち出す。

 A4かあ。いいとも。良し分かった。持ってくるな~。
 なんでA4がすぐ出て来るんだろ。交渉が上手なのは認めるが。とっさのA4には驚いた。

 見た目、90は超えているように見えるが。想像するに、「A4で、えーよん」なんてダジャレで覚えてたりして。

 こんなもんかな、引き延ばせるのは。

 ダジャレで返事すれば、良かったかな。「えーよん。A4で持ってくるからな~」
コメント
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