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行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

銭葵(ぜにあおい)

2009-06-19 22:47:59 | Weblog



姿形から葵と思われる花が,
古びた小さな民家横に咲いていた.
アオイ科ゼニアオイ属,葵の一種,銭葵(ぜにあおい)である.
銭葵はヨーロッパ原産,江戸時代に渡来している.
花が江戸時代の銭ほどに小さく,
葉が葵(立葵)に似ているので銭葵と名が付けられたとある.
江戸時代に銭と葵,こうくれば,時代劇好きとしては,
銭形平次と水戸黄門,暴れん坊将軍を連想してしまう.

立葵に比べ,花が小振り(2~3cm)であり,開花が若干早く,5月~6月に咲く.
紅色の花地に紫色の脈筋があり,葉に多少しわしわがあるのが特徴である.
とても強健であり,河川敷や線路脇の空き地,野原などに
野生化,自生している姿も目にする.

銭葵人なき家の門守る
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ドクダミ,十薬

2009-06-17 21:40:59 | Weblog



日陰の道路脇,つつじの植え込みの下などに,
ドクダミの真っ白な花が目に付く。
ドクダミの名からは毒草のように思われるが,
毒を収める,毒を止める効能があるところからの命名である。
葉,地下茎は漢方薬,ドクダミ茶などに利用される。

十薬という名もある。
これは馬に与えると10の効能があるところから命名された。
江戸時代の儒学者貝原益軒の著書にそのような記載がある。

ドクダミはドクダミ科の草,5月~6月,
ハート型の葉に側して,真っ白な4片からなる十字型の花を咲かせる。
道端など,どこにでもあるので邪魔者,雑草扱いされるが,
薬草として役立ち,よく見ると花も葉も美しい。
少し臭いがきついのが難ではあるが,園芸用に利用されてもおかしくはない。

さっきから花と称している真っ白な4片の十字型部分は花ではなく
実は,総苞と呼ばれる組織である。
本当の花は4片の総苞の真ん中,棒状の肉穂花序といわれる部分につく
小さな淡黄色の部分である。

どくだみの花白ければ闇深し
どくだみの花の白くてなお悲し
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時計草(トケイソウ)

2009-06-16 21:14:41 | Weblog
時計草(トケイソウ)




花をじっくり見ると本当におもしろい造形をしている。
蘂の形もなにか機械の部品を思わせ,その丸い姿も含め,
時計草の名はなるほどと思わせる。
丸い花弁を文字盤,オシベ,メシベを
それぞれ時計の長針,短針に見立てたと聞くとさらに納得である。
時計草はブラジル原産のトケイソウ科トケイソウ属の蔓性の多年草,
6月~7月に花を咲かせ,別名はパッションフラワー。
写真のカエルレアという花の青と白が印象的な品種がよく見られるが,
紅い花色の紅花時計草など,その他にもたくさんの品種があるようである。
おもしろいのに果物時計草(パッションフルーツ)がある。
一般の時計草とは葉の形が違うが,花はやはり時計草,
そして,その果実は果物として生食,お菓子などに利用されている
あのパッションフルーツなのである。

道いそぐ我を笑うや時計草
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海芋(カラー)

2009-06-15 23:01:45 | Weblog
海芋(カラー)と里芋




海芋(カラー)は南アフリカ原産,江戸末期に渡来している.
花の開き始め,その花びら(実際は萼)の重なりが
ワイシャツの襟(カラー)を想わせるのでその名がある.
実際の花はどれかというと,その萼に包まれている棒状の部分にある.

海芋(かいう)という名は海を渡ってきた里芋という意味であり,
その名のとおり,サトイモ科の植物である.
ミズバショウ,アンスリウム,マムシグサ,ウラシマソウなどが
サトイモ科植物としてあるが,
どれも同じように仏炎苞という萼が花のように見え,
実際の花はそれに包まれるようにある棒状の肉穂花序にたくさんつく.

里芋の花はどんなのか見たことがないと思ったら,
里芋はめったに花をつけないらしい.
また花は咲いても,あまりきれいではないようである.
写真は白い花(萼)の海芋.
意図して植えられたのか偶然か,里芋畑の畦に咲いていたものである(5/24).
だからなんなのということではあるが,里芋苗もいっしょに撮してみた.

おもしろき里芋畑の海芋かな
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京鹿の子(キョウカノコ)

2009-06-14 17:04:40 | Weblog
 京鹿の子


紅色の小さな花が密集しているのだが,ごたごた感,くどさを感じない.
しっとりした落ち着き,日本的な美を感じる.
ひとつひとつの花はシモツケよりさらに小さい.
シモツケソウの園芸種といわれる京鹿の子の花である.
花はシモツケソウとよく似ているが,
茎に棘がありなしなどシモツケソウと違いがあるようである。
バラ科の多年生草本で,5月下旬~6月に花を咲かせる.
京鹿の子とは本来は京都で染めた鹿の子絞りのことであり,
鹿の子とは鹿の斑点のような模様のことを指す.
和菓子にも小豆鹿の子などがあり,よく知られた名前である.
花の姿がその鹿の子絞りに似ているところから,
この草に京鹿の子の名が付けられたようである.

雨降りて紅の糸くず京鹿子
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小判草(コバンソウ)

2009-06-13 23:23:27 | Weblog



小判草(コバンソウ),
その名のとおり,小判のような花穂がたくさんぶら下がっている.
虫のさなぎのようにも見える.
一度見たらなかなか忘れない草である.
成熟すると黄金色になるので,その姿はますます小判を思わせる.
タワラムギという別名もある.これもなるほどという命名である。
地中海沿岸地域の原産のイネ科の植物,
明治時代に観賞用として渡来している.
いまは,各地の野山で野生化しており,
雑草の一つに数えられる.

会社付近の公園樹の下にたくさんあるのだが,
家の近所ではなかなか見ないなと思いつつ,遠回りの道を歩いていたら,
幹線道路の端の空き地に群れて咲いていた(写真).
こんなにお金が咲いていたらなんて,思わず考えてしまう.

あるところ群れてあるかな小判草
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大金鶏菊(オオキンケイギク)

2009-06-12 22:31:42 | Weblog
 オオキンケイギク


キク科の多年草,明治の中頃,北アメリカより渡来した帰化植物。
丈夫で痩せ地でも育ち,繁殖力が強い。
栽培されていたものが野生化して,5月下旬~6月,
河原,野原などいろいろな場所で黄色の鮮やかな花を咲かせている。
金鶏菊(キンケイギク)に似ていて,
それより大きいところからオオキンケイギクと名付けられた。
金は黄金色の花,鶏は花の形が鶏の鶏冠に似ているからといわれているが,
どこが鶏冠に似ているのかよくわからない。
あまりにも繁殖力が強く,増え続けるため,
2006年に外来生物法に基づき,特定外来生物に指定され,
栽培,譲渡,販売などが原則禁止されている。
私の住むまわりの造成地,野原にもオオキンケイギクが
毎年たくさんの花を咲かせる。

梅雨入りや大金鶏菊のうなだれし
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ガウラ(白蝶草,山桃草)

2009-06-11 22:48:05 | Weblog
ガウラ(白蝶草,山桃草)

ガウラはアカバナ科,原産地北アメリカの多年草,
別名は白蝶草,山桃草.
5月~10月に径3cmほどの4弁花を細長い花茎に咲かせる.
細長い花茎に咲く花の姿が風に揺れる蝶のようなので,
白花は白蝶草の名がある.
ピンクの花色のものがあり,こちらは山桃草と呼ばれるようである.
写真は山桃草あるいはその園芸種,
昨年園芸店で求めた鉢植えが今年も花をつけてくれた.
特に,一本だけ長く伸びた花茎が
やじろべいのように揺れ,
咲く花はまさしくピンクの蝶が羽ばたいているようでもある.

白蝶草風吹くたびのやじろべい
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チョウジソウ

2009-06-10 22:16:04 | Weblog
丁字草(チョウジソウ)

5月末,野草公園の片隅,
50cmほどの草丈,横にも豊かに広がっている草の頂上に
薄青色のちょっときれいな花がたくさん咲いていた。 
草の名も知らず,写真を撮ってみた。
丁字草(チョウジソウ),キョウチクトウ科の多年生草本。
開発,採取などで減り,
全国的に絶滅危惧Ⅱ類にランクされている野草のようである。
5月~6月,茎が40~80cmに伸び,茎頂に薄青色の花をつける。
花を横から見ると丁の字に見えるので丁字草だそうである。
花を上から見ると5弁の細身の花びらがプロペラのようにも見える。

春の夕同じ色なる花丁字
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ジャスミン

2009-06-09 22:36:46 | Weblog
ハゴロモジャスミン

 

ジャスミンとはモクセイ科ソケイ属植物の総称で,
その種類は200とも300ともいわれている.
そのソケイ属の中で,いくつかの種類は強い芳香を持ち,
香水やハーブとして利用されている.
日本で一般にジャスミンとして流通しているものは,
ハゴロモジャスミンといわれる常緑蔓性の種類であり(写真),
4~5月にピンク色の槍状の蕾をつけ,
株全体が花に埋まるほどに多数の白花を咲かせる.

昔,ジャスミンは茉莉花(まつりか,まりか)の名がつけられていたが,
今では茉莉花はジャスミンの一品種(ジャスミン茶が作られる)の
名として使われている.
茉莉花は今頃6月から8月にかけて花が咲くので,
ジャスミンは夏の季語となっている.
しかし,近年ジャスミンをさすハゴロモジャスミンは春4~5月に咲く.
写真は5月上旬の花.

 垣根越ジャスミンの花あふれたる
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