湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

リベンジ前の不吉な影

2007年06月18日 | 日常生活
 MTBでの通勤途中のこと。まず最初に細い小道から車道に出るタイミングをうかがっている乗用車を回り込もうとしてバランスを崩し、結構派手に転倒。身体にも自転車にもダメージのない転倒ではあったのだけれども、歩道をふさぐ形になっていたその乗用車がなんとなく恨めしい。暗い目で一瞬だけその乗用車を見遣ったものの、相手が悪いわけではないんだよなとすぐに目をそらした。

 それから藤沢駅近くまで戻ってきて歩道を走行中に今度はリアのブレーキワイヤーがぷつりと切れた。MTBのワイヤーは確か組みたてて以来一度も交換していないので切れても仕方ないけれども、やはりこういうことを不吉な影と考えてしまうのは多分翌日にこの日のリベンジが控えていたからだと思う。

 あの日はとても寒々とした日だった。どんよりとした雲が朝から空を覆い、「どうしたものか・・・」と悩んでいるうちにしっかりと冷たい雨まで落ちてきた。それでも中止を“言いだせない”自分。「行っちゃおう!」というほとんど自棄糞なメールを入れたあと、ikedaくんから電話がかかってくるまでの10数分がとても長く感じたことをよく覚えている。そのあいだ死んだように何の音も発しない携帯電話はしっかりとikedaくんの困惑や躊躇を僕に伝えていた。まさに雄弁なる沈黙といった感じだった。

 あのときのリベンジを翌日に控えたこの日。小粒な雨が夜にぽつぽつ降りはじめたのを見たときは、正直「またかぁ!」と思わないでもなかった。でもこの夜は正直なところいくつかの不吉な影に不安になっておたおたする余裕がないくらいに(気持ち良く)疲れていたので、たとえばワイヤーが切れたのだって山のなかではなく街中だったのだから逆に運が良かったんだなどと都合良く考えて(実際その通りですね)、そのまま22時30分頃にはベッドの人になったのだった。