松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

上岩川で、真澄に遭う。

2020-09-28 16:22:59 | 日記・エッセイ・コラム
 無性に蕎麦が食べたくて、道の駅てんのう・そば屋八兵衛に行った。


 シンプルに八兵衛そば730円を注文。つゆは、きじょっぱい醤油の味だが、そば湯で口の中を薄めながら食った。

 さてこのまま、どっか行こう。妻には一応、家を出る前「行くか?」と聞いた。「行かない」 だと思った。一人旅はいい。今日みたいに偶然、真澄に逢えたりするからね。


 国道7号を北上し、鹿渡から奥へ入る。山に入った途端、空気がスイスイ肺に入って来る。なんて楽なんだろう。すると上岩川に至る。


 いつぞや神社を探しに来た上岩川郵便局。ふと入ってみようか、思った。



 もしかしたら女が一人寂しくカウンターの奥で、暇を持て余しているかも知れない。それがもしオジサンだったら悲惨なので、やめておく。



 県道4号を五城目に向かうが、村々を通る旧道へ入る。途端に、道路が広く、家々が奥まって、すばらしく開放感のある集落に入った。



 ここは上砂子沢(かみいさこざわ)と言うらしい。どういう道路の使い方をしているんだろう。路肩が自転車専用道みたいに広い。


 大きい家が多いし、庭も手入れされている。田んぼが広いわけでもないのに、心の余裕を感じさせる集落だ。


 ほとんど地続きで、次の集落:鰄渕(かいらげふち)に至る。


 ここも同様で、いい気を感じる。そして由緒ありそうな立派な松の木を従えた家がある。



 と思ってパチパチ撮っている場所に、腐りかけた標柱を見つけた。


 おう、菅江真澄じゃないか。ここにも来たのか。良く逢うねえ。


 文化三年三月十五日。「鰄渕のやかたなど、季の花多く咲きて春深かう見ゆ」と標柱に書いてある。紀行文に、そうあるのだろう。しかしこの地名、読めないよ。国土地理院の地形図見ながら、書いている。


 名前にもなにか、物語がありそうに感じる、由緒ある集落だったなあ。
コメント
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