大船の駅のすぐそばに、20年続いた居酒屋さんがありました。
その居酒屋が、一昨年惜しまれつつ閉店してしまったのです。行きつけのとても感じのいい店でした。
先日、その店の常連さんの同窓会がありました。
当時のマスターとママを囲んで、大勢が集まり盛会でした。
その店は魚料理(刺身)と家庭料理の美味しさが売り物で、いつも常連の客で賑わっていたのです。
そこでは、隣り合わせの客同士はもちろん、ママやマスターとも気軽に打ち解け、家庭的でした。
マスターは魚の仲買人をしていたので、魚を見る目は確かでしたから、味の方は折紙つきです。
近頃すし屋でも見かけない、ヒラマサとかノレソレ、ホウボウ、イトヨリダイなども時には出て・・・。
それと、いなせな女将といわれた美人ママの、商売慣れしていないところが評判でした。
つまり、味よし、ママよし、雰囲気よし、アトホームで、言うことなしだったわけです。
客層もひろく、そこではもちろん肩書きや身分は関係なくて、会うと誰もがすぐに友達のようになりました。
毎日立ち寄るサラリーマンもいたし、毎週千葉からやって来る大学の先生もいました。
そして、その店で知り合った仲間同士で、忘年会や新年会を毎年必ずやるようになって・・・。
・・・その居酒屋のお別れ会のとき、泣いている若い夫婦がいたのを覚えています。
どこか、とにかく不思議なやすらぎを感じさせる店だったんですね。
そんな、愛好家たちで賑わった居酒屋が閉店となると、他にそれだけの店はあるようでないものです。
かっての常連たちの慣れ親しんだ、あの憩いの場所は大船にはもうなくなってしまいました。
いま、その店のあったところには、新しいビルが建っています。
・・・それから2年後、その時の飲み仲間たちが再会したわけです。
たかが居酒屋、されど居酒屋・・・。
再会した大人たちの誰もに、まるで昨日のことのような、静かななつかしい感動がありました。
今年の暮れに、また皆で会おうということなりました。
人と人の出逢い、そして別れ・・・。
学校の同窓会も盛んですけれど、ひと味違った同窓会でした・・・。
*追記*
名前、<ジュリアン>に変わりました。