黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? NO.9

2021-06-28 | 日記
 ゴーギャンの子孫
 ゴーギャンは、株の仲買人をしていた25歳の時に、デンマーク人の妻、
 メット=ソフィー・ガットと結婚し、5人の子供をもうけた。

                           
                                    (ゴーギャン夫人)

  長女、次男は短命で、父よりも先に亡くなった。
 他の3人の男の子たちは、20世紀半ばまで存命していた。

 そうそう~
  「ポールゴーギャンの子孫…ということでした」

冴は息をのんだ。 ーーーどうゆうこと?

     これからの展開に重要なことなんです。

結婚後、やがて仲買人を辞め、画家として生きていく覚悟をする。
 安定した生活を捨てて絵筆を選んだゴーギャンを妻のメットは
 理解できず、結婚11年後に子供たちを連れて故郷コペンハーゲンへ
 帰ったしまった。以後、家族が一緒に暮らすことはなかった。
       (離婚はしないが、復縁もない)

 余談ですが~妻メットは、手元にあったゴーギャンの作品や、夫が
集めていた まだ売れる前の印象派の画家たちのコレクションを、
コペンハーゲンの蒐集家や画商に早々に売り払ってしまった

 現在、ゴーギャンの初期の代表的な作品や印象派・後期印象派の
優れた作品がまとまった数でコペンハーゲンの美術館に収まっているのは、
「妻メットの仕業?」によるものなんです。 
 今となっては貢献と言われるべきか?・・・

この本の物語とは、離れますが~
 折角なので、もう少し寄り道します…

今回は、ゴッホ・ゴーギャンの作品巡りの旅でもあるんですからね、
 御両人の、作品をゆっくりこの機会に鑑賞してほしいという
私の願いもありますので…。
ご承知ください。

 「コペンハーゲン」という国
まぁ、美術愛好家でも、なかなかここまでは足を延ばすのは大変
フランスやスペイン、イギリス、オランダ等々
有名作品を追いかけるだけでも 時間がなくて・・・と
ぼやく御仁が多いのでは。

そこで、このゴーギャンの初期作品の(妻、メットが売り払った)
一部をご覧ください。

その中のひとつ。
「ニイ、カールスベルグ・グリプトテク美術館」にゴーギャンの作品を
見つけました。
                         

ゴーギャンの初期の作品から

「ルー・カーセルの庭にいる画家の家族」

       

「ルー・カーセルの雪景色」

       
       
「海岸ー1」

          

「木靴を履いたブルターニュの少年」

       

「ディエップの海岸」

       

 如何ですか?
 う~ん、普段見ている「ゴーギャン」の作品のおもむきとは、
 やっぱり違う感じ? 
 タヒチ時代の絵とは…別物って。
 画家も、「初期」と「後期」では、本当に変化するものなのですね。

この物語の続きを~

だが、彼ら(残された子供たちに)子供がいたら、つまりゴーギャンの子孫がいまなお存在していたとしたら、どうだろうか。
            
 ゴッホと同様、いまや、「歴史上著名人」となったゴーギャン
血のつながりがあることを、その人はどう感じているだろうか。

 でも、本当にゴーギャンの子孫が存在している、というのは
真実なのだろうか?

冴は、そこまで調査の手が回っていなかった。
それでも、ゴーギャンの子孫は絶対にいないとは現時点で断言できない。

まずは、ペータースの話を全て聞いてから
 内容の信憑性を判断するしかない。

ペータースの話は続く~
「サラは、その人ととても親しい間柄であった。
 今年の初めに、病気になり、自分はもう長くないから…
  「打ち明けたいことがある」 どうか聞いてほしい  と。

病床で~消えゆく命の灯火をどうにか保ちながら、サラに告白した。
 そして、その後、息を引き取ったと…。

すると、「それ」が…つまり、
  錆びついたリボルバーが出てきた…ということなんですね?
         
 「ええ」ペータースは短く返事した。

冴は、続けて質問した。
 「あのリボルバーがゴッホにまつわる貴重なものだと教わった
  そうですが、なぜ貴重なのか、
                     その理由を教えてもらいましたか?

 「いいえ」 
サラが言うには、リボルバーにまつわる
史実を変えてしまうような、信じがたい真実」を聞かされたそうです。


その「真実」は、母から娘へと口伝せよと、‥‥
 『X』の母にあたるゴーギャンの妻が、もともとそう決めて、
  三代にわたって伝えられたということです。

冴は、ゴーギャンのクロニカルを…頭の中で~
     「あり得ない」 きっぱりと否定した。
続いて~妻のメットは、離婚はしない、復縁についても無視。
夫(ゴーギャン)が最後に孤独のうちに死んでしまってからも知らんぷり
だったそうです。 それが、私たち研究者の知っている「史実」です。
 そのメットが『決して口外してはならない・誰も知らない歴史上の真実』
を、娘に口伝するなんてあり得ない…』

 *ゴーギャンとメットの子供は5人、娘は一人だけ
  長女のメアリーは、
  ゴーギャンがタヒチに滞在している間に、肺炎で死んでしまった

 ・・・噓を言っている。 サラか、『X』か、あるいはペータースか。

  「サラの聞き間違い?」 それともあなたの? とペータースに。

ペータース「そうかもしれません。私の聞き間違いかも~」

 冴が、言う。
「私が、知りたい、もう一つ別なこと
 マダム・サラが、あなたに『ゴーギャンのリボルバー』の存在について
打ち明けたのは、いったいなぜですか?

 「・・・・・」
それから、はっきりした声で答えた。
「サラは、私のインスティチュートを助けたい。
   そう言ってくれました」
サラは、
「このリボルバーは、ファン・ゴッホにまつわる貴重なリボルバーなの。
 オークションにかけて、史上最高の落札価格で売却したいと考えているのよ。
 そのお金で、私は、あなたの夢を実現させたい。
 リボルバーを売却して得た金で、ゴッホがオーヴェールで描いた絵を買い戻す。
 そしてそれを、ゴッホ終焉の部屋に飾る。
  たった1枚でもいい、いまではアクリル板でおおわれ、ゴッホが死の直前に
 描いたタブローが還って来るのを待ちわびている壁に。
 それこそが、サラ自身の夢・・・だったのだ。  

      

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。