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山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

百名山の記録 焼岳

2014年11月07日 | 日本百名山

2008年 5月26日 焼岳


 昨日の夕刻、沢渡の駐車場に着く。近くでお風呂に入り、駐車場にて車中泊。管理のおばさんがやって来て、2日分の駐車場代金を取られる。缶コーヒーをもらう。
 上高地へは、5月の連休のオートルート以来となる。今回の百名山の計画には入れていなかったのだが、至仏山への入山できなかった代わりに急きょ加えた。
 沢渡大橋5時30分のバスで、上高地バスターミナルへは5時55分着。山々の雪の多さに驚く。北アルプスの山々は、やはり良い。思い出の山、懐かしの山だ。

  焼岳はと見ると、華やかな穂高連峰の中にありながらも、北アルプスの異端児とでも言いたげに梓川の流れの果て、幾分の雪を頂いて座している。
 6時25分、焼岳登山道入り口。2輪草の咲き競う道をゆっくり進む。やがて残雪が現れ、土道と雪道のミックス状態が続く。かすかな踏み跡とテープに導かれ進む。時折、樹間に焼岳の先端を見る。樹林の切れた辺りから、梓川の左岸、六百山から霞沢岳へと続く稜線が青空の下にくっきりと姿を現し始める。
 残雪の大きなブロックをキックステップで乗り越し、取り付けられたハシゴを登ると、眼前に焼岳が現れる。遅い月が、ちょうど頂上の真上にかかり、白い煙のようなものが見える。水蒸気なのだろうが、なんとなく緊張する。
 最後の長いハシゴを登り切ると、焼岳の北の頂きから中尾峠へと続く稜線が、早くやって来いとでも言わんばかり。最高の天気に恵まれ、今日は貸し切りの贅沢な頂上となりそうだ。焼岳の小屋が根深い雪の中にぽつんと佇み、間もなくやって来るであろう主を待ちわびているようだ。
                                     焼岳を見上げる

               

  頂上を目指す。ガラガラと崩れかかる岩屑の中を、ペンキの目印に導かれて登る。この
山も激しい崩壊にさらされているのが良く分かる。雪解け後だから、特にそうなのかもしれない。いよいよ気になっていた雪渓の端にたどりつく。雪は、いくぶん弛んでいるのでキックステップはよく効くのだが、結構な斜面に緊張する。上高地から見上げた時から気になっていた場面だ。真横にトラバースするより、斜め上方向へトラバースした方が歩きやすく、安心感もある。しかし、こんな所は早く抜けたいので、焦る気を抑えながらも確実なステップで渡る。
  北峰の肩から、乗鞍岳がを正面に見え、中ノ湯方面への沢はびっしりと雪に覆われている。まだまだスキーもできそうだ。
               

                   梓川と前穂・奥穂

          

 北峰へは、白いペンキでルートが示してあるが、すぐ脇で蒸気がシューシューと音を立てて不気味である。それに比べ南峰は穏やかそうなのでそちらを登ることにする。かすかな足跡をたどり岩場を越す。

          

 9時50分、南峯2455.5mに立つ。

               標識は風化してやっと読める程度

         


 帰りは雪のトラバースが気になったが、よく見ると登った箇所より少し下部の方がくびれて狭そうなので、そこを渡ることにする。数歩で渡り、幾分登り返して登山道に戻る。 ガラガラと落石を誘発しそうな下りだが、今日は他に人もいないので気分的には楽。シーズンに入ればさぞ難儀することだろう。
 展望台まで下ると、写真を撮っている男性に出会う。話すと、小屋開けの準備に来た方たちで、百名山登山にはまだ早いとのこと。南峯の話をしたら、あそこは立ち入り禁止区域だと注意をされた。南峰は、中ノ湯方面からだといくらでも安全に登れるように見えたのだが、どうしたものだろうか。

                    彼方に槍ヶ岳が・・・

         


 11時55分、ニリン草の咲く登山口まで無事下山する。梓川の畔は、多くの観光客で賑わいを見せていた。焼岳はと見ると、そしらぬ顔をして相も変わらず蒸気を吐き続けていた。自分は、本当にあの頂きに立ったのだろうかという妙な疎外感を感じたた。修学旅行の若々しい一団が、北アルプスの残雪にまぶしく見えた。


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