徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

ー刀折れ、矢つきてー「安倍総理辞任」

2007-09-14 06:00:00 | 寸評

 晴天の霹靂とは、このことである。
 日本列島を激震が襲った・・・。
 正直、「いま、何故?」という気がしてならない。
 参議院選挙大敗後の、閣僚の不祥事から続く、一連の難問山積の中で、内閣改造を行い、シドニーの
 各国首脳会談で決意を語り、テロ特措法について、「職を賭して」全力を傾ける努力を約束しての、突
 然の安倍総理の辞任発表であった。

 内閣改造後まだ二週間あまりの、政府、与党でさえ寝耳に水の辞任劇だ。
 総理が所信表明演説を終えて、与野党の代表質問を受ける直前のことだった。
 こんなことがあっていいのだろうか。
 二日前に、このことを知らされていた麻生幹事長は、
  「お辞めになる時が、今というのは如何なものか」
 と慰留したそうだ。
 ・・・記者会見にのぞんだ安倍総理の涙目には、忸怩たる無念の想いが感じられた。
 そして、ただただ一国の宰相の幕引きとしては、空虚で無責任な光景に映った。
 
 参議院選挙大敗の直後であれば、辞任も大方の「理解」もあったのではなかろうか。
 いずれは、予想されていたとはいえ、健康上の理由とか、諸般の理由はどうあれ、国民の不快感はど
 うにも拭えない。
 さあ、やるぞと張り切っていた舛添厚生労働大臣は、目を白黒させて顔色を失った。

 海外の反響も大いに気になる。
 これまでの、日本の政界の一連の動きをどう見ているだろうか。
 お粗末この上ないと言うか、日本の恥部をさらすようなものだからだ。

 「人心一新」を唱えながら、安倍総理は、自らの引き際を量っていたのかも知れない。
 辞任後の新聞各紙に、「国民不在」「敵前逃亡」「総理乱心」「もういいや辞任」などというすごい見出し
 が躍り、或るベテランの県議は、「お坊ちゃま、ついにご乱心か」とまで困惑をあらわにした。

 この一年、この政権は一体何をしてきたのだろうか。
 安倍総理の失速、そして辞任・・・!!
 まことに中途半端な辞め方で、こうした辞め方をした歴代の総理大臣はかっていなかった筈だ。
 もう少し考えた、良識ある身の引き方があっても良かったのでは・・・。
 いやしくも、一国の宰相である。
 ・・・政治家として、社会人として、基本を欠いたきわめて幼稚な辞め方は、国政に汚点を残すだろう。

 これが、「政権の丸投げ」でなくて何であろう。
 もう、悲しいかな、前代未聞の椿事である。
 嗚呼・・・!!
 航路の見えぬ荒れ狂う海原、逆巻く怒涛を、木の葉のように翻弄されながら、難破船「日本丸」は何処
 へ向かって行こうとしているのだろうか・・・?