カクレマショウ

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北京奥林匹克開幕

2008-08-09 | └オリンピックの話
第29回オリンピック競技会北京大会が開幕しました。

古代ギリシアでは、オリンピア競技会開催中はすべての戦争を中断したと言われますが、今朝の新聞第1面には、開幕を告げる記事の横に、「ロシアがグルジア爆撃」という見出し(朝日新聞)。グルジアという国から分離独立をめざす南オセチア自治州に対してグルジア軍が攻撃、これに対して、南オセチアの後ろ盾、ロシアがグルジアに報復爆撃をしたというものです。近代オリンピックは古代の精神を何も受け継いでいないことが、ここでも明らかになりました。

それにしても、夕べの開会式は、ハデハデでしたね。「中国らしい」とでも言おうか…。紙の巻物、竹簡に書かれた漢字、京劇、シルクロードを舞台とした東西交流、水墨画など、中国の歴史の長さ、華麗さが余すところなく表現されていました。演出を手がけたのは、「紅いコーリャン」、「初恋のきた道」、「王妃の紋章」などの映画監督、張芸謀(チャン・イーモウ)だそうで。

クライマックスの聖火の点火にしても、ものすごい凝った演出でした。空を賭ける聖火ランナー! 大がかりな仕掛けには、思わず「おーっ!」と声が出ますが、なぜか、聖火台までの階段をとんとんとんと駆け上って点火する、というごく単純な方法がとても懐かしく思えました。

中国は、共産党の「一党独裁」の国です。ということは、政治に対する民意を示す選挙が行われることもないし、人々の言論も制限されています。共産主義の国は、基本的には経済も国家が統制されますが、中国では自由経済をある程度認める路線をとっています。この開会式は、中国の、というより、「中国共産党」の威信を世界に示す格好の舞台だったと言えます。中国でオリンピックが開催されること、そして、開会式の壮大なスケールに感動した中国国民が多い反面、政府に反感を持つ人々にとっては、オリンピックなんか…という気持ちもあることでしょう。

中国は、56の民族から構成されると言われますが、それぞれの民族の代表として、56人の子どもたちも開会式に登場しました。20数年前のシルクロード・ウォークの時に小さなオアシスで出会った子どもたち、漢語も漢字も知らなかったウイグル系の子どもたちのことを思い出しました。あのオアシスの人たちは、オリンピックをどんなふうに受け止めているのでしょうか。

 

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