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山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

 関東周辺の三〇〇名山など その2(年末年始の山行)

2011年01月11日 | 200名山・300名山

 ガイドブックをみてハッとした。茅ヶ岳は深田久弥終焉の地なのだ。標高1704m歩行時間4時間、レベルとしても初級者向きの山ということになっている。中央高速の韮崎辺りからよく見えるが、その奥には雪を頂いた八ヶ岳が控えている。この辺りは南アルプスも間近なので運転をしているとついキョロキョロしてしまう。甲斐駒ヶ岳を先頭に連なる南アルプス連峰は何度見ても飽きない。

 韮崎SAで夜を明かし、だいぶ明るくなった街を抜け深田記念公園に向かう。ここには駐車場とトイレ、近くに久弥の記念碑がある。記念碑は、茅ヶ岳を正面に見据えているようだ。久弥の死は脳出血で突然だったらしい。数名のグループの案内で途中まで楽しく登っていたようだ。68歳の生涯はちょっ短いか。

                   

 公園の入り口に車を置く。早い登山者たちのものだろうか、すでに車が2台止めてあった。天気は上々、トイレを済ませ出発。しばらく荒れ加減の林道を行くとアスファルトの道路に出たのでびっくりする。この道路を横切ったところが登山道の入り口だ。ごろごろ道をしばらく行くと大きな石の間から水がしたたり落ちている。女岩の水場だ。

      

 この横手から本格的な山道になる。道はミズナラやコナラの葉っぱで埋め尽くされているが案外はっきりしている。急なジグザグ道を登り詰めると尾根筋に達して、さらに行くと久弥終焉の碑がある。高さ40㎝くらいだったろうか、小さなものだが久弥の同行者の一人が建てたものらしい。ここから頂上は近かった。

                                                    茅ヶ岳頂上 後ろ遙かに八ヶ岳が・・・

  

 さほどの標高はないが眺望は抜群。八ヶ岳、南アルプスはもう指呼の間と言っても良い。特に南アルプスは近く、甲斐駒ヶ岳、千丈岳、鳳凰3山は手に取るようだ。位置の関係から北岳が見えないのが残念。少し寒いので早々に下山する。登りとは違う道だが最後は同じようなところに着いた。近くに久弥の碑があるので見に行く。

              百の頂に百の喜びあり                             茅が岳遠望(にせ八ツとも呼ばれる)

                         

                                 久弥についての解説(読めるかな)

 

 百名山を極めたら、最後はこの山に登っておくべきか?それにしてもいい山でした。頂上で会った人に、近くの温泉を聞いたら「百楽の湯」があるということなので行く。広いブドウ畑の続くだだっ広くも見渡しの良い場所にありました。百楽とは、今にして思えば久弥の記念碑にあった言葉とも通じているのだろうか。湯船から、鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳それに八ヶ岳が望める素晴らしい温泉でした。外に出たら茅ヶ岳、振り返れば富士山が・・・。

 風呂上がりで気分を一新し、一路四六のガマで有名な筑波山へ向かう。筑波山は、一度大学時代の合宿で登っているはずなのだが、あの時は頂上まで登っていないような記憶があるので再度チャレンジすることにした。近くに大学時代の友人であり、何十年来几帳面に年賀はがきを送ってくる小俣君がいるので会いたかったこともある。正月明けのラッシュがはじまりつつあるので、この日は談合坂SAで車を停めることにした。広い駐車場だが人と車で一杯でした。

 1月4日、早朝にスタート。とにかく東京を早く抜けたいので暗い内から動く。ちょうど明るくなった頃に常磐自動車道に入ることができホッとする。土浦北ICで降り、筑波山駐車場に着く。今日も天気は快晴、ルンルン気分で歩く。ケーブルカー横の登山道をポツポツと歩く。歴史に彩られた山らしく、登山道に転がる石ころ一つ一つにも何か趣がありそうな気がした。昨年はテレビで「坂本龍馬」が人気だったが、明治維新の曙となった舞台のひとつがここ筑波山だということを知っている人はどれくらいいるのだろうか。

     多くの参拝者や登山者に踏みしめられた道です                            男体山の頂上神社

                     の

 

                                        ガマの油 

  

 男体山から女体山を回り雑木林の中を下る。女体山側からはロープウエイもある。筑波山神社まで降りたら「がまの油」の演技(口演、講釈)が始まっていた。これは、油を売るのではなく芸を見せるのが目的らしい。よく切れそうな刀の刃を腕に押しつけてこすると切れて血が出ます。そこにがまの油を塖ってタオルで拭くと、あ~ら不思議、血は止まり傷跡ひとつ残っていません。一種の手品のようだが、なかなか迫力があっておもしろかったです。

 夕刻、小俣君と駅で待ち合わせ。約40年ぶりの再会でした。近くの酒場で乾杯。この年になると、もうあの世とやらに行った人も多いが、お互い健康で何よりです。まあもうしばらくはがんばれそうですね、小俣君。

                              ホテルの窓からも富士山が見えました

              

 ほどほどに飲んで別れる。明日は、東京都は青梅にある御嶽山と大岳山登山が待っている。

 1月5日、快晴。ホテルを立ち東京でしばらく時間をつぶし青梅に向かう。東京の高速も乗ってしまえばよその高速とそう変わらないなどと思いながら八王子ICで降りる。青梅は東京の田舎街、青梅街道は小説「大菩薩峠」でも有名。近くに百名山の雲取山と大菩薩嶺があるので百名山行脚の頃を思い出す。御嶽山登山口は、山上集落の御岳平から始まるが、そこまではケーブルカーを利用することになる。今夜は御岳平の旅館に泊まることになるので事前に電話を入れるが皆断られる。頼む時間帯が悪いらしい。どうしようかと悩む。近くの道の駅といっても方向違いだし遠い。今夜は車泊まりかと思いながらそれでもともう一軒に電話を入れたらOKが出た。間もなくやって来たケーブルカーにのり約6分で山上集落へ。何か雰囲気が高野山に似ている。

駒鳥山荘という民宿(?)にお世話になり、大変親切なおもてなしを受ける。調子に乗って酒を五本も飲んで満足して寝る。翌日は8時の朝食で手作りのヨーグルトをご馳走になった。すごくいい感じの宿でした。

 いい季節にまた泊まりたい気もするが、もう行くことはないだろうな。御嶽山の神社に参拝してから大岳山に向かう。途中、滝やらロックガーデンやらがあり秋の紅葉時分はさぞ素晴らしい景色となるだろう。大岳山の頂上からまたまた富士山を仰ぐ。

         

 これで年末から年始にかけての山は終わりです。一二ヶ岳は二百名山でも三百名山でもないが、他の山々は三百名山には入っている。三百名山をおえるのに今年を入れて2年はかかりそう。それまで気力・体力が持続するか・・・?

下山後、苗場スキー場に移動してスキー。関東地方の天気が嘘のような雪と風。それでも根性で滑り、リフト券のもとをとってから神楽スキー場に移動する。神楽スキー場は、苗場に比べると多少田舎じみているがスキーヤーに必要な施設などきちんとしている。近くに温泉も食堂もあり、駐車場内には売店やトイレがあり、消雪機能も充実している。ここに暗くなってから到着。まだスキーヤーの車が多数残っていたが、夜更けとともに姿を消した。がら~んとした夜の駐車場に雪が舞い散る。

                                 この侘びしさがいいのかな お休み

 翌日は嘘のような好天気。シニア割引でゴンドラに乗る。2年前の春、ここから苗場山に登ったことを思い出す。

                  苗場スキー場(揃いすぎていておもしろくない。金持ちの遊び場といった感じ)

     

              かぐらスキー場(こちらの方が雄大で野趣があって良い。駐車場は無料で整備もいい)

    

 神楽スキー場で思い切りスキーを楽しんで車に帰る。すぐ近くの温泉につかり一路松江を目指すが一気には帰れない。関越自動車道を後戻りして上信越自動車道、長野自動車道と乗り継ぎ中央自動車道の恵那SAで泊。翌日大垣市に立ち寄り芭蕉の足跡を訪ねる。

                大垣は芭蕉が奥の細道を終えた地です。市ではこれを「むすびの地」と名付けています。             

                  

      「 行く春や鳥啼魚の目ハ泪 」の出立の句に対して「 蛤のふたみに別行く秋ぞ 」は、結びの句とされています。

 

 大垣市では、ミニ奥の細道があり、芭蕉の句碑巡りができます。 

 夕刻松江に着く。久しぶりに帰ったふるさとは雪の下でした。

 


近畿(北部)200名山・300名山(その3)

2010年10月26日 | 200名山・300名山

近畿地方は琵琶湖周辺の200名山・300名山に向かう。琵琶湖周辺には、200名山としては武奈ヶ岳と御在所岳。300名山では愛宕山、蓬莱山、藤原岳を残している。今回、とりあえず愛宕山、武奈ヶ岳、蓬莱山に向かう。他は天気も悪くなっていたので次回に回すことにした。

 10月23日(土)曇り  愛宕山924m。
 この山への登山口は、清滝からと水尾があるがナビに任せていたら水尾に着く。島根県からだとこちらが近いからだろうが、途中ごく狭い道路を行くことになった。経路は中国道から国道423で亀岡市に出て、道の駅「ガレリアかめおか」で休憩。ここから大きく迂回して地方道京都日吉美山線で水尾集落へ。有料の駐車場があった。駐車場は、水尾自治会が運営している。500円也。バス停にトイレがある。

写真の奥手に登山口があります。
 
  

 見づらい写真ですが、右下が保津峡駅です。水尾はここからすぐで10分くらいか?。この辺りの道は狭く対向車に出会うと苦労する。清滝から登った方が好かったかもしれない。

 

 休日のせいか登山者は多かった。ただ、登山目的なのか神社参りなのかは定かではない。この山は、全国に散らばる愛宕社の総本山で有名です。「お伊勢7度 熊野へ3度、愛宕山へは月詣で」という言葉があるそうです。
 境内の標示に、登山者のマナーが悪くていけない。登山目的の入山の禁止を考えている、などとあった。脅かしかどうか知らないが神域の管理も大変なのだろう。ぼっか訓練の者が、担いできた石を置いていくそうです。大山とは違い、ここではあまり喜ばれてはいない・・・。
 石段を登り詰めると愛宕神社です。
 

 霊験あらたかな神社にお参りして売店の神官らしき人に、頂上はどこかと聞いたら「ここが頂上ですと」言われた。ついでに、この神社は何の神様かと聞きたかったが止めた。(この神社にお参りすると火災などの火の害に遭わないそうです。お参りした後で分かったことです。)
 京都周辺で高い山は、この愛宕山924mと比叡山845m。昔、比叡山が愛宕山を殴って、愛宕山にコブができ、そのぶんだけ高くなったそうです。

 

 まあ、300名山だから登ったようなもので、信仰からではない。それでも、愛宕社が火災の神様だとは知らなかった。1時50分に水尾をスタートして、4時30分に下山。山谷の道路を抜け、夕闇の京都市に出る。とりあえず道の駅「藤樹の里あどかわ」まで行って車中泊とする。

 10月24日(日)曇り後小雨 武奈ヶ岳1214m

 
武奈ヶ岳は、比良山系の最高峰。しかし、登山口への標示はなくて比良岳の標示に従って行くことになるので要注意。国道161号線の湖西道路を行くと比良駅近くで「比良岳登山口」の標識があり、それに従って進むとイン谷登山口にぶつかる。バスはここまでだが、車はもう少し奥まで入る。以前、スキーリフトもあったそうだがつぶれたらしく草深い道を進むことになる。

 イン谷登山口。武奈ヶ岳へはここを真っ直ぐに入る。「金糞峠」を目指します。奥に駐車場あり。左へ行くと比良岳へ。
 

 見にくい地図ですが、真ん中下の赤い点がイン谷登山口。161号線が途中で2つに分かれています。どちらからでも行けます。
  

  
 金糞峠にて。キンクソと読むそうです。ここから尾根沿いに進む。右方面には琵琶湖が見え隠れする。季節には素晴らしい景観となりそうです。さすが200名山。比良山系は、縦走路が整備され歩いていても気持ちがいい。この日は、山岳会主催の登山大会が催されていました。
            

                    山頂です。琵琶湖からの風が冷たかった。天気の良い日に登りたかったが・・・。

            

                                     琵琶湖と比良山系の山々。

            

 朝9時にイン谷口をスタートして頂上に着いたのが11時50分。頂上は寒いので、下山途中に昼食を摂る。14時10分、小雨降る中の下山となる。近くの温泉「ひらとぴあ」にはいり汗をながす。少々狭い温泉だったがそれでもさっぱりしたのでよかった。この後、琵琶湖大橋たもとの道の駅「びわ湖大橋米プラザ」で車中泊。夜雨音を聞く。

 10月26日(月)曇り 蓬莱山1174m

 300名山の蓬莱山は、びわ湖バレイからロープウエイが出ていてこれを利用すると30分ほどで頂上に立つ。天気が良ければ歩きも良いが、雲霧の中を歩いてもしょうがないので「遊覧者引揚機」を利用する。登山口は、下の乗り場の横手にもあるらしい。9時過ぎにびわ湖バレイへの道路に入る。有料道路だが、この日は無料でした。乗り場はお休みかと思うぐらい人影もない。社員らしき人がいたので聞くと、まだ早いとのこと。それでも10分ほど待って乗ることができた。

                                    貸し切りのロープウエイでした。

                             

 雲霧の中をさまようように頂上に。ここもシカの食害がひどいらしく電流の柵があった。作業員の人がわざわざ開けにやって来てくれた。冬期はスキー場として賑わうらしい。比良山系は琵琶湖独特の気候のため、雪も多く冬は厳しく雪も多いらしい。晴れた日琵琶湖を眼下に見て滑るのも良いかもしれない。来年の楽しみが増えた。

            


                              

              山頂避難小屋に祀られている神様の木像。この辺りの寺院は信長の比叡山焼き討ちの際すべて焼き払われたそうだ。

                            
 琵琶湖周辺は、近江八景(http://www.pref.shiga.jp/profile/hakkei/)と言われるほど景色のよい場所が多い。芭蕉が近江に眠っているのもうなずけるような気がする。
 しかし、その時季におとずれたいものだ。 天気の回復が望めそうにないので御在所岳等は止めて帰松。夕刻我が家に着く。焼酎を飲んで寝る。

 

 

 
 

 


2010年日本200(300)名山 北海道編(その3)神威岳 ペテガリ岳

2010年09月29日 | 200名山・300名山

 今年2度目の北海道遠征。残した課題をクリヤーすべく出かけました。北海道は島根県からは遠い。船で丸一日を要し、港は舞鶴港(小樽へ)か敦賀港(苫小牧へ)からです。
 21日(火)夜、東苫小牧港着。ねぐらを道の駅「むかわ四季の館」とする。温泉もあり、朝風呂もあったが車に泊まるだけとする。翌22日、浦河国道235を走り、レ・コードの湯で入浴し昼食。
 その後、浦河営林署でゲートの鍵を借りる。この鍵は、神威岳に登るためのものだが、現在ではペテガリ岳に登るのにも必要なもの。鍵を借り荻伏からサラブレッドロードに車を進める。 

  いやにひとなっこい馬でした。やはり馬は馬面です。 
 

 神威山荘。ちょうど団体さんたちがおりてきました。誰も沢歩きの装備でした。この日は、小屋の前の駐車場で車中泊。

 
 9月22日、朝5時45分スタート。食欲がないのでお湯を飲んで出発。小雨模様なので雨具を付ける。神威岳へは、小屋の前からシュオマナイ川に沿って進む。しばらくは林道のような道が続くが間もなく沢に入る。登山道の状態が心配されたが、水量は少なく沢靴の必要はなかった。ルートは、テープとケルンが要所要所にあって道に迷うことはない。自分は、せっかく沢靴を履いてきているのでわざと水の中を歩いた。しかし、後で思ったが、沢靴でも濡らす必要がなければ濡らさない方が良い。足が濡れれば体温も奪われる。
 約2時間ほどで尾根への登り口に着く。ここから、素晴らしく急な登りが始まる。登山靴を持ってくれば良かったと反省。道は良く踏まれていて迷うような心配は皆無です。 
  
  ここから尾根道に入る。
 

 途中、お腹が空き、気温も下がりだして寒くなる。バナナを一本食べ、シャツを着込む。手はかじかみ、足はじんじんする。小屋を出発する折り、手袋を片方拾いそれをつかっていたがとにかく冷たい。足も濡れているので寒さで痛いほどだ。本尾根では、疲れとあまりの寒さに引き返そうかともおもった。朝、食うものも食わずにスタートしたのがいけなかったらしい。なんとか頑張っていると、突然頂上の標識が飛び込んできた。
 9時55分頂上。約4時間の苦闘でした。視界は悪く、風とガス、おまけに寒い。早々に下山とする。しかし、下山するにつれて天気は回復に向かう。何だこれは?。

 
 
 ペテガリ岳が見えてきました。縦走も可能なようですが道はかなり悪そう。藪こぎの連続か?

 

 天気は良くなりました。下山途中、あとから登ってきた年配の方と情報の交換。ペテガリ岳へのルートやら沢の様子を聞いて安心する。ここも、靴を濡らすことはないらしい。自分は沢靴しか持ってきていないので少し残念に思った。

 
 
 ペテガリ方面へと続く尾根。ただしこのルートは正規のものではありません。

 

 沢まで下りると天気はすっかり良くなる。昼食がてらしばらく休む。13時10分帰着。

 神威岳を登ってから、そのままペテガリ岳に向かえば良いのだが、登山口となるペテガリ山荘までは4時間程度掛かると聞いていたのでこの日は一度道の駅「みついし」まで帰る。ここにも温泉があり、車で泊まるにはもってこいの場所。温泉に浸かって汗を流し、翌朝ペテガリ岳に向かう。
 昨日と同じ道を行く。神威山荘手前から左に少し入ると駐車場あり。車が3台停まっていた。ペテガリ岳へは最初に徒渉がある。事前に得ていた情報では、水量も多く困難が予想されていたのでそれなりの覚悟はしていたものの、全く当てが外れた。結局、山荘まで足を濡らすことはなかった。ここも、神威岳同様に沢用の靴は必要なかったが、沢靴しか持ってきていなかったのでこの靴で歩くことにする。

 最初で最後の徒渉場所だが・・・。駐車場から二~三分か。 

 

 沢をつめ、尾根を越すと俄然開けてきます。左手にペテガリと神威への標識を見る。後は、林道に沿って下り加減の道をペテガリ山荘まで。途中、道路整備の方たちに会う。工事用の車は入れるらしい。だんだん道も良くなる。ただ、ペテガリ小屋までは長いので本当にこの道でよいのか心配になった。

 

 心配しながら歩いていたら、ついに小屋が見えて来ました。やれやれです。ストーブが赤々と燃えて、先客4名が山の話に夢中でした。自分は2階に上がる。下からの熱気でポカポカでした。ペテガリ小屋は、至り尽くせりの小屋です。まきあり火付け用の新聞紙もあり、毛布も布団もあり、水道あり立派なトイレありです。炊事場とトイレは電気がつきます。さがせばアルファー米などもあるとか?


 

 9月24日、5時05分小屋をスタートする。もう明るくてランプはいらない。昨夜、素晴らしい星空だった。月も出ていた。今日は素晴らしい天気が期待できそうだ。しかし、朝露のザサの中を歩くので靴はびっしょり濡れる。スパッツを着ければ良かったと後悔するも遅い。

 天気は上々、展望も開けてきました。しかし、ペテガリ岳はまだ見えません。

 

 やっと全貌が。しかし、まだまだ遠い。

 

 500mの登りの後、10時35分やっと頂上へ。360度の大展望。ついに来ましたペテガリ岳、1739mです。

 

 太平洋も見えます。目を転ずれば、神威岳も。

 

  眺望を楽しんだ後、9kmの道のりを帰る。小屋には15時着。10時間の強行軍だった。ペテガリ登山の所要時間は12時間前後が一般的。小屋に帰ると、新しい登山客が来ていた。この日は、ここにもう一泊する。酒もなくなってきてわびしくなった。
 翌25日、6時20分ペテガリ山荘に別れを告げる。行きには思わなかったが、帰りちょっと道を間違える。ブログなどで読んで注意はしていたが、きれいに間違えた。真っ直ぐ進めばいいものを、左方向に延びる一見立派そうな道に入ったのが間違。足跡らしきものがあるので進んだのだが、これは鹿の足跡だった。 
 やっと見覚えのある地点に返りホットする。前から大きな荷物を担いだ頑丈そうな男性が、息を切らしながらやってきた。感じからすると小屋の様子を見に来た地元山岳会の方のようだった。
 8時05分に尾根まで這い上がり、9時15分駐車場着。約3時間掛かったことになる。


 


近畿(南部)200名山300名山 (その1)

2010年09月13日 | 200名山・300名山

 近畿南部には、金剛山、伯母子岳、釈迦ヶ岳の200名山と葛城山、護摩壇山、竜門岳、高見山、三峰山(みうねやま)、倶留尊山(くろそやま)の300名山がある。
 9月5日(日)から10日(金)までの間にこの9山に登る。

 葛城山959m(300名山) 
 9月5日松江を発ち、昼前に葛城山ロープウエイ前の駐車場着。登山口は、このロープウエイ横、不動寺の前にある。(無料駐車場はありませんでした。)

            登山口 右手に不動寺                           ロープウエイは早いが・・・
              
 登山道はしっかりしているので道に迷う心配はないが、やはりロープウエイを利用する人が多い。車の疲れも何のその、12時15分登山開始し、14時に頂上に立つ。親子連れや家族での登山者が多いのはやはりロープウエイのせいだろう。若者の姿も目立った。広い頂上では、凧揚げやソフトボールを楽しんでいたのにはびっくりさせられた。

                                      気持ちの良い山頂
                           
こうなると山と言うよりは公園といった感じ。それでも、冬期は、樹氷が美しいとのこと。春のツツジも見物だそうだ。歴史に彩られた山でもある。秋の七草の一つ、葛の花が登山道に散っていたのが印象的だった。15時30分に駐車場まで下りたら、ちょうど雨が降り始めた。雷を交えてほんの一時だったが激しく降った。
 温泉を探してウロウロしていたら時間ばかりが経ち、結局見つからず仕舞い。あきらめて金剛山に向かう。 
金剛山1125m(200名山)  
 この山にもロープウエイがあった。今日はもう時間もないので登山口を確認して近くの道の駅「ちはやあかさか」まで引き返す。            
      
               登山口駐車場(有料)                      千早城址への参道が登山道
                       

この道の駅は郷土資料館と併設となっていて売店などはないがトイレだけはあった。夜暑いので外に出ていたら、やたらに飛行機が現れるので何だろうと思っていたら大阪空港が近いせいだとわかった。雨も上がり星空がきれいだった。
 翌6日、金剛山登山口へ移動する(ここも無料駐車場はない)。登山口はあちこちにあるらしいが、私は千早城址を見ておきたかったので長い石段のある登山口から登ることにした。深田久弥もこの道を歩いている。地元の人は、ここより少し下がった豆腐屋の横から歩くらしいことは後で分かった。楠木正成の立てこもった千早城も今では跡形もなく、ひっそりと静まりかえっていた。途中の千早神社にお参りして裏手の道を進むと豆腐屋の横からの道にぶつかる。それまでは全く人気がなかったので安心してしゃがんでいたらゾロゾロと人の姿が。大変にあわてた。それでも1時間30分ほどで無事金剛山頂上へ。
             
                 眺望良し                                四千回登拝などもざら

                       

 天気に恵まれて大阪方面の町並みが見渡せたがどこがどこやらよく分からなかった。頂上付近には、社務所をはじめとして金剛山転法輪寺、葛城神社などがある。神社を取り巻く石柱の柵一本一本に寄進者の名前とその登山回数が刻まれていたが、100回、200回など序の口で、1000回、2000回などが目に付いた。4000回もあった。この山は、「回数登山」で有名らしい。

                                          葛城神社
                                                   


 8時25分に登山口をスタートして、9時45分頂上。10時45分下山する。葛城山も金剛山も似たような山。今日はもう一山登るため、伯母子岳を目指す。
 伯母子岳1344m(200名山)
金剛山から伯母子岳までは少し長いドライブをしないといけない。案内はナビにまかせているのでどこを走っているのかよく分からない。
 

         大股への途中 平の集落にて                             維盛塚                        

             

長々と運転してやっと見覚えのある所にやってきた。それは高野山。今日は弘法大師には用はないので素通りして高野龍神スカイラインに乗り、途中から野迫川村に入る。登山口は大股という集落にあった。

     小辺路の他に中辺路、大辺路もあります                        トイレと駐車場あり
              

  小辺路(http://www.write.co.jp/kumano/map.htm) 
  14時スタート。駐車場近く土地の方に出会う。「今から登られますか」と言われた。「何とか明るいうちに帰れるでしょう」と答えて先を急ぐ。初っぱなから急な登りだがここはダブルストックで頑張る。杉林のなかのジグザグ道を登りきるとちょっとした山小屋に着く。

             ここまで登れば・・・                               もう一息
            

 ここからは多少の登りはあるが大体に平坦な道が続き、下りもある。最後の登りを一気に登りきると頂上。時計は15時55分。約2時間掛かったことになる。

                 頂上です                                   山脈遙か小辺路道
             

 大峰山系の山々を満喫して下山する。17時45分大股の集落に着く。登りの折りに話したおばあさんとばったり出会う。「もう下りられたか」と言われた。明るいうちに下山できてよかった。今日は風呂に入りたかったが龍神温泉に着いたのが遅く我慢することにする。道の駅「龍神」で車中泊。夜小雨が降る。


近畿(南部)200名山300名山(その2)

2010年09月13日 | 200名山・300名山


護摩壇山1372m(300名山)

 今日7日は朝から天気はパッとしない。時々小雨が降る。道の駅「龍神」の近くに温泉はあるのだが朝早いので入れそうもない。この温泉は、日本3大美人の湯だそうな(島根県の湯の川温泉 群馬県の川中温泉)。仕方なく護摩壇山へ向かう。高野龍神スカイラインを引き返すと道路の横丁に見落としそうな登山口の標識を見つける。頂上まで400mとある。小雨は止んでいたが傘を持って出かける。直に頂上。
  
            頂上です 夕陽100選                           正面の登山口と護摩壇タワー
            

 この山は、和歌山県の最高峰なのだがスカイラインのおかげで登るという感じはしない。正式な登山口は、護摩山タワーの横にある。どちらから登っても同じくらいな距離だ。山は、和歌山県朝日夕陽100選に選ばれている。山の由来に、この山で護摩を焚いて源平の戦いを占ったことからこう呼ばれるようになったとあった。
 釈迦ヶ岳1800m(200名山)
  いよいよ大峰山系の一つ、釈迦ヶ岳に登る。一度高野山に戻り給油する。またまた山の中を走り、十津川街道に入る。旭集落を詰めていくと登山口に着く。
         
       十津川旭集落側の登山口                             大峰奥駈道 ここは楽そうな道です                       
            

        大峰奥駈道(http://www.geocities.jp/jugemuguidekobo/okugake_intro.htm

 腹ごしらえを済ませ12時15分スタート。しばらくは杉の林の中を歩く。道が荒れていてちょっと迷いそうになったがすぐに本道に戻る。伯母子岳と同じように、しばらく急登が続くが1時間ほどで尾根にたどり着く。いわゆる大峰奥駈道だ。100名山の折りに、洞川温泉から大峰山寺をたどり、途中山中で一泊して八経ヶ岳を経て天川村に下ったものだが、釈迦ヶ岳はこの縦走路の延長線上にある。ちなみに、大峰の奥駈道とは、花の吉野山から熊野本宮大社までの峻険な縦走路のこと。3,4日掛かるらしい。
 14時10分、小雨の中釈迦ヶ岳頂上に着く。しばらくすると日が差してきた。裸になってびしょ濡れのシャツと雨具を干す。釈迦如来像の真ん前に腰掛けて久しぶりに山らしい山に登ったことを実感する。
        
      釈迦如来の立つ頂上 すぐ下に水もある                   トリカブトの仲間  これだけは鹿も食わない                    
            

天気がパッとしないのは残念だが、この静寂がいい。山はこうでなくてはいけない。16時、車まで下山する。
 この後、十津川温泉で入浴。3日ぶりの風呂は気持ち良かった。道の駅「奥熊野古道ほんぐう」で車中泊。明日は移動日。観光を兼ねて熊野本宮大社を見学する計画だ。なにせ、全国熊野大社の総本山だからぜひともお参りしておきたい。
 
               熊野本宮大社                                     日本一の大鳥居
              

        
                                   熊野詣で(記念館から)
                  
 
 9月8日は、熊野本宮大社の参詣の後、国道169号をひた走り吉野町に入る。コインランドリーを見つけて洗濯する。道の駅「宇陀路大宇陀」泊。
 竜門岳904m・高見山1248m(300名山)
 9月9日
、竜門岳に登る。登山口は国道370号線道の駅「宇陀路大宇陀」に近い宮奥ダムの近く。近畿自然歩道の標識があるが、こちらからの登山はあまり行われていないらしく登山道は荒れていた。

        お寺の向かい側に近畿自然歩道の標識                          やぶ道です
             

 興隆寺幸福の鐘まえの道路脇に車を停めてスタートしたが駐車場所が悪かったせいか下山した折りに役場の職員らしい人に「職務質問」された。不審な車が止まっているとの通報があり見に来たとのことだった。このとき、別の登山口がもう少し行った峠にあると知る。駐車場もあるらしい。下調べでは、28号線の佐々羅交差点を三茶屋方向に進んだ山口神社裏からも登れる。

            途中別の登山道とぶつかる                         頂上です 眺望なし
             

 ただ、この山は本当につまらない山で何で300名山に入っているのか理解しかねる。おもしろくもおかしくもなかった竜門岳だが、近くに柿本人麻呂公園があるので行って見た。
        

                柿本人麻呂像                       この後、島根県(石見)に左遷されようとは・・
             

 その後高見山へ。高見山へは、28号線吉野室生寺線の平野から。簡易郵便局の向かい側の細い路を入った所に登山口を見つける。
  駐車場らしき場所はなかったが何とか停める。この辺り空き家が多い?
 
 
       頂上まで 一番距離のある登山口                        無理に止めました
            

天気は上々。遅い朝食を摂って出発。今日も杉林の中をポツポツ歩く。稜線に出て杉谷側からの登山道とぶつかると頂上は近い。

         ここで小峠からの道と交わる                             登山口までの距離
           

 青く晴れ上がった空、さわやかな風、久しぶりに爽快な気持ちになる。頂上で地元の登山者に周囲の山々の説明を聞く。
                   
                               さわやかな風も吹く眺望のある頂上
                         

               倶留尊山方面                                  大峰山系 大普賢岳 
            

 高見山登山道については3つあり、一つが平野から、次は杉谷から小峠を通る道、もう一つが大峠からだそうだ。杉谷は国道166号線沿いにあり、高見山登山口バス停があるが、大峠への道はよく分からなかった。大峠は、頂上に一番近く駐車場も整備されているようだ。ちなみに、平野には「たかすみの湯」があるが、この日は閉館でした。平野の集落を抜け、国道369号線に出ると御杖村に出る。途中曽爾村への標識を見る。こちらに入ると倶留尊山への登山口太良路に着く。曽爾村の曽爾高原には、国立少年自然の家がありこの後ろの山が倶留尊山。
 この日は、最後に三峰山への登山口を確認しておきたかったので曽爾村には寄らず通過する。国道369号線沿いに三峰山への標識を見つけて進む。やや狭い道の奥に立派な青少年旅行村の施設がある。登山口はこの入り口にあり駐車場もある。
 今夜の宿は、温泉もある道の駅「伊勢本街道御杖」。三峰山登山口に近い。

                                     道の駅にある姫石の湯
                    

 三峰山1235m・倶留尊山1038m(300名山)
 9月10日
晴れ。6時20分三峰山(みうねやま)登山口スタート。

                                    右手が登山者駐車場
                          

                          横を向いた看板  登尾ルートから登り新道ルートをおりる
      


 登尾コースを登る。途中吉野杉の間伐材を利用した山小屋などあり。展望所ともなっている。道は良く整備され、これまた良く整備された杉林は見ているだけでも気分がいい。杉の林から広葉樹の林に入り新道との出会いに着く。ここから頂上への道と八丁平への道とに分かれるが、とにかく頂上へ向かう。
 
               気持ちの良い山路                               頂上から倶留尊山が見える
             

 頂上でしばし休み、八丁平へまわる。ちょっとした平で、ゴロンと横になりたくなるような良いところ。トリカブトの紫が映える。こんな場所にテントでも張って星空でも眺めていたいものだ。
                                       八  丁  平
     

 帰りは新道を下る。舗装道路に降り立ち駐車場までが長かったが気持ちの良い山歩きだった。6時20分にスタートして8時15分頂上。10時30分下山。
 すぐに倶留尊山(くろそ)に向かう。国道422号線中太郎生の郵便局のとなりの酒屋の横に登山道入り口の標示を見つけて進む。ちょうど酒屋の裏道にあたるが80mほど行きすぐに右に折れる。道は狭く、標識もはっきりしないので心配ではあったがとにかく進む。それでも腐ったような標識を見つける。この道は東海自然歩道にあたるらしい。倶留尊山への文字はないが、亀山峠へに向かう道だ。なおも進むと夏草で道が狭まり、車のボデーをこする。ますます心配になり、車を停めて歩く。1~2分も歩いただろうか、登山口の標示と説明板を発見する。

             かなりくたびれた看板です                          人気もない古道
             

 道は間違っていなかったと一安心。近くに駐車できそうなスペースもあった。杉木立の中を歩く。古色蒼然といった感じの古道は熊野古道を思い起こさせる。間もなく亀山峠に着く。

                  亀山峠                            曽爾高原と少年の家 こちらからが楽そう
             

 ここについてびっくり。俄然視野が開け、曽爾高原が眼下に、国立少年自然の家も見える。太良路からの道は、ここに出る。多分、誰もこちらから登るのだろう。
 ぶりかえしてきた暑さと、だいぶんくたびれてきた体を引きずって登る。頂上手前に一つのピークがあり、これを越えて最後の登りを頑張ると頂上。
           頂上手前のピーク 二本ボソ                            何の変化もない頂上です
             

 これで今回の山行は完了した。日陰に入り横になって少しうとうとする。 
 11時50分にスタートして13時05分頂上。下山は14時55分。下山途中にマムシに出会う。そういえば、三峰山でも蛇を見たがこちらはシマヘビのような奴だった。
 道の駅まで引き返し汗をながす。翌11日、伊勢神宮に参る。お伊勢参りで有名な伊勢神宮は、本宮と外宮に分かれる。本宮には天照
大神が祀られ、外宮には天照大神の食事を司る神様が祀られている。自然豊かな公園といった感じ。出雲大社の方がだいぶ迫力がありますよ。


2010年200・300名山九州編その4 雲仙岳、国見岳

2010年08月03日 | 200名山・300名山

 7月26日(月)  雲仙岳(普賢岳) 1359m
 左に諫早湾を見ながら長崎街道から島原街道に入ると、雲間に雲仙岳が姿を現す。大きな山ほど離れて見た方がいい。雲仙岳もそんな感じの山だ。元々この山には、温泉(うんぜん)の字が当てられていたそうだ。温泉岳でもいいではないか。
 有料道路を仁田峠駅まで入る。ここにロープウエイへの乗り場があり前が大駐車場となっている。
 
                       展望台より平成新山
              
                   
                  仁田峠駅の大駐車場 奥にロープウエイ駅が
              

 
池の原駐車場。 ここから30分ほどで仁田峠駅に着きます。有料道路を使わなければここから登ればいい。
              

           妙見岳                         国見岳より平成新山     
                  



                             普賢岳頂上   
                

                   花は少なかったが色鮮やかでした。
       


      火砕流の記録写真                      外形だけが残った校舎
        
 夕刻、雲仙岳登山口に着く。無理をすればこの日に登れたがやめて雲仙温泉へ。100円の共同浴場で汗をながす。この日は、近くの道の駅「みずなし本陣ふかえ」まで下る。島原のストアーで買い物をする。駐車場の案内で山頭火の句碑を知る。

                 酔うて こほろぎと 寝ているよ ( 山頭火 島原 )

 彼の故郷は山口県のはず。こんな所まで来ていたとは。まさに放浪の俳人だ。彼の句に次のようなのがありますね。

                 分け入っても 分け入っても 青い山

                托鉢の 中にも あられ
                                 
                雨ふるふるさとははだしであるく 

                今日ふはあられにたたかれて

                雨の音も年をとった

                山に入っては山を観雨降れば雨を聴く

 
この人の句は、おかしくもありまた哀しい。

 翌朝、早めに池の原駐車場へ。ここから歩いてロープウエイ駅まで。時間が早かったせいか誰もいない。有料道路はまだ閉まっているから当然だが、なぜか軽が1台停まっていた。駅の横手の登山道を上り、妙見岳、国見岳、普賢岳と周り10時45分仁田峠駅に帰着する
 次に目指す山国見岳1739mは、熊本県の山。有明海をフェリーで渡ることになるが、その前にやはり雲仙温泉で汗をながす。さっぱりした後、火砕流の被害を受けた校舎跡を見学する。
 この日は、熊本県山都町の道の駅「通潤橋」で車中泊。
 
 7月27日(火)  国見岳 1739m
国道218号線の三和から、国道445号線に入り五家荘を目指す。この辺りは九州の中央部、山深く谷は険しい。道路は狭く途中2度ほど枝道に入り引き返すこともあった。何とか五家荘に着く。やっと国見岳の標識を見つける。国見岳へは五家荘から椎葉村へ抜ける道の左手にある林道を進むことになるが、何と通行止めの看板が?。ゲートはないので無視して進むと、ついに通行止めのゲートにぶつかった。簡単なゲートなのでどかして進もうかと思案する。しかし、思い直して引き返そうとしたら道路管理の車がやってきてゲートを撤去された。国見岳のことを聞くと、大丈夫登れますよと親切にアドバイス。おかげで登山口のすぐ手前まで車を入れることができた。

                            ここからは歩きです。登山口まで5分ほど。

                            

 
 登山口。急な登りが1時間ほど続きます。しばらく登ると杉林。時折冷気を感じるのは渓流からの風のせいか?
             
 
            倒木に腰を下ろしてやすむ。木漏れ日の中を風が抜ける。

                 やっと分岐へ。ここまで約1時間。傾斜も緩くなってくる。

              
        
              分岐から約1時間。すぐにシャクナゲの林で頂上へ。

             

                         ビールで乾杯    

             
 2時間ほどで頂上に。帰りは早かった。五家荘に寄って椎葉村への道につて様子を聞く。この辺りは、九州の秘境ともいえる。宮崎県側へ山越するのは大変。細い道を延々と運転して椎葉村に着く。

                       ひえつき節発祥の地
             

 この日は、日向灘に面する道の駅「日向」の奥にある温泉に入り、ここの駐車場に泊まる。尾鈴山に登った折もここを利用した。夜半より雨降る。
 
                    雨の駐車場 海を観て過ごす

 7月28日(水) 大崩山下見
 昨夜より降り続いた雨は、明け方さらに強くなる。大崩山は今回もダメらしい。あきらめて朝寝と決め込んだが、徐々に小降りとなる。意を決して、登山口まで行くことにする。延岡から祝子川に沿って進む。祝子はほうりと読む。大崩山登山口前に車が数台とめてあった。雨の中の登山らしい。

              

 
                          大崩山は左の方角
                

 引き返して近くの温泉に入る。山はガスに包まれて湯船からは見えないが、大体の様子は分かる。
               
                              美人の湯
                


                         ホオリノミコト(山幸彦)
                


焼酎を飲みながらの昼食。休憩室のテレビの前でしばらく昼寝する。酔いをさまして帰る。


2010年200(300)名山九州編(その3)英彦山、背振山、多良岳

2010年07月31日 | 200名山・300名山

 2010年、200名山九州編の仕上げの予定でした。先般の続きを完成させようと勇んで出かけました。初めて訪れる山に登るとき、いつも気になるのが登山口と駐車場。事前に調べているつもりでもいい加減なことが多いので現地についてからウロウロすることがよくある。登山口の近くに温泉施設などがあり、そこの電話番号が分かっていればナビを利用できるのだが、そうでない場合は困ることがある。
 7月24日(土) 英彦山 1199m
修験道の山として出羽山、大峰山と並んで有名な山でもある。ただし、出羽山(出羽3山・月山)、大峰山は日本100名山に入る。
 英彦山近くの施設を調べると、英彦山青年の家がある。この電話番号(0947-85-0101)をナビに入れて我が家をスタート。後はナビの案内するままに行けば、英彦山近辺に到着するから駐車場などの詳しいことはそこに着いてから調べることにする。中国道を順調に進み、2時30分頃英彦山の麓に着く。
 英彦山登山は、一般的には「銅の鳥居」からスタートするが。この場所がはっきりしない。時間的にも余裕がなかったので「別所」の無料駐車場に車を入れる。すぐ前には交番もある。交番の前を進むと銅の鳥居から続く参拝路の表参道とぶつかるが、この少し手前に有料駐車場がある。1時間300円(?)。 後で分かったが、英彦山参拝のスタート地点となる「銅の鳥居」付近にも駐車場はあった。ただし、これは有料。すぐ横にスロープカーの乗り場があり広い駐車場もある。スロープカーを利用すると、歩かずして神社前に着く。最近参拝路の長い石段を歩く人は少ないらしい。

                 少々見ずらいですが・・・。左上に別所P。
       
         正面の石段を登ると登山口の標識があります。
            
       
        

             水場あり                        南岳から見る英彦山頂上
                   


                         千年は優に超す鬼杉
              
                   
                        銅(かね)の鳥居
              
 3時過ぎから登り始める。途中ポツリときたがかまわず進む。約1時間30分ほどで中岳に着く。北岳から登ってきた年配の方に出会う。頂上へはこちらからが近いようです。往路を引き返す予定だったが何となく南岳に登り、鬼杉を見物する。帰りちょっとした失敗で道をまちがえて遠回りする。舗装道路まで下り歩いていたらしゃくなげ荘という温泉のある宿泊所前に出た。なおも進むと、スロープカー乗り場前に出て、キョロキョロしていたら何と「銅の鳥居」のすぐ横にいることに気づく。ここからながい石段を歩いて別所駐車場に帰る。4時間ちょっと掛かった。しゃくなげ荘で温泉に入り、夕食を済ませ大分自動車道まで車を走らせる。高速のSA泊。

 25日(日) 背振山 1055m
 ナビで背振山頂上にセット。この横着がいけなかった(?)。背振ICで高速を下り、ナビの案内にまかせて進む。どんどん進むと、背振頂上まで・・・キロの標識。あれ~と思ったがもう遅い。結局車で頂上まで上がる。
 椎原から椎原峠を経て背振山への道を歩くつもりでしたが・・・。ナビは田中方面からの道をえらびました。
 

 頂上です。後ろは防衛省の施設。


 背振山とそれに続く山尾根には、防衛省の施設が点在しています。



 背振山登山が、背振山ドライブになってしまいました。しょうがないので次の山多良岳に向かいます。
 多良岳 983m
 多良岳へは、国道207号線の長崎街道を進み、道の駅多良を少し過ぎた辺りから山手にむかう。多良岳の標識よりも中山キャンプ場への標識が目に付く。登山口は中山キャンプ場の中にありました。

       登山口 右は経ヶ岳へ                登山口駐車場。すぐ下がキャンプ場
                 
 
 
           途中の水場                       急に立派な石段が
                 

        なぜか人気の山です                   向こうに見えるは経ヶ岳か
                   

 多良岳983mと並んだ形で経ヶ岳1076mがあるが、経ヶ岳は300名山に入っていない。なぜだろう?特にこれと言った特徴のある山とは思われません。考えられることは、交通の便がいいことと、草花かもしれない。それにしても、この日の多良岳は大賑わい。大行列でした。おかげでゆっくり登ることができましたが・・・。
 多良岳を終えて、今日3つ目となる雲仙岳を目指す。 (その4へ) 


2010年 200(300)名山北海道編(その2)ニセコアンヌプリ、狩場岳、大千軒岳

2010年07月13日 | 200名山・300名山

 さんざんな目にあった余市岳だったが、次の山、ニセコアンヌプリに向かう。この山も南西斜面が、一大スキーリゾートとなってしまっている。近年、スキー仲間の鈴木さんと昆布温泉のホテルに泊まりニセコスキーを楽しんだが、あのとき、リフトを利用して頂上を目指すパーティーがいた。そんなことを思い出しながらニセコパノラマラインを走る。国民宿舎雪秩父という変わった名前の温泉に入る。古びた宿舎だが露天風呂がよかった。汗をながした後、登山口まで移動する。
                                     五色温泉郷 左のホテルの上に登山口と駐車場が
                  

 登山口は、五色温泉郷にあるのでここの温泉に入ってもよかった。霧が出始めて何とも言えない雰囲気となる。整備された駐車場とテント場があり、車が1台停まっていた。その横で、若者が一人でホルモンを焼いていた。自分も、これからコンロ持参としようか。
 近くのホテルから、カラオケの歌声が・・・。周囲は霧。山は見えない。今日も一日が静かに暮れていく。明日の天気はどうなるだろう。
 7月6日。晴れ~曇り。ニセコアンヌプリ 1308m
                  
 早朝晴れ上がっていたのでしめたと思ったが、徐々に雲が出始めて来る。夜明けと同時に登っていたら良かったと、反省する。6時45分スタート。登山靴は濡れているので、今日はズックで歩く。ザックはナップサックとして雨具と水、それに簡単な行動食。登るにつれてガスって来る。
                             頂上小屋が見えてくる
                   
 8時頂上着。眼前に見えるはずの羊蹄山の勇姿はなく、霧と静寂が。誰もいない頂上で、なぜか久しぶりにゆったりした気持ちになる。「すべての頂には安らぎがある」とは、誰かさんの言葉だが、今日は素直にそんな気分になった。

                頂上です
                     

 下山後、すぐ下のホテルで入浴。すっきりしてから次の山、狩場山へと向かう。狩場山へは、道の駅「よってけ島牧」の道路を隔てた反対側の道を山手に入ればいい。
                   
 
途中に温泉あり。また、日本100名瀑、賀老の滝がありその入り口に広い駐車場とトイレがある。
                   
 滝はあまり関心ないが行って見る。まあまあの滝などといえば失礼かな?。遊歩道が整備されているので誰でも楽くに歩けるのはよい。滝見物の後、自動車に帰ったが、駐車場に入った途端、ブヨの大群に襲われる。足が黒くなるほどの群れだ。靴下を履いていなかったのが失敗の元。虫除けスプレーを出す間もなく数カ所刺される。かゆいのなんの。気が狂いそう。かゆみ止めの薬を塖りたくる。この季節、山で肌を出すのは良くないと改めて実感する。
 狩場山の登山口を確かめて、道の駅まで引き返す。夜をこの駅の駐車場で過ごすことにする。蚊やブヨがいなくて安心。夕暮れの海岸を歩く。塩の香と海風。繰り返す波と広がる海原。ハマナスとハマヒルガオが美しい。
                           
 ここは日本海。これで、太平洋、オホーツク海と3大洋をまわったたことになる。
 車に帰ると明日登る山に霧がかかり始めていた。
                      
                          明日登る 山に夕霧 海にはまなす

道の駅の駐車場には、いろいろな地方の車が止まる。めずらしいことに、島根県の方から話しかけられた。驚いたのは、松江市西川津町とのこと。我が家の近くではないか?夫婦で車旅行。北海道へはよく来られるそうだ。車旅行になれた方は、ひと月やふた月は平気で過ごされるようだ。

 7日、早めに登山口へ移動する。しかし、もうすでに2台の車が。単独の男性と、年配のご夫婦が話し中。間もなく二組とも山へ入って行かれた。
                 
 
 彼らに遅れること20分。いざスタートと思った瞬間。腰に着けたクマ避けスプレーが暴発。飛沫が体にかかる。このスプレーの恐ろしさはよく知っているので、一瞬恐怖が走る。シャツを脱いで濡れタオルで体を拭く。とりあえずの処置だ。シャワーでも浴びればいいのだが・・・。引き返そうかとも思ったが服を着替えて登ることにする。道は木々におおわれ日差しはない。一合目、二合目と登るうちにスプレーのかかった辺りがヒリヒリと痛みだす。我慢するより仕方がないのだが、自分の馬鹿さ加減に腹がたってしょうがない。何でこうなるのと、思いながら登る。

       頂上はまだ見えない                     左奥が頂上です

                

                  6時40分にスタートして、9時40分頂上着。

                  
 先行3名が休んでおられたがご夫婦の方は間もなく下山。単独行の方に大千軒岳の様子を聞く。クマ騒ぎのため単独での登山は危ないと警察の方に諭されたとのこと。登山道にクマの糞が散らばっていたとのことなどを聞く。登山口は、松前の方がいいらしい。男性も下山をはじめたので一人になる。

      花の時期は終わって                        イワイチョウの群落   
                  
   
 この山も、花の時期は終わったらしく期待していたお花畑もひっそりとして何だか秋のような雰囲気が漂う。これから夏を迎えるというのに。

     イワイチョウ                    フギレオオバキスミレ
  

        シラネアオイ              ミヤマキンポウゲとシナノキンバエ     

  

                                 これはくまの糞です

  

 千走川温泉で体を洗い松前町へ向かう。途中、江差町の江差追分会館を見学する。民謡で有名な江差の町も、かっては鰊漁で賑わった町だ。江差追分は、北前船などを通して全国各地に広まったようだが、民謡の追分の原点が、長野県の山奥だったとは・・・。長野県の地図を見ると浅間山と上信越自動車の間あたりに「追分」という地名がある。元は馬子唄か木こり歌か知らないが、とにく水が海に流れ込むようにして広まっていったらしい。
 夕方、道の駅「北前船松前」に着く。海に面した道の駅で、すぐ近くに松前城が見える。明日、ここから大千軒岳に向かうことにする。   

 8日、及部川沿いに進む。途中から舗装も切れるが道はしっかりしている。しかしいつまで経っても登山口に着かない。クマの糞を見る。やっと登山口に着いたがここは旧登山口とあった。登山口にあるボックスの登山届けを見るに誰も記入していない。ここから登る人はいないようだ。なおも進むと、やっと登山口。駐車場もある。 準備を済ませスタートは7時。
                 

              
 クマ避けの鈴、笛それにスプレーは、北海道の山では必需品。ただし、スプレーを持った人は見かけない。昨日、狩場岳でクマ避けスプレーは高価なので、虫除けスプレーを持っていた人がいたと聞いた。
                 
 登るにつれて道も細くなり、朝露で靴とズボンの裾がびっしょりと濡れる。見晴らしのよさそうな尾根に着くが雲が多く遠くは見えない。しばらく行くと、クマの糞。はじめはポタポタで、最後は山盛り。笛を吹きながら歩く。
 8時10分頂上に立つ。ほぼ同時に、反対側から単独の男性が。千軒から4時間掛かったとのこと。
  
                                                                イブキトラノオの咲く頂上
              
 
 松前口はゲートが閉まっていたそうだ。昨日の午後の話なのだろう。せっかくの頂上も、視界がない。単独の男性は、写真も撮らずすぐに下山された。最近晴天が続かない。頂上からの眺望に恵まれないのは残念だ。9時10分、駐車場着。眠くなるほど長い林道を、松前まで帰る。
 この日は、松前城を見学。下界は意外と好天。
                       
                        松前城は海の城 カモメ飛び交う
                              
                                
松前城にあった歳三の写真

       

 これで今回の北海道山行は終わった。カムイエクウチカウシ、神威岳、ペテガリ岳は、もっと天気が安定する8月頃に再挑戦しよう。
 この日は、函館に寄り、五稜郭を見学。立待岬で、啄木の墓にまいる。夜は、道の駅「なとわ・えさん」に車を停める。津軽海峡を隔てて、かすかに見えるのは大間の港か。
      

                                   啄木の墓カら函館を望む

        
 
 9日。今日は苫小牧港から帰松。時間的な余裕があるので昭和新山と洞爺湖を見物。店屋の主人が、昭和新山には登ることができると言っていたが、本当だろうか?。

       昭和新山                     洞爺湖   
 
        
  


2010年 200(300)名山北海道編(その1) ニセイカウシュッペ山、余市岳など

2010年07月12日 | 200名山・300名山

 2010年6月26日夕刻、小樽港着。いつものように札樽自動車道に車を走らせる。明日登る山は、ニセイカウシュッペ山1883mで300名山の一つ。

 砂川SAで夜を明かし、翌27日早朝、登山口へ。燃料を気にしながら走る。昨日、小樽で給油しとけば良かったのだが、高速のSAで給油できると思ったのが間違い。北海道のSAは閉まるのが早いのだ。(このことは知っておいた方がよい) 登山口は上川町から網走方面に少し行った国道273号線から林道に入るが、途中ゲートの鍵を開けなければならない。ナンバー式の施錠があり、事前に上川中部森林管理所上川事務所(0165-2-2001)にナンバーを聞いていたのだが、先行者が開けていてくれた。(北海道の林道にはよくゲートがあり、施錠してあることが多いので要注意) 登山口にある駐車場には車が数台。誰も出発した後だ。急いで準備をして、7時30分スタート。

                     

 晴れてはいるが幾分雲もある。道ははっきりしているし、途中途中に標識がありルンルン気分で歩けるのがいい。9時過ぎ、もう下山してくる人がいた。単独の女性。たいしたものだと感心する。 稜線から雪を頂いた大雪の山々が見える。

                      

 この辺りから、高山植物がチラホラ顔を出す。進行左手にニセイの頂上が見える。もうしばらくの辛抱だ。先に登った人たちの姿も見えてくる。 行く手に大槍が立ちはだかるように迫ってくるが、道はこの腹を巻くことになる。

                      

 9時40分、頂上着。高曇りだがよしとしなければいけないだろう。大学生らしき若者3名と出会う。どこやらの方へ縦走するそうだ。 

                      

                      

                      

    ハクサンイチゲ           ウコンウツギ            チングルマ                                  
          

 写真を撮りながら下山。11時50分駐車場まで下りる。先に登った人たちが帰りの準備をしていた。帯広の山の会のメンバーとのこと。この方たちとは、層雲峡温泉で再び出会うことになった。 給油のランプのともり始めた車でスタンドをさがす。冷や汗をかきながら何とかセーフ。給油を済ませ温泉に向かう。先ほどの帯広のメンバーと出会い、山の話をする。

 今回のメイン、カムイエクウチカウシ山(カムエク)、神威岳、ペテガリ岳についての朗報はない。沢、クマ、ゲートの鍵などいろいろ困難が予想されるようだ。それに、明日からの天気模様は良くない。 今夜の宿は、しほろ温泉(道の駅)とする。昨年利用した温泉です。今日2度目の温泉につかり夕食をとる。疲れていたので早々に車に入る。
 
 28日、天気の心配もあるのだが、とにかくカムエク登山口まで下見がてらに行くことにする。帯広市を過ぎ、道の駅「なかさつない」で休憩。途中で洗濯をすませる。昨年やはり下見がてらにやってきところなので気分的には余裕がある。地方道111号線をどんどん進む。北海道い真っ直ぐな道が続く。札内川園地やピヨウタンの滝を横目に進むとゲートにぶつかる。車はここまでしか入らない。車を停めて七の沢まで歩いてみる。

                              七の沢出会い

                   

                   

                       札内川ヒュッテ(ゲートのだいぶん手前

                               

 以前は、この七の沢まで車が入ったそうだ。巨大な蕗の中からクマでも出てきそうな雰囲気。川の音を聞きながら歩くこと1時間20分。やっと七の沢出会いに着く。カムエクの登山はここから始まる。周りの様子を確かめて帰る。車まで引き返す途中、釣り師に出会う。釣果はなかったそうだ。彼もクマよけの鈴と笛をぶらさげていた。山は、天気さえ続けば明日にも登ろうと思っていたが、無理は禁物。なにせ一泊か二泊を覚悟しないといけないから2日間の晴れ間がほしい。 気分転換に襟裳岬を見物に行く。

                               岬が見えてきた

               
                                     
                   

                    島倉千代子と森進一の歌碑

               

                                            

                    

                      日高山脈は海の中に消える

               


 明日29日、大学時代の友人落合君とアポイ岳のキャンプ場で落ち合うこととした。アポイ岳は、200名山でも300名山でもないが、花の種類が豊富な山として有名です。麓のキャンプ場はよく整備され、すぐ近くに温泉もあります。今日と明日は、ここにテントを張って旧友と一杯です。

                    

                               アポイ岳遠景
                    

 29日曇り。落合君が来るまでにアポイ岳を登っておこうと朝6時キャンプ場をスタートする。登山口には、相変わらず熊注意の看板。

                               クマ避けの鐘
                     

                    
標高の低い山だと馬鹿にしていたが意外にきつい。それでも、8時15分頂上着。遙かに襟裳岬がかすむ。花の時期はもう過ぎていたけど、いくらか残り花を見ることができた。 
    
          頂上への尾根                    振り返って

  


                            頂    上

               

            アポイアズマギク              エゾコウゾリナ                      
 
                  


            エゾルリソウ                  キンロバイ
                 

12時テント場まで帰り、アポイ山荘の温泉へ。風呂上がりに、ビールの大ジョッキを飲んだら飲み過ぎのせいか気分が悪くなった。テント場に帰ると、落合君がライダー用のテントを張っているところだった。夕刻アポイ山荘で食事。

 30日、天気は下り坂。雨がぱらつきそうなので早々にテントをたたむ。山はあきらめ岬巡りと決める。落合君と別れて霧多布岬へ。名前の通り霧多布岬は霧の中だった。岬の下は太平洋。波の音が聞こえた。

               

                      
                

                       

                 
 途中、あやめが原を見物したりしながら道の駅「スワン44ねむろ」に着く。雨降る。

 7月1日。今日も天気は良くないらしい。朝から雲が多い。春国岱という湖・湿地帯を見物して納沙布岬へ。天気が良ければ北方の島々が見えるのだが残念。ゆでたての花咲ガニを喰う。一匹三千円近くしたが美味かった。

               
       
               

               

この頃より雨が降り始める。自転車で旅行している若者を見かける。確か昨日泊まった道の駅でも見かけたが、雨の中さぞ大変だろう。
 知床半島は、100名山の羅臼岳登山以来となるが、斜里町側しか知らなかったので今回は羅臼側を見物する。道の駅「知床・らうす」で時鮭定食を食う。分厚い鮭の切り身が焼いてあった。道の駅には、北方の海の幸がどっさり。特に、花咲カニがひときは目を引く。天然風呂「熊の湯」で汗を流し、知床半島の果てを見に行く。車道は途中まで。そこから先は歩きとなるが、もう一般人の行くところではない。まさに冒険の世界。半島の突端まで一日はかかりそうだ。時々冒険者がいるようだが、しっかりした準備が必要だろう。山や崖を巻いたり、時には泳いだりしなければいけないとのこと。クマに出くわすことも多いという。しかし、魅力的だ。機会があれば歩いてみたい。

                       びっくりするほど簡素な温泉
     
               
                       
                        前はオホーツク

                

                            車はここまで

               
              

 夜は、知床峠の駐車場で泊まる。相変わらず霧。眼下に広がる素晴らしい景観もなにもあったものではない。漁り火でも見えないものかと目をこらしたが、すべては霧の中。あきらめて静かにやすむ。

                
 2日。斜里町の博物館を見学して、一路宗谷岬を目指す。途中、海岸線に群れ咲く美しい風景を見る。原生花園だ。夕刻、道の駅「さるふつ公園」に着く。朝に知床峠を出発して、夕刻猿払。途中休憩などもあったが、一日の移動距離はこんなものか。道の駅には、キャンプ場もありよく整備されている。温泉も食堂もある。キャンパー用のトイレが素晴らしくきれいなのにはおどろかされる。今夜は、テント泊。

                

 3日。天気は幾分回復してきた。宗谷岬につく。最果ての地だが、観光ずだれをした感がある。間宮林蔵の像と歌碑「宗谷岬」があった。歌碑に近づくと歌声が・・・。ただし、ダ・カーポのものではなかった。野寒布岬に寄ってから近くの温泉に入り、今日もひたすら車を走らす。天気も回復してきたようなので明日は山に帰ろう。余市岳が近い。近いと言ってもかなりの距離。道の駅「おびら鰊番屋」で鰊定食を食う。なかなかのものだった。「番屋」を見学する。海岸縁に銅像があるので行って見たら松浦武四郎のもの。この人も大変な人物だ。留萌で洗濯をする。コインランドがみつからず苦労する。若い頃、駅前の寿司屋で一杯やったことがあったので行って見たら、寿司やではなくなり食堂になっていた。夕暮れ迫る中、道央自動車道に入り岩見沢SAで夜を迎える。

 4日。今日は余市岳登山。余市岳の麓にはスキーリゾート「キロロ」がある。登山口へは、ホテルの横の車道から入るのだが、ゲートがしまっているのでここから歩くことになる。

                   
なぜか蚊が多い。早々と下山者に会う。この人、頭からすっぽりと蚊避けの網をかぶっていた。事情をよく知った人なのだろう。1時間ほどで登山口へ。ここから山道に入る。近くにリフトもあるが、今は休み。

                   
この頃から雷鳴を聞く。またも天気は下り坂のようだ。あえぎながら尾根に出て新道と交差する。新道は、途中までリフトを利用するらしい(?)。彼方にリフトの終点が見える。


                    
                    
                         頂上とまちがえそうです

                       
                     
          11時40分頂上着。新道から登ってきたらしい団体さんが食事中。

              

 相変わらず蚊がいるので簡単なエネルギー補給の後下山とする。新道との分かれ辺りから雨が降る。間もなく本降りとなり、道が小川のようになる。おかげで蚊はいなくなったがものすごい雨。雨と汗でびしょ濡れになりながら必死で下る。谷川沿いの登山道が水に沈みそうで心配。やっと谷川まで下りる。水は濁り、水量も増えてはいるがまだセーフ。山手側から小川のように水が落ちて来るのを避けながら何とか登山口まで下り、山小屋の下で雨宿り。間もなく雨も小降りとなる。濡れた靴下を絞っていたら、また蚊が出始める。13時30分下山。雨はすっかり止んで青空。 蚊と雨の余市岳だった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

 


2010年 200(300)名山九州編(その2)尾鈴山、由布岳

2010年06月07日 | 200名山・300名山

 尾鈴山         雨の日は 傘さして登る

 6月1日、雨。昨日、夜半から雨が激しくなる。朝方も降っていたので山はあきらめようと思っていた。注意報も出ている。しかし、明るくなるにつれて小降りになったので出かけてみることにする。小ぶり程度の雨なら、市房山の深田久弥ではないが登るつもりで・・・。日向街道を南下し、美々津を過ぎ、都農町から山手に入る。美々津は、神武天皇が東征の船出をしたと伝えられる土地。途中、尾鈴山瀑布群の標識を見る。どうも尾鈴山は、滝で有名らしい。100名瀑もある。雨の中、何とか尾鈴キャンプ場に到着したが、肝心の登山口が見当たらない。雨の中、車で右往左往する。  駐車場に案内板はあるのだが、登山口への入り口がはっきりしない。行きつ戻りつしていたら、新しくできた道路のすぐ横に、草むした古い道路を発見。現在あまり使われていないらしいがしばらく進むと道はっきりしてきた。相変わらず雨は降り続けていて、山の斜面が滝のようになってきた。

  雨のため水がしたたり落ちてきます。これは滝ではありません。

  

 山崩れ、落石などが心配だがとにかく進むことにする。しばらく進むと、何と、車が一台止まっている。雨の中、年配のご夫婦が引き返される所だった。登山は中止されたらしい。ここは三叉路となっていて、何台かの車は停められるのだが少し狭い。普通は、ここまで車は入れない。 道路脇にボックスがあり、登山届けを記入するようになっている。記録簿を見ると、今日は誰も登っていない。ただ、山崩れの危険注意と、最近崩れた箇所の写真があった。

 山が崩れた所。三叉路のすぐ横でした。

  

 車を安全そうな場所に停め、雨具を着る。そして、傘をさして出発する。時計は10時30分をさしていた。すぐに登山口に着いたが、道路には雨に押し流された石が散らばり、まるで河原のような状態だ。そういえば、口蹄疫の流行で山開きは行われなかったようだ。道路が整備されていないのはそのせいか。

 登山道入り口。だいぶあれていました。

   

 1合目までは急な階段状の登山道が続く。合目合目にきちんとした標示があり、合目間の時間を計ってみたら10分弱。ガイドブックには、三叉路から頂上まで約2時間とあったから、合目間を10分ならちょっと早いペースということになる。道ははっきりしているので迷う心配はなさそうだが、昨夜からの雨なので山はだいぶ水っぽくなってきている。防水に強い靴を履き、雨具もきちんとしているので体を濡らす心配はない。ただ、車のことが気になる。道路に落石などが発生していないだろうか。

 9合目辺りから視界が開け、9合5勺に展望台がある。頂上はもうすぐそこだ。

 展望台にあった案内図。周囲の山々のことが説明してあります。今日は何も見えなかった。

  展望台です。

 

  

 

 頂上です。眺望はありません。

 

 帰る途中、車から。これらは小さい滝です。尾鈴瀑布群のNO1は、矢研の滝。日本100名瀑の一つですが見ることができませんでした。

 

 

 安全地帯まで逃げるように移動する。落石・山崩れに遭わなくてよかった。道の駅まで帰り、次の山、大崩山について調べる。どうも、傘をさして登れるような山でないことだけはたしかだ。「初心者だけや単独登山は絶対に避けたい。」、「川が増水したときや雨が予想される時は中止または引き返す勇気が必要だ。」、「九州では一番難しい山のひとつである。」等々あり、気後れしてこの山は今回は中止。天気も良くない。

      詩人がうたうふるさとの山2首

             ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ
 
                        秋もかすみのたなびきて居り    牧 水

             さわやかな小春日和の姫神山

                        薄霞していともやさしき        啄 木

               
 少し遠くなるが、由布岳をめざす。この日は、大分自動車道の別府湾S.Aに泊まる。眼下に別府湾を見下ろす景観は、国内最高とか何とかのうたい文句が目に付く。

 6月2日(火) 曇り

 湯布院の町を過ぎると山なみが広がる。この辺り一帯はちょっとした観光地。近くに名所が多いからだろう。9時前、由布岳登山口に着く。車が何台か止まっていた。天気はあまりパッとしないが昨日のような雨降りではない。ただ、頂上は雲でおおわれていて見えない。山は、我が島根の名山三瓶山に似ている。9時10分、ゆっくりスタートする。

  登山口の駐車場から。バス停もあります。

 

 頂上は雲の中。

 

 気持ち良いなだらかな道が続く。ゆったりとしたジグザグの道だ。これで頂上に着くのだろうかと心配なほどなだらかな登山道だ。この山には、ミヤマキリシマの群落を期待していたのだが、点々としか咲いておらず期待はずれ。

 ミヤマキリシマ。花も葉も小さい。群れて咲く様はど迫力があるのだが。

 

 マタエに着く。西峯(頂上)と東峰の中間地点。どちらの頂にも15分とある。 

 

 ここまでは緩やかな登りだった。しかし、最後に西峰の岩登り。ガスも出始めて何か迫力がありそうです。山があまり馬鹿にするなと怒っているような感じ。鎖場もあるのでストックを置いてまじめに登ると頂上です。

 

 

 

 こちらは東峰の頂。こちらの方が何かと立派。西峰は岩登りがあり危ない感じがします。東峰は安心して登れます。高さはあまり変わらない。

 

 由布岳からの眺望はありませんでした。13時05分に下山。まだ早いので近くの鶴見岳に登る。この山は、別府温泉の裏山にあたり、ロープウエイもあってミヤマキリシマが咲き観光客も多い。300名山でもある。別府湾を眼下に眺めることができます。ただ、観光づれをした山です。帰りは、湯布院のちょっと手前で温泉に。由布岳を見上げながら汗をながす。「七色の風」というホテルの中の温泉だが、日帰り入浴が可能。広い浴槽を一人で貸し切りでした。ボーイさんの対応もよくて大変いい気分になりました。

 鶴見岳頂上。

   

   

   鶴見岳より別府湾を見る。

   

 湯布院から望む由布岳。かすかに頂上が・・・。人力車があります。「麦焼酎由布岳」を買って帰りました。

   

 

 結局、九州の200名山は、大崩山、英彦山、雲仙岳の3つが残った。天気の良さそうな日に出直すことにする。300名山はまだいくつかあるが急ぐことはない。