暘州通信

日本の山車

01276 蓋井島の「山の神」の森

2008年04月01日 | 日本の山車
蓋井島の「山の神」の森
響灘に浮かぶ本州最西端の島、蓋井島に伝わる古俗豊かな祭事である。
 山の神は一の山、二の山、三の山、四の山とにあって、島中の各戸はそのいずれかに属している
 七年に一度十二月中の辰と戌の日を選んで四日間催されるのが「山の神神事」で。山の神の森は昭和三十五年国の重要有形民俗文化財に、山の神神事は同34年、記録作製等の措置を講ずる無形の民俗資料として選択されている。
 山の神神事は、当日、森から手頃な枯れ木をたくさん取ってきて一間半くらいの長さに切り、それを円錐形に立ててなかに七五本の御幣をいれ、七五尋の縄で外からぐるぐる結い回す。
 その前に古壷(口径四寸、胴径一尺、高さ一尺三寸)一個を備えるが、この壷が山の神の壷といわれる。
 さらに壷には朴の木の割膳七五に七五種の鏡餅、生魚一掛(いまでは生きた海老を栄螺の殻に入れる)とともに一掛の人形を供える。
 祭事はそれぞれの山の持主が当屋となって引受けるしきりである。各山ごとにそれぞれの組がシメ繩、神の膳と箸ン荷俵(餅をつめるもの)腰掛俵(麦三升五合あるいは三升七合)を入れるが、これは神迎えのとき御幣が立でられ神のよりしろとなる。  
祭の第一日、各当元家に一の山から順に神迎えをする。
 各当家における神事が終ったあと(第三日目に神送りする。
七五の浜の小石を座敷にまき、太刀を抜いて空を切ってまわり、祓串で各部屋を祓ってまわり、最後に空臼を三度つく。     
 森に神を送りこんで、ここで鎮めの神事がある。餅が供えられると、その餅を他の山の組の者がうばいにきて格闘が起こる。ほかの山の餅をうばうと縁起がよいとされているもので、この格闘のはげしいほど山の神がよろこばれるともいわれている。   

 神供の種類 
山の幸―一山いもと大根 
海の幸―昌えび二、三尾、鯛一尾。塩の花 
餅―月形、日形の大餅一二の小餅 神酒、甘酒、米、餅(森に供えるもの) 

一の山は第二日の昼。
ニの山は第三日の昼。
三の山は第三日の晩。
四の山は第四日の朝でそれぞれ当元家で馳走する。したがって一、二、三の山は神のいる間の神人共食であり、四の山は直会になる。また、冬山では「つくりものといってていろんな人形、その他の飾ものが秘密裡につくられる。これは一種の神賑わいで、のちの山車に変遷したものだろうといわれている。
 この山の神の四つの山(森)は、国の重要有形民俗文化財に指定されている。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿