徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

「テレビセミナ-」ー二十周年記念ー

2007-07-20 07:00:00 | 日々彷徨

 いま、各地で住民活動による、いろいろな催しや講座、セミナーが、活発に開かれている。
 横浜市の栄区も、文化活動が非常に活発なことで知られる。
 それは、生涯学習といった形で行われていることも多い。
 昭和63年にスタートした、栄区の「テレビセミナー」も、そのひとつで、今年二十周年を迎えて、記念講
 演が行われた。
 講演は、歴史作家の童門冬二氏で、「今も生きる戦国時代の魅力」と題して行われ、盛況だった。
 戦国の武将たち、織田信長、上杉謙信、武田信玄らに、今日のような政治の変革期のリ-ダ-となる
 人や、経営者となる人は学ぶところが多いと力説していた。
 
 小泉前首相も、織田信長を高く評価していたが、童門氏も同じ意見だった。
 やはり、信長の実行力か。謙信や信玄のように民の心を重んずる姿勢か。
 今の、日本の宰相はどうだろうか。
 ・・・というようなことを思いつつ、童門氏の話は、作家なのに落語家のようなユーモラスな喋りが、まこと
 に流暢なのに驚いた。説得力のある話ながら、会場には笑いがたえなかった。
 童門冬二氏は、80歳の今でも元気な現役で、90分間も休み無しで、立ったまま講演を続けたのには
 感心した。

 この「テレビセミナー」は、NHKの大河ドラマをベースに、多角的に歴史を検証しようという、栄区の文
 化活動の中でも出色の超人気講座なのである。
 その時代背景、歴史、時代考証、文化、人間の生き様などについて考えようという講座だ。
 まず、全国でも類を見ない、大変ユニークな企画がうけている。20年も続いているのは、そうした魅力
 に支えられているからだろう。14人のボランティアグループによる自主運営である。
 毎年参加者は増える一方で、市外からの越境参加者も多く、今年も定員の2倍を超えたそうで、誰でも
 参加出来るのだが、多いときは抽選という事態になっている。

 講師陣は、NHKチ-フプロデュ-サ-、作家、大学教授、歴史学者ら多彩かつハイレベルで、毎回質の
 高い講座が企画される。
 今年は「風林火山」で、4月から始まって、7月まで6回のシリーズが終わったところだ。
 平成17年「義経」のときは、花柳幸春孝さんの本物の「静の舞」の実演まであった。
 次回は、また来年である。
 
 講座は、ドラマの裏話は勿論、史実と物語の違いなど多岐にわたって、これがまことに面白い。
 例えば、山本勘助についてははそれらしい人物(足軽)はいたらしいが、あくまでも架空の人物だという
 学説が定説であるとか・・・。諏訪の姫君の名は、由布姫ではないとか・・・。(これは井上靖の創作だ)
 歴史ドラマは、その8割から9割が作家の創作だといわれる。史実だけでは味気ない話を、いかにも面
 白く、まことしやかに創りあげるものだ。
 この「テレビセミナー」、ドラマを見ている人は勿論のこと、見ていない人にも十分に楽しい。

 ・・・ちなみに、来年のNHK大河ドラマは、宮尾登美子原作 『天璋院篤姫』から、脚色田渕久美子で
 『篤姫』(主演宮崎あおい)だそうである。
 幕末、江戸時代大奥から時代の激変を見据えていた、徳川第十三代将軍家定の御台所、言ってみれ
 ば、幕末のファーストレディの登場である。
 さあ、来年はどんな大河ドラマが、見られるのだろうか。
 期待できそうですね。