黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

浮世絵鑑賞

2008-07-20 | 日記・エッセイ・コラム

 故郷の田舎生活も5年目に入り、すっかり街へ向かう機会が少なくなっていた。

そんな矢先にビッグイベントが。

なんと「ボストン美術館」がやってきた。

それも世界一の浮世絵コレクションをひっさげて・・・

今から20年前に仕事の関係でボストンに行き、2日間毎日精力的に

ボストン美術館の絵画を楽しんだ記憶が蘇ってきました。

それも、今回は「浮世絵」に限っての厳選作品ばかり。

春信、歌麿、写楽、北斎、広重・・・・代表的な絵師ばかり。

こんな機会はもう2度とない・・・

この暑いさなか、勇んで行って来ました。

「もう凄い」の一言でした。 圧倒されました。 言葉もありません。 そんな感動です。

作品の保存状態は最高です。 ほんとにこれ当時のものなの?

と一瞬疑いたくなるような・・・いま、刷り上ったばかりのような

鮮烈な色彩・・・細やかな筆の描線は、もう表現できないくらいの切れ味です。

美人画は色気を感じました。

すぐ傍で、声を掛けてくるのではないかと・・・所作も動いているような・・・

着物の模様も、繊細なこと・・・ここまで細やかな技術を駆使してるとは

企画展なのに、人を見なくて、絵が鑑賞できた。 これが実感でした。

普段の日の午後でした。 静かな館内は人の気配もあまりせず、

ほのぐらい館内のしつらえは、一人一人がゆっくりと、作品にひたれる心配りも。

しかし考えてみれば、どうしてこんなにも素晴らしい作品が、海外に流失したのか?

当時日本に滞在していたシルベスターモース、フランシスコ・フェノロサ、ウイリアム・スタージス・ビゲロなどの

収集家は教鞭をとりながら精力的に収集をして本国へ帰った。

特に、ビゲローは4万点もの作品を。

まぁ、こうして一箇所に集められ、分析され、確かな形で保存され、それを世界の美術愛好家が

鑑賞できるというのは、考えようによっては、一番良かったのかも知れませんね。

もし、日本であれば、心無い収集家・愛蔵家により日の目をみない。

十分に考えられる。 これでよかった?・・・・

浮世絵は総合芸術であった。

「絵師」「堀師」「摺師」の際立ったテクニックの集大成です。

特に今回、鈴木春信が先導した色彩豊かな錦絵の描写には

ただただ感動するばかりでした。

また、門外不出とされたスポルディング・コレクションから

「版木」にはこれまた、大きな感動でした。

ちょうどこの時期のためか、館内鑑賞時間も普段の17:00から19:30までと

時間延長がされており、こんなにゆったりと企画展を過ごしたのは初めてでした。

「福岡市美術館」で8月31日まで開催

Arts

近郊にお住まいの方。

美術に感心のない方でも、是非是非、この夏のひとときをお過ごしになっては如何でしょうか。

「いいもの」との出会いは、きっと貴方の生活を豊かな気分にしてくれます。

時間を捻出してでも一見の価値は十二分にある・・・・いや、見逃してならないと思いますよ。

久しぶりの充実感に、この数日間は酔っている・・・・・

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。