松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

「ことばの力」を思い知る、林修先生の国語の授業

2013-06-18 11:52:06 | テレビ番組

いいともで、企画の主役が来れなくなって急遽、林修先生の特別授業が

行われた。題して「本を100倍楽しく読む方法」

ボクにとって2度目の授業になる。林修のすごさが分かってきた。

内容は本を読め、ということなんだが、先人たちの知恵がつまっている本を

読まないのはもったいないという。一人の人が考えることは限られている。

生きている人もいるが、死んでいる人の力も借りて教えてもらう。

本を読まないさしこに向かって、「もったいないことしてますよ。」

「本の世界が頭の中に豊かに広がるセンターの方が、より素敵なセンターになれますよ」

こういう脅し文句が一流なのである。

「ボクはあんまり、生きている人の力は借りてないんで」

「貸してくれる友達がいないんで」楽太郎みたいな言い方だ。

「もっぱら、死んでる人達と仲良くやって、きょうまで来たと」

で、本題に入りますが、本の選び方。

正解は、「出だしで引きつける本。」1ページ目が面白くないのは全体を読んでも

面白くない。私もそう思うが、これは林先生の独断ですからね。その最高峰

が夏目漱石の「我が輩は猫である」である。

猫が自分のことを自己紹介するわけですから、えっ?!、と思う。

しかも、名前はまだない、とくる。それにまた、どこで生まれたかまで言わない。

いやーなヤツでしょ?我が輩はと気取ったあいさつをしておきながら、

名前も生まれも言わない。しかしちょっとだけ、記憶はあるよ、と

ツンデレじゃないけど、情報をちょっとずつ出していく。

いったいどんな世界が始まるのかと、この4行で林先生は10分考えたそうだ。

「すごいな、こいつは」「これが夏目漱石か、オレのライバルか」

ちなみに、こんなすごいのを書いておきながら自分でそのすごさに気づかずに

タイトルに無造作に「猫伝」とつけた。原稿をもらった高浜虚子は1行目のすごさに

気づいて、それでタイトルに勝手に1行目を持ってきた。

まだまだ続くんですが、テレビに出始めた頃は、せっかく周りが振っても「今でしょ」

が言えなくて、「家の中で人が集まるところは?」と聞かれて「台所でしょ」なんて

汗びっしょりで返事をしていたのが、すっかり自分のペースを取り戻してパワー全開

のようだ。名物先生というのは、本論より脇道にそれたところが面白い。

そのメリハリがバラエティ向きで、今最高に走りまくっている。

林修先生の発する言葉には力がある。

現代人が忘れてしまった日本語、それが生きている。

生きて語りかけてくる。

おどおどした表情の抜けないところがまたいい。

しばらくこの勢いは止まりそうにない。

コメント
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