この頃バス停に人が立っている姿を良く見る。もう何十年も忘れていた光景だ。おそらく高齢者の免許返納で受ける割引だとか、65歳以上の老人は100円で乗れることが、いい方に動いているのだと思う。
さっき帽子をかぶったお父さんと目が合った。多少こちらをさげすんだような眼をしていた。ように感じた。
というのは、バスは何の不安も心配もなく旅行が出来る。一方で車の運転というのは、ストレスの連続だ。
特に車幅感覚の無いレディの運転は、腹が立つ。中央線に寄ってくると、こっちは危機感を感じる。それが当たり前の感覚だと思う。向こうは座高も低いし、だから白い線も黄色い線も見えないに違いない。何の気なしに優雅にドライブしているんだろう。
ところがこっちは「ハッ」と身構える。これは意外とダメージだ。もっと心休まる運転がしたい。へたなドライバーの迷惑を、一身に引き受けていることになる。
そんなオレの気持ちを、見透かしたかのような視線に、相手の優越感を感じた。
思い過ごしだろうが、こっちが彼をうらやましく感じたのは事実だからしょうがない。