北朝鮮とアメリカ、中国が動いている。韓国が仲裁に入っている感じだが、韓国には何もできないだろう。アメリカや中国がどのように動くのか、というのが最大のカギだ。もう一つ、ロシアの動きである。ロシアは沈黙しているように見えるが、朝鮮半島が分断されたのは、元々ソビエトとアメリカが冷戦時代に行ったことから始まった。朝鮮戦争が休戦状態になったままで今に至っているのである。
朝鮮戦争の時にはソビエトは北朝鮮に武器を提供し、中国は人民軍を参加させた。韓国には国連軍という形でアメリカ軍が中心になって戦った。韓国軍は形だけで参加したと云っても過言ではない。結果としては今の38度線で収まっているが、果たして、朝鮮半島の2つの分断国家が再び統合される日がやってくるのか。北朝鮮は核を保有している現状を、果たして抜本的に改革が出来るのか。
要は、北朝鮮が核の保有を放棄できるかどうかである。今までの状況から、少なくとも金正恩は核を放棄することは有り得ない。アメリカとの交渉で、核を凍結するという事を提案するに違いない。核の放棄と核の凍結では全く異なる。凍結は飽く迄も核は保有するという事だ。北朝鮮が核を凍結して保有し続けることは朝鮮半島の平和的な解決にはならないだろう。東アジアの安定には北朝鮮の核の放棄が必要なのである。
トランプ大統領は、北朝鮮の核の凍結で解決するとは思わないだろう。この提案は、恐らく中国が強く拘わっているはずだ。中国は北朝鮮の核の凍結を進言したに違いない。アメリカ、中国、北朝鮮の関係で、中国が北朝鮮の核を凍結させ、それを中国が核拡散をしないという事を保障する、という事でアメリカを納得させる。トランプ大統領がこのような案を提示された場合、どのような回答を用意しているか。
アメリカは飽く迄も北朝鮮が核を放棄する、という条件以外に飲まない可能性が高いのではないか。或いは、北朝鮮が核を放棄する代わりにアメリカ軍が韓国から撤退する、という条件が出たらどうするか。勿論、北朝鮮があらゆる査察を受け入れる、という条件も付けるだろう。核の放棄とアメリカ軍の撤退、という条件は出てこないとも限らない。しかし、北朝鮮が本当に核を放棄するだろうか。