完全に終わった菖蒲園の東屋で、一休みしていた。
何やら足元を横切る物体があった。
アリさんが何かの幼虫を運んでいる。
自分より3倍くらいありそうなものを、
二人がかりで、どすこい、どすこい。
アゴで噛みついて、後ろ向きに運ぶ。
人間のスケールにしたら、100kg超の大物を、
二人で運ぶようなもの。
すでに5m。人間にしたら何キロになる。
途中からもう二人、加わった。
おう、頑張ってるな。手伝おうか。
4人のうち一人は、付いたり離れたり。
方向指示と運搬に忙しい。
木の根元まで来た。砂場に巣がある。
しかしここじゃないらしい。
まだ行くのか。オレたちの巣じゃないのかい。
二人離れて、また二人だけになった。
休まず先に行く。
芝生が現れた。ここにもたくさんの巣がある。
仲間がひとり、二人と迎えに来た。
そのうち大勢になった。
お祭り状態だ。ワッショイ、ワッショイ。
芝の尖った先を事もなく超えていく。
もう30分も、見ていたろうか。
オレも6本、足が欲しい。
そうしたら楽だべな。
中足が2本でもいいぞ。
妻が二人いて。