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黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

東山魁夷記念館へ

2023-06-24 | 日記

 今回は東京で前の会社の「OB会」が開催。

 コロナ禍で中止しており4年ぶりなので勇躍参加し、その足で待望の

 「美術館巡り」も併せてとの実施でした。

    総会は、午後16:00集合なので、午前中めいっぱい「マチス展」を堪能し

 夜は、4年ぶりの皆さんとの懇親で大いに盛り上がりました。

  なんと元気な先輩は、御年91歳!

  まだまだ私は青二才? 今年で81歳になりましたが…。

 

 さて、今日はフランスの香りから一挙に「日本」を味わいに。

 そう、日本画家の巨匠 「東山魁夷」に合うべく旅立ちです。

 OB会の翌日、早朝にホテルを出発~東京駅へ急ぐ。

 初めての北陸新幹線

     長野までの短い時間です。

    

  

 

  長野駅は昔、旅行会社の添乗員(20歳前後の時)として

  何度も訪れてていますが、今回 そう、ざっと60年ぶり?

  善光寺にはまさに「牛に引かれて…」のような感じですが

  お参りは割愛です。

 

  長野駅 立派な駅ですね。

 

 先ずは腹ごしらえ…駅前の「そば処」でスルスルと流し込む。

 信州そばの味? まぁ、普通だね。

 

 早速、駅前バスターミナルから美術館へ。

 バス停からすぐの、公園の中を歩いて~白亜の長野県立美術館が目の前に

  涼しげな噴水が上がり、お迎え、歓迎? の気分です。

         

  入場券を買い、真っ先に 「東山魁夷記念館」へ。

    

  朝の館内は静寂そのもの~人の気配を感じません。

    早い入場なので、僅かに数人だけでした。

  鑑賞の前に、館内は? どんな雰囲気かなと。

 

 とても素敵な眺めを手に入れました・・・。

 

  まるで魁夷が絵筆を取っているような 趣の 洒落た眺め。

  周囲の松と水を張った水面に映る 緑の風景は 一幅の絵のようです。

  なんかこれだけで、今日1日 満足できそう~。

 

  ほんとうに 静かです。

  足音すら聞こえません、昨日の「マチス展」の混雑とは異次元の環境です。

    本来はこのような条件で、名品の鑑賞をする。

       「早起きは三文の得(徳)かも?」

  以前にも数回、東山魁夷展には出かけていますが

   特に「唐招提寺障壁画」は凄かった。

 

  *この企画展は、ブログ(2016.7.22)

    画面美術館=東山魁夷展(於:九州国立博物館)

    をご覧いただきたい~かなりのスケールです。

 今回の企画にも、その障壁画の「下絵」が多く出品されているのも見どころ

 さらに、地元出身でもない魁夷記念館が、何故? ここに。

 

  信濃の風景に深く感銘を受け多くの作品を描きました。

  そして愛してやまないこの信州への恩返しに、彼は、自分の作品群を

  この地に寄贈されたとのこと…。

        

 

  今回の企画は、コレクション展 第1期 ~6月20日まで。

                 第2期 ~

  どうしても20日までには帰らないといけない予定があり、

  渋々、第2期を諦めざるを得なかった。 残念!

  さて、いよいよ作品とのご対面です。

 

 「京洛四季」から

  「魚鐸」

  

 

 館内に入って まず最初の作品だ。

   えっ 何これ? 部屋の照明が少し暗いので…うむ ? 

 「魚鐸」とあるので・・・ああ。

 そういえば、以前、黄檗宗の大本山萬福寺に普茶料理を食べに行った折「魚鐸を見た」

 東山は、伏見の「海宝寺」の魚鐸をモデルに描いた。

             

  魚の形をした鳴り物 木魚の原型とされ叩く音で、法要や食事の時間を知らせる。

 

 「曙」 (アケボノ)

  

    東山そのもの・・・もう、どっぷりと浸って来た…館内の静けさも併せて。

    東山ブルー … どうしてこんな「色」がでるのでしょうか?

            岩絵の具の調合  きっと企業秘密だろうね???

 

 「行く春」

          

 「春静」(ハルシズカ)

 

 「東福寺庭」(トウフクジニワ)

  

   「苔」と「石畳」    こんなシンプルな題材

               画家の目線はやっぱり違う。

 

 「花明り」(ハナアカリ)

     

        春の世の 朧月夜  もう、うっとりです。

 

 「唐招提寺御影堂障壁画 準備作」

  今回の展示品は、もちろん撮影禁止なので 紹介できるのは数少ない。

  また、展示品は準備作品 紙本・墨画 紙本・彩色

  この「唐招提寺御影堂障壁画」については、

  私のブログ、「2016.7.22」 

  画面美術館 東山魁夷 (於:九州国立博物館)をご覧いただきたい。

  

 「緑響く」(ミドリヒビク)

  

  「白い馬の見える風景」より

 「桂林月夜」(ケリンゲツヤ)

   

 「黄山雨過」 (コウザンウカ)

       中国黄山 紙本・彩色  第10回日展出品

    

 

    習作 少し並べていきます。    

       

      

 

 「山雲」(サンウン)       山スケッチ  紙本・彩色

    

    

 「瀧の音」(タキノオト)    山スケッチ 紙本・彩色

      

 「霧深き谷」(キリフカキタニ) 山スケッチ 紙本・彩色

     

 「朝雲」(チョウウン)     山スケッチ 紙本・彩色

      

 

「深山の樹」(シンザンノキ)  山スケッチ 紙本・彩色

    

 

  「濤声」(トウセイ)

    

 

 「蕪湖の古塔」(ブコノトウ)    準備作 「黄山白雲」スケッチ

    

 

  「黄山雨中」(コウザンウシュウ)   

   

 

 

 

  東山魁夷 絶筆となった 「夕星」

                     ⇓ 加筆した「星」

   

 

 この 絶筆「夕星」には 物語が…

   魁夷は、この「夕星」の習作として、平成7年に「夕かげ」を描きました。

    

  最後にたどり着いて仕上げた作品は「夕星」というタイトルに。

  そうです、筆は画面、真ん中に輝く星を加えたのです。

  星が加えられた意味は? ・・・

   《川端康成と深い交友のあった魁夷が、彼の死を知ったのは天草下田温泉の宿から

     星の光を見て・・・妙に気にかけて床についた夜でした。

     川端が自殺した。 1972年4月16日。》

 

   川端の死を知らされた、あの 天草の地で見た星。

   そのもの。

   彼は最後の作品に川端康成を永遠の星の光として描き加えた。

   そして、   彼も 静かにこの世を去りました。

 

      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 東山の作品は何回繰り返し見ても私は飽きない。

 それどころか、見るたびに、その深さを味わい、

 これからの老いの人生を 楽しくあるために

 東山魁夷を追いかけて行きたいと思うのです。

 

 美術館を出て 爽やかな風が 余韻を残してくれ

 満足感に浸り~信濃路を後にしました。

 

 明日は、東京。

 「アーティゾン美術館」から、

   ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開

                 またね!

  

  

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