松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

秋田市最奥の村の冬景色

2021-12-29 14:12:33 | 日記・エッセイ・コラム
 河辺の奥、鵜養(うやしない)集落は雪が深いかなと気になって、一人で出掛けた。追分を出てすぐ、これは「冒険」だと気が付いた。

 寒波が3日も続いたあとの道路を、秋田市の最果てまで走る。普通の人なら選ばない選択肢だ。あいにく、オレは冬道が好き。気のせいか夏場より凸凹が少なかった。

 と言っても、すれ違う時は神経を使う。大型車が来ても、端っこに寄り過ぎないよう注意した。互いに間合いを責める勇気が必要だ。怖いのは雪が白すぎて、道路の境目が良く見えない事。どこまでが除雪跡で、どこが路肩か。サングラスの方が、いくらか見やすい。

 鵜養は思ったより雪が少なかった。集落を巡る水路は、いつもより勢い良く流れているような気がした。

 で、水路を撮っている時、後ろから声がした。「何、撮ってるあだスか?」おじさんが雪寄せしながら話し掛けてきた。

 「冬景色、撮ってらス」オレは答えた。この方、水路の番人だった。集落の最奥に住む、この方は上流まで行って、水量を調節しているそうだ。

 「スキー、履いでな」「えっ、歩くスキーだスか」「なんもや、子供の履いだスキー」「あ~、なるほど」

 水道局から使用料が少ないとビックリされるそうだ。集落全体のことかは知らないが、夏場は野菜を洗ったり、水遣りしたり。冬場は雪捨てに、年中活躍している。

 この水路は、集落の自慢だろうな。そんな気がする。とっても、うらやましい。もしかして、家庭内にこっそり引いていたりしてな。風呂に、洗濯に。

 帰り、岩見温泉で天ぷらそば食って腹ごしらえ。うまかった。
コメント
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