YS Journal アメリカからの雑感

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中国製鋼管のタンピング認定

2010-01-04 10:50:14 | アメリカ経済
昨年暮れに、米政府(The U.S. International Trade Commission)は、中国製鋼管のダンピング認定をし、追徴課税を決定した。中国製タイヤに続く、認定で、にわかに米中間の貿易摩擦が緊張してきている。中国政府もWTOに提訴するとともに、アメリカ製自動車や鶏肉のダンピングについて調査を始めている。

中国製タイヤ、鋼管とも、アメリカの鉄鋼労働組合が積極的にロビーを行った末の、ダンピング認定であった。

民主党政権の重要な基盤が労働組合という事もあり、民主党政権の時は保護主義的な政策が取られる傾向にある。しかし、一体何のために、中国を刺激する必要があるのであろうか?

タイヤについては、中国製は廉価版という事で、アメリカ国内品とは直接バッティングが無く,南米等からの輸入品が有利になるだけという憶測でした。私も、オバマ政権として労働組合の顔を立てる意味合い位にしか思っておりませんでした。

鋼管は少し事情が違う様な気がしています。労働組合に対する優遇には変わりないんですが,鋼管の買い手,石油、ガス業界にプレッシャーがかかります。年間輸入額$2.7ビリオン(約2千400億円)との事なので、追徴分6%($144ミリオン)が増税、企業に取ってはコスト増となります。

中国との緊張が高まっても、国内の支持母体と敵(環境問題の元凶?)に強いメッセージを出していると考える事も出来ます。

一方では、中国に対して何らかのメッセージを出しているとも考えられます。(でもそう考えると、本丸は何なのでしょう、貿易絡みかそれともその他か?)

どちらにしても、ただの偶然とは考えられません。

私としては、オバマ政権の傾向として国内向けの感じがしますが,現時点では(というか私の私の頭では)、ハッキリしないので、今後も動向を注視して行きます。