YS Journal アメリカからの雑感

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デトロイトオートショー

2010-01-19 05:01:44 | アメリカ自動車業界
今日、デトロイトオートショーに行って来た。去年よりずっと良いという評判は間違ってはいないのですが、往年の賑わいを知っている身としては寂しい限りです。昨年に引き続き、地下は電気自動車試乗会場になっており、大型SUVから超小型までが、静かに走っておりました。

その中で、やはりフォードが一番力を入れており、展示面積が一番広く、ディスプレーも他に比べると凝っていた。

では、思いつくままに感想を。(電気自動車の将来については別ポストで)

電気自動車、ハイブリッド、2人乗り系小型車等,所謂小さい車一杯出ていたが、この辺の超小型車は、動力が電気でもエンジンでも、今後売れるとは思えない。同じ小さい車と言っても、オートバイの屋根付き系、車として小さい系があるのだが、どちらにしてもアメリカ市場は受け入れないと思う。一定のシェアは獲得するだろうが、決してメインにはならない。その上,電気自動車やハイブリッドで高いとなれば、破壊的に致命的。

傍証としては、あのトヨタがSionで苦労している事を挙げておく。2009年の販売数(57,961台)は、トヨタのアメリカ全体の3.2%、2008年の5.2%から減少している。若者にアピールしなかったと言う事もあると思うが、決定的に小さすぎると思う。カローラサイズまでではないかと思う。これより小さい車の市場はトヨタヤリス(とSion)、ホンダフィットで埋められていると思う。規模は最大で20-30万台程度だと思われる。すでに拡大の余地は限られている。

小さいと言えば,クライスラーの希望の星、Fiat500も小さすぎてお話しにならない。このプラットフォームを使ってアメリカ向けの新しい車を設計しているそうだが、大きくするのに限界があると思う。

話題のGM Voltはまあ、まあ。サイズ的にはトヨタプリウス位。結局このサイズがアメリカでそれなりに受け入れられるミニマムサイズだと思う。

ホンダにオデッセイが展示されてなかったが、トヨタは対照的に新モデルのシエナミニバンを何台もおいてあった。クライスラーがグズグズしていて、オデッセイのフルモデルチェンジまでに一気にシェアを奪うつもりであろう。タイミングが良い事もあるが、結構良い作戦である。相変わらずスタイルはいまいち。

どの日本車メーカーの乗用車のヘッドライトとテールランプのデザインが、なぜかスバルっぽくなっていた。ひょっとすると今日本の車デザインは、群馬もしくは東京三鷹が主流なのか?

ニッサンは昨年に続いて出展せず、正解かどうかは分からず。(シカゴやロスは出るのでしょうか?)

地味ではあるが、韓国車(Hyundai, Kia)は品揃えも改善しており、価格が手頃なので今後も順調にシェアを拡大するだろう。

昨年で懲りたのか、今年は、中国製は一社(名前忘れた)のみ。車体デザイン、製造品質などちょっと見た目でもお話しにならず。純粋中国メーカー(そんなメーカーあるのかしら)のアメリカ進出は、坂の上の幻だと思う。日本、欧米メーカーの中国製もしくは車の家電化による本質的な業界革命の後であろう。そういえば、去年に比べて中国人の入場者が極端に少なかった気がする。

パッとしないオートショーだった。デトロイト在住の人は行って損はないと思うが、推薦する程でもなし。

入場料$12、会場(コボホール)の屋上駐車場に難なく入れて$10(モコモコで邪魔な上着も車に置いていけた)、10時に入って1時には出てました。


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6 コメント

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iQは良くできたクルマ (Drなかがわ)
2010-01-20 01:20:36
昨年3月にiQ(1000cc)を通勤クルマへとエコ替えしました。3気筒1000ccのこのクルマはSモードで高回転維持して走るよりも、エコモードでストール気味にしたところから一気にフルスロットルしたときのゴロゴロした感じの吹き上がり方が実際の加速はそれほどでもないのに、なにやらストレートシックスの吹き上がりみたいでとても気持ちよいクルマです。当初はエコだけが理由の選択でしたがハンドリングもクイックでとにかく「最高ッ!」という感じです。目線の高さもあり若干前のめりで運転すればスクーターみたいな感じもあります。家族4人で乗車して、狭い狭いといいながら出かける様は、自分の子どもの頃を思い出してそれはそれで風情があります。
当時、フィアット500とIQとインプレッサSRXという支離滅裂な3台にまで絞り込み、そのハンドリングの楽しさで選びました。フィアットは相変わらずチープな感じが気に入りませんでしたし、スバルはいつの間にこんなダルなトヨタみたいなクルマになったの?といった感じでiQに落ち着いたのです。確かに日本でもすれ違うことはあまりありません。せいぜい1週間に1回くらい見かける程度でしょうか。
ちなみに通勤使用で17.2km/l、ぶん回しても15.4kmで通勤が楽しいおもちゃです。
車への入れ込み方 (ysjournal)
2010-01-20 19:47:28
ポルシェやフェラーリが買えないこともあるが、車に感情的な思い込みがありません。完全に下駄感覚になっております。
おもちゃと考えれば、又、脳の別のところで車との関係が出来ますね。
貴コメントで、日本の車を取り巻く環境と日本メーカーのアメリカでの成功が乖離してきているような感じがしました。
従来のイメージなら、iQではなくクラウンあたりですよね?
そのとおり? (Drなかがわ)
2010-01-20 20:29:29
3200ccのMのドイツ車からの乗り換えで全く不満なし。私自身目から鱗でiQライフを楽しんでいます。
PS
無理すれば、Pには届くけどFは無理。それでもPには意地でも手を出さない自分の中のメンタリティは、やはりブレインマシンインターフェースのどの部分に意味を見いだすかという感性尺度なのでしょう。
PS
社会はひとつの価値観で動いていないと言うことが理解できただけでもYSjournalの異国からの発信は☆☆☆☆☆です(*^_^*)
コメント感謝してます (ysjournal)
2010-01-20 21:42:29
メカ、結構好きなのですが、いつも関係が冷めています。(人間関係にも通じると考えると、複雑な心境ですが)
貴コメンツ(複数形です)、改めて、車の喚起性を考えるきっかけになりました。
日本メーカーのベースである日本の車事情が、私の想像できないことになっているのにも驚いています。そして、アメリカ市場の特殊性も、今更ながらに再認識しました。
今後とも宜しくお願いします。
小さい車は売れない (Lilac)
2010-01-22 18:33:59
デトロイトの記事更新、楽しみにしておりました。
書かれてることがとても納得感あります。

一つ目は小さい車のこと。
アメリカに住む前は、小さな車が何故売れないのか良く分からなかったですが、こちらにきて感覚的に分かるようになりました。
風景に合わない、ですよね。
論理的に言えば、車を取り巻く全ての環境(道路幅、駐車場から車に積むものに至るまで)が大きな車仕様になってますから、小さい車である必然性も十分性も薄い。
そういう意味でトヨタがSUVの開発・販売をやめないという判断は正しいなと報道を読んで思いました。

もうひとつ、中国のグローバル進出がまだ先、というのも同じ感覚を持っています。
先進国のユーザのレベルには全く達しておらず、技術の成長も遅い。
ついでに言うと、中国の消費者の発達は中国車の発達よりも速く、早い段階で欧米日のレベルの車を求めるようになるだろうから、中国メーカーはDomesticでも苦労するだろうと私は見ています。

さらについでですが、タタの品質なんてそれ以下でしょうから、私もタタがグローバル進出なんてありえないと考えてます。
ただしインドやそれ以下の発展途上国では売れうると考えてますが。(ここはご意見が合わなかったところですよね)
小さい車 (ysjournal)
2010-01-23 02:19:03
小さい車、インドやそれ以下の発展途上国で売れないとは言っていませんよ。日本メーカーが手を出さなくても良いと言ってます。(ここが意見が違うところです)どうしても、屋根付き4輪オートバイとしか思えませんので、コアから離れていると思います。

トヨタのフルサイズトラックの熱の冷め方は、もう一つのコメントしてますが、やめないけど、自信なくしているみたいです。もったいないと思います。(未だこの辺のアメリカ市場は理解できてないようです)

お忙しいのに、コメントありがとうございます。ご活躍を祈っております。

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