火野正平のこころ旅で気になるのは、
彼が方向指示をしたことが一度もないことだ。
もっとも全部見ているわけではない。
自転車は曲る時、必ず相手に知らせる必要がある。
好きな方の片手を、まっすぐ伸ばすか、直角に曲げるかして、
自分の進みたい方向を合図する必要がある。
そうでないと、車の人は「あいつ、どっちに曲がるんだ。それとも直進か」
とスピードを落として様子を見なきゃいけない。
自転車乗りは誰でもやらなきゃいけない。
同じNHKのサイクル・アラウンド何とかいうやつに出てくる、
日本語の上手な外人は、ちゃんとやっているのを見たよ。
同じ自転車乗りとして、とても気になる。
後ろの4人のうち、誰かが合図しているなら、いいんだけど。どうなんだろ。
感心するのは、事故も起こさず何年も続いていることだ。
車と同じレーンを走るのは、とても怖い。
うしろの車が間隔を取って、通り過ぎてくれるか。神頼みしかない。
その点、5人で走ってりゃ、一番後ろのやつが死んでも、正平ちゃんは助かる。
車も、5人が相手だと、さすがに目立つだろう。
という全く相手次第の心細い旅だ。
だから注意してくれ。
昼めしで、カツオ節の香りがするたび、
「またアレを言っていいか」と聞くけど。
そんなに言いたいか。
ならオレが言ってやる。「カツオ風味のふんどし~」