湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

飯豊縦走、1日目

2006年08月06日 | 山・山スキーなど
8月6日から8日まで、花の山として名高い東北の名峰・飯豊山(いいでさん)を縦走してきた。

1日目は山形県側の飯豊山荘という登山口(標高400m)から梶川尾根を登り、北股岳(2025m)を越えて梅花皮(かいらぎ)小屋というところでテントを張るつもり。標高差は1600mもあるし、梶川尾根はかなりの急登らしいから、なかなか大変な1日になりそうだ。



快晴の登山口を出発したのが9時15分。で、ほんとに登りはじめてすぐにガイドブック通りの胸をつくような急登がはじまる。ただまだ登りはじめたばかりだし、



登山道から見える山の景色や、



ぶなの森の美しさのおかげでそんなにきつくは感じない。「うんうん、こんな感じで景色を楽しみながら自分のペースで歩けば、自転車での体力もあるわけだから、案外稜線まで楽に行けるかも」と思ったりした・・・わけだが、当然そんなことはなく、登りはじめて20分もたてば死にそうになって喘いでいる自分の姿があったのだった。



どんどんと減っていくペットボトルの水を途中の水場で補給し(旨かったぁ)、さらに続く急勾配の登山道を登りきって、



ようやく梶川尾根の終点である梶川峰(1692m)にたったのは、夏山特有のガスが現われはじめた13時10分。いやぁ、めちゃくちゃ疲れた。自転車で標高差1300mの峠を登るのもきついけど、それよりもこっちのほうがきつかった気がする。でも、こんなきつい道をここまで登り切れたのもきっと普段自転車に乗っているからだろう。ありがとう、自転車!

疲れたきった体に稜線の風はとても気持ち良かった。稜線に出たときのこの開放感、爽快感が山の魅力だよなぁ。



もう稜線に出てしまえばあとはなだらかな尾根沿いの道を歩いていくだけだ。ガスが出ているのが少し残念だけれども、これは夏山であれば仕方のないこと。それに視界がまったくないような種類のガスではないから、それなりに景色も楽しめる。

厳しい梶川尾根を登りきった達成感、安堵感に浸りながら稜線沿いの登山道を歩き、



本日最高峰の北股岳にようやくたどり着く(15時21分)。



眼下には石転び沢が稜線直下まで突き上げているのが見える。やはり山の頂上というのは気持ちいいなぁ。

そして北股岳からは今日のテン場である梅花皮小屋まではほんの20分くらいの場所なのだった。



ガイド登山の団体さんが来ているということで、今夜の小屋はかなりの混雑らしい。僕はテントを持ってきているので幸いそんな混雑とは無縁なのだが、翌朝小屋に泊まった人に聞いたら一畳に2人というような状態だったらしい。まぁ北アルプスなんかだと一畳に12人というひどいときもあるらしいけど(なんでも体を横にして頭と足を互い違いにして寝るらしい、そんなんで寝れんのか?)、やはりそういうのは嫌だなぁ。体力が続く限り、テント山行をしていきたいと思った。

小屋の水場で顔と体を拭いてすっきりしたら、ガスが晴れて翌日最初に登る梅花皮岳がくっきりと姿を表していた。



そして日が暮れるまでのあいだに簡単な食事を済ませ、日が暮れる少し前にテントに入り、一応持ってきた文庫本など開きもせずにそのまま目をつむった。