宇野昌磨は、天然記念物。

　宇野君の三段論法によれば

　緊張しなかった→見たものを受け入れるから→五輪は大会の一つ

　ということになる。

　普段通りの気持ちでいられたのは、ありのままを受け入れるタイプだからと自分で言う。オリンピックには魔物が棲む。羽生もソチでフリーを滑った時、魔物にやられた。しかし昌磨は、何が来るかと待っていたが、現れなかったと言う。

　それはたぶんオリンピックを数ある大会の一つととらえているから。気の早い記者は次の目標について聞く。羽生はまだ考えられない。幸せに浸って居たい。昌磨はまた別な意味で、目標を作っていない。

　しかしオリンピックを目標にしないアスリートを初めて見た。いいぞー。そう来なくちゃ。どちらかと言うと、樋口コーチの方が目立っているが、意外や頭がいいのかも知れない。間違いなく、自分の世界観を持っている。

　最初のジャンプを失敗したのも、良かったよ。あれが成功して羽生を上回ったら、伝説は生まれなかったかも知れない。ナイス・アシスト。