暘州通信

日本の山車

◆27334 水系と歴史文化

2010年04月24日 | 日本の山車
◆27334 水系と歴史文化

 各地を歩いていて気づくことがある。水系が変わると風俗、習慣、言語、人情や気質までもが微妙ことなってくる。
 たとえば、富山県の神通川、この河川は高山市(岐阜県)市中を北部に流れ、同じ岐阜県東部を北アルプスに水源を持つ高原川と合流して神通川となる。合流地点は富山県の猪谷地域のようだから、正確には岐阜県には神通川は存在しないのかもしれない。神通川はさらに北部に流れて富山市内を流れ、岩瀬で日本海にそそぐ。だが、宮川(神通川上流)と神通川はおなじ水系であり、いまも多くの共通の歴史文化がある。
 だが面白いことに、神通川の呼び方は、岐阜県では「じんつうがわ」であるが、富山県の方たちの呼び方を聞いていると「じんづううがわ」で、「通」が濁音となる。同じような例は「庄川」でも見られる。
 近年の合併で「荘川村」は高山市になったが、この地域に水源を持つ荘川のよみは「しょうかわ」、その下流域地域は「しょうしらかわ」と清音でよばれるが、富山県にはいると「しょうがわ」と神通川と同じように濁る。
 北アルプスの「穂高」は長野県の呼称では「ほたか」であり、安曇野や松本平あたりではみなこのようによんでいるようである。
 しかし、高山市やその近隣では「ほだか」と濁る。長野県と同じように「ほたか」とよべばよさそうだが「北穂高」は「きたほだか」、「奥穂高」は「おくほだか」、「前穂高」は「まえほだか」であり、ひとつの例外もない。荘川(庄川)や宮川(神通川)とおなじように清音で呼べばよさそうであるが「穂高」の呼称は「ほだか」と濁音でよんでいる。