松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

二人のニンフ

2020-09-12 07:59:14 | 日記・エッセイ・コラム
 吉田輝星のことを書こうと思ったが、どうでも良くなった。代わりに、蝶の妖精に出会ったことを書こう。



 その花園は、マリーゴールドの花畑だった。若い女が、もう一人を写メで撮っていた。もう一人は男に見えた。髪がショートヘアで、タンクトップで、横顔が端正だったからだ。


 しかし近くまで行くと、そうじゃなかった。二人はお互いを撮ることに没頭していた。自然とこっちの花壇に寄って来るので、間合いが近くなった。


 スマホを向けると、全く警戒感なしに撮らせてくれる。「撮っちゃった、いいの?」それで、まともにUPで撮った。


 二人の姿は、チョウが2頭舞うように、お互い絡み合う様子に似ていた。
 それで思わず、「いい~絵だわ~」と言いながら何枚か撮った。


 オレを邪魔者扱いもしないし、入ってとモデルに頼むわけでもないので、その様子を見ながら、車の方へ後退した。


 ほんの10分も居なかったと思う。昔のオレなら、素性を根掘り葉ほり聞いただろう。今は、そんなことはしない。二人を称えるだけだ。

 ニンフだから言うけど。オレの好みは、ショートカットの方だ。人格が一瞬で分かるほど、いいオーラを放っていた。


 あの二人は幻だったんじゃないか。明日には、データが消えているんじゃないか。と、思った。
 消えて、いなかった。

 彼女らのスマホにも、オレの姿が記録されているのだろう。なぜかって。

 オレが映像を悪用したら、「この人、変なんです」って、証拠を見せるためさ。

 そんです。わだしが、変なおじさんでス。
コメント
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