松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

祭りの太鼓が聞こえる

2021-08-14 17:16:49 | 日記・エッセイ・コラム
 地方にいて、良かったと思うことは数々ある。五輪前から決めていたので、予定通り子供たちが帰ってきた。
 スーパーにオードブルを注文して、11時に取りに行った。交換場所にはズラリ寿司とオードブルが並んでいた。およそ十と幾つかあった。ほほう、うち以外にも盛大に、これを囲む家が結構あるもんだね。これは昼の部だけだろう。

 「箸は何本お付けしましょうか」と係が聞いた。妻は「10人」と答えた。ほほう、サバ読んだもんだ。こういう時は、神経が太い。実際のところは6人とプラス2、なんだが・・。次のお父さんは「8人」と答える。正直な数字だろう。こうでなくちゃね、店員さん。
 都会では病床不足で、自宅療養から急変して救急車を呼んでも、10時間待ちとか言ってる。こっちも過去タイの24人だったかな。多いは多いが、切迫感はない。それでも気にはなって、除菌ウェットティッシュで動線上のノブを拭いたりして待った。
 この違いは、大きいと思うよ。県内から出ない限り、安全なことは分かっている。クラスターが出そうな場所へ行く親族はいないはずだ。

 我が家は例年どおりの盆を迎えて、例年どおり過ごした。
 子供が眠たそうだし、親もお疲れ気味。午後早くにバイバイした。
 こっちの気疲れも、最小限で終わった。
あっ、そうそう。手土産が二組とも「もも」だった。オリンピックを連想した。福島のモモがかなりウケがいいと、SNSで囁かれていて、実際おみやげに持って帰ったアスリートもいるとか。いうのを思い出した。
 食べたいのを我慢して、解散してから、かぶりついた。その美味しいこと。甘~いし、酸味も適度にあるし、秋田のモモだって、負けていませんゼ。

 特別日照りが続いたので、収量はかなり減ったそうだが。残ったものには、それだけの価値があった。あのオリンピアンと、同じ気持ちを味わっている。今頃、兄妹で「しまったあ」と思っているか「オレの方が美味しいさ」と思っているか。
 次の電車が早く来ないかと、暇そうに窓辺で待っている甥が、足のかかとで腰板をバンバン蹴る。それが太鼓の音に聞こえたので言った。「おや、どこかで祭りの太鼓を叩いているぞ」祭りという言葉さえ、聞かなくなって久しいなあ。
コメント
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