近頃起床時間が怪しくなってきた。前夜の寝入る時間が10時30分~11時の間はほぼ変わらない。それから1回めに起きるころ、枕元のラジオをつけ深夜便を聞きながら時間をはかる。このNHKラジオ深夜便はそれぞれ〇時台は何の放送があるような決まった流れがある。例えば3時台に目が覚めスイッチを付けるとにっぽんの懐かしい唄、自分が小学生や中学生の時によく聞いた歌が耳に入ってくると、お~3時過ぎてるなぁ・・としばらく聴いていると、時々曲目が変わる深夜便の歌と称して流れてくるともう節目の時間だとわかる。それから全国のお天気がある。鹿児島方面の気温は、天気は・・、東京は・・、札幌の最低・最高気温は何度なのだろうかと、子供らの家族が住む地域に想いを寄せていると、突然4時のニュースがある。そして、まだ4時、起きるのは早いなぁ・・4時~5時の間のトイレタイムのこと、行こうか行くまいか・・。と逡巡しながらそのままラジオを聞いていると、ピアノが奏でる72侯となる。先日聞いたのは4日~8日は「東風凍を解く」。はるかぜこおりをとく・・と云ってるが、東風は「はるかぜ」ではなく「こち」ではなかったかなどと疑問符をつけたまま目をつむる。72侯によれば次は9日から「黄鶯鳴く」だそうだ。
やがて「明日のことば」が始まったころ、やっぱりトイレへ行こうと一大決心するかのように、起きる。インタビューの放送。医者の話など、例えば糖尿病がどうだとかいうのは、もうエエ、おんなじことしか言わん。今朝はあまり興味がないような話につき、ラジオを消そうと、もう一度寝返りを打つ・・すると「今日の誕生日の花」は・・と流れてくるとついつい聞いてしまう。
今日の花は姫踊り子草:花言葉は快活 陽気 。この草は春の七草ホトケノザによく似ておる。
もうこの時間になると5時が近い。起きようか・・と、でも布団の外は寒いしナァ・・でウトウトしてしまう。2度寝に入る。その次に目覚めるのは階下からドスンドスンと聞こえる音から。1年365日毎朝奥さんはラジオ体操を欠かすことがない。その体操のジャンプする音が2階の布団の中まで響いてくる。なにせ事故以来の身体障害で左右の脚長さがあり、そのために椅子に手をやりながらジャンプしている。ジャンプし床に降りる脚の音にずれがある。それを聞きながら、お~まだ6時30分過ぎた頃を確認。もう少し寝ようか・・と3度寝に入る。外は寒いしナァ・・・・で突然怒鳴り声が響いてきたのは8時ジャスト。「今日はお仕事の日じゃなかったの~」そ-やった。今日は出勤日やったワイ。
さむい日々が続いておる。花が少ない。道端の花さえも。でも旬に咲くのは、水仙。
出所者の就労定着が問われている。一般の求職者が就職をし、すぐに辞めても個々に問題をはらんでいるにしても社会的に問題視されていない。しかし、出所者の場合、問題にしなければならないことに、再犯のことがある。再犯し刑務所に舞い戻る受刑者の中には仕事をしていない人の割合が多い。まっとうな市民生活をする前にまっとうな就労生活ができない人たちである。
自分たちスタッフも継続調査をしている。仮釈放であれ満期釈放であれこちら側で斡旋をし就職先を決めて塀から出て行っても1~2ヶ月の就労ではなく、特に満期釈放者なれば、決めている会社に出向くことのない人もいる。約束が守れない。また1日行ってすぐ辞めるケースも珍しくはない。仮釈放者であればまだ刑期満了までに法の目がある分真面目に就労するものの、刑期満了の日が来ると突然手のひらを返すような人も珍しくはない。どう考えてどう対処しようかと考える。20歳を超える人たち、子供ではない大人である。
私が属する部門の年のひと回り違う上司が、私の机の横にあるソファにコーヒー片手にやって来て相談の時間となる。今年度自分たちスタッフが出所前に受刑者の就職を決める成功事例は、全国の矯正施設の中では低くないだろう。他の施設からの問い合わせや出張にやって来られて見学研修の予定も年度末までに入っている。
浮かれることもないが、割合でいえば、事業主さんに遠方から来て頂きそこに就職を決めてもすぐに辞める、あるいは出社さえしないケースが1/3の33%もある。2/3の中には事業主さんからとてつもないほど誉められる人もいるにはいるが・・・。
私たちの相談員の立場を説明する。調理人の立場に例える。料理の材料を出すのは職員さんの仕事。この施設には500名以上の収容者=原材料とする。うち何割かは利用不能がいる。年齢が極端に高い、障害を持っており病院につなぐことが優先される、社会福祉につなぐことが重要である・・そのような人が1割いる。またそれに準ずる人が1割いるとすると、残りの8割が就労可能な人=利用可能な食材料とする。その材料は自分のような立場の身分では引っ張り出すことができないから、そこは職員の仕事となる。でも、矯正施設では伝統的に矯正することが優先につき、苦役労働ではないが刑期中の懲役労働となり、将来の就労について今を以てする施策は慣習的にない。ないから出所後の仕事についての各個々人の情報や教育は少ない。そこで自分たちスタッフには材料をたくさん出してほしいと要望する、
調理人の例えでの説明。原材料が例えば今の旬のダイコンであれば、どうやってダイコンの美味さを引き出せようか、白菜の持つウマさをどうやって引き出せばいいか、カシワ肉は、豚肉は、魚は、・・など材料それ自身が持つそれぞれに異なるうま味を引っ張り出すのは私たち相談員の仕事であること。そのうま味をどう調理すればお客さんに満足して提供できるか・・を考えるのが自分たちの仕事となる。そしてこのような客に提供して欲しいと、客を探してくるのはハローワークの仕事ですよ。・・と上司に話しかける。
で、すぐに辞めるような出所者がいるのは自分たち調理人(=キャリアカウンセラー)が未熟な証拠であり、失敗であること・・だから上司さんの問題ではなく自分たち相談員の問題でしょう・・と。
つまり相談時間を重ねながら玉ねぎの皮をむくほどに希望のコアを引っ張り出さないと・・。私の前に座り相談をする受刑者は、私の顔を見て、すぐに騙せるだろうくらいの値踏みをしてくる。たたかうというのはこのようなこと。調理をする私の包丁は研ぎ澄まされてるんだろうか、鍋から漂いくる匂いでウマいと判断できる力が自分にあるか、材料が焼ける匂いと焦げ付き具合で今だと、てんぷらを揚げるその音だけで今が最も持ち味を引っ張り出すことができると判断する力が削がれてないか・・と思う。
やがて「明日のことば」が始まったころ、やっぱりトイレへ行こうと一大決心するかのように、起きる。インタビューの放送。医者の話など、例えば糖尿病がどうだとかいうのは、もうエエ、おんなじことしか言わん。今朝はあまり興味がないような話につき、ラジオを消そうと、もう一度寝返りを打つ・・すると「今日の誕生日の花」は・・と流れてくるとついつい聞いてしまう。
今日の花は姫踊り子草:花言葉は快活 陽気 。この草は春の七草ホトケノザによく似ておる。
もうこの時間になると5時が近い。起きようか・・と、でも布団の外は寒いしナァ・・でウトウトしてしまう。2度寝に入る。その次に目覚めるのは階下からドスンドスンと聞こえる音から。1年365日毎朝奥さんはラジオ体操を欠かすことがない。その体操のジャンプする音が2階の布団の中まで響いてくる。なにせ事故以来の身体障害で左右の脚長さがあり、そのために椅子に手をやりながらジャンプしている。ジャンプし床に降りる脚の音にずれがある。それを聞きながら、お~まだ6時30分過ぎた頃を確認。もう少し寝ようか・・と3度寝に入る。外は寒いしナァ・・・・で突然怒鳴り声が響いてきたのは8時ジャスト。「今日はお仕事の日じゃなかったの~」そ-やった。今日は出勤日やったワイ。
さむい日々が続いておる。花が少ない。道端の花さえも。でも旬に咲くのは、水仙。
出所者の就労定着が問われている。一般の求職者が就職をし、すぐに辞めても個々に問題をはらんでいるにしても社会的に問題視されていない。しかし、出所者の場合、問題にしなければならないことに、再犯のことがある。再犯し刑務所に舞い戻る受刑者の中には仕事をしていない人の割合が多い。まっとうな市民生活をする前にまっとうな就労生活ができない人たちである。
自分たちスタッフも継続調査をしている。仮釈放であれ満期釈放であれこちら側で斡旋をし就職先を決めて塀から出て行っても1~2ヶ月の就労ではなく、特に満期釈放者なれば、決めている会社に出向くことのない人もいる。約束が守れない。また1日行ってすぐ辞めるケースも珍しくはない。仮釈放者であればまだ刑期満了までに法の目がある分真面目に就労するものの、刑期満了の日が来ると突然手のひらを返すような人も珍しくはない。どう考えてどう対処しようかと考える。20歳を超える人たち、子供ではない大人である。
私が属する部門の年のひと回り違う上司が、私の机の横にあるソファにコーヒー片手にやって来て相談の時間となる。今年度自分たちスタッフが出所前に受刑者の就職を決める成功事例は、全国の矯正施設の中では低くないだろう。他の施設からの問い合わせや出張にやって来られて見学研修の予定も年度末までに入っている。
浮かれることもないが、割合でいえば、事業主さんに遠方から来て頂きそこに就職を決めてもすぐに辞める、あるいは出社さえしないケースが1/3の33%もある。2/3の中には事業主さんからとてつもないほど誉められる人もいるにはいるが・・・。
私たちの相談員の立場を説明する。調理人の立場に例える。料理の材料を出すのは職員さんの仕事。この施設には500名以上の収容者=原材料とする。うち何割かは利用不能がいる。年齢が極端に高い、障害を持っており病院につなぐことが優先される、社会福祉につなぐことが重要である・・そのような人が1割いる。またそれに準ずる人が1割いるとすると、残りの8割が就労可能な人=利用可能な食材料とする。その材料は自分のような立場の身分では引っ張り出すことができないから、そこは職員の仕事となる。でも、矯正施設では伝統的に矯正することが優先につき、苦役労働ではないが刑期中の懲役労働となり、将来の就労について今を以てする施策は慣習的にない。ないから出所後の仕事についての各個々人の情報や教育は少ない。そこで自分たちスタッフには材料をたくさん出してほしいと要望する、
調理人の例えでの説明。原材料が例えば今の旬のダイコンであれば、どうやってダイコンの美味さを引き出せようか、白菜の持つウマさをどうやって引き出せばいいか、カシワ肉は、豚肉は、魚は、・・など材料それ自身が持つそれぞれに異なるうま味を引っ張り出すのは私たち相談員の仕事であること。そのうま味をどう調理すればお客さんに満足して提供できるか・・を考えるのが自分たちの仕事となる。そしてこのような客に提供して欲しいと、客を探してくるのはハローワークの仕事ですよ。・・と上司に話しかける。
で、すぐに辞めるような出所者がいるのは自分たち調理人(=キャリアカウンセラー)が未熟な証拠であり、失敗であること・・だから上司さんの問題ではなく自分たち相談員の問題でしょう・・と。
つまり相談時間を重ねながら玉ねぎの皮をむくほどに希望のコアを引っ張り出さないと・・。私の前に座り相談をする受刑者は、私の顔を見て、すぐに騙せるだろうくらいの値踏みをしてくる。たたかうというのはこのようなこと。調理をする私の包丁は研ぎ澄まされてるんだろうか、鍋から漂いくる匂いでウマいと判断できる力が自分にあるか、材料が焼ける匂いと焦げ付き具合で今だと、てんぷらを揚げるその音だけで今が最も持ち味を引っ張り出すことができると判断する力が削がれてないか・・と思う。