ピョートル・フェリクス・グジバチ/クロスメディアパブリッシング
日本だと取引先との商談の前のイントロダクションとして交わす雑談の内容は、天気の話であったり割ととりとめのない話で、どちらかというと場を和ませたり、緊張感を取り除いたりするのが主目的になっていたりするが、世界のビジネスシーンで一流のビジネスマンがかわしているのは、より戦略的で、ビジネスのチャンス作りに直結する内容となっている・・場合によっては本題に入る前にほぼ仕事を終えているという話だ。
最初の方は、なるほどなるほど・・・天気の話ばっかりじゃよくないよね・・なんて思いながら読んでたが、読み進むうちに、うう〜ん、私だったら、こんなふうに言ってこられたら気持ち悪いというか、かえって警戒しちゃうかも・・と思い始めた。ビジネスパーソン同士が話してて心地よい距離感というのは国によって違うからかも。著者の言う通りC to Cの関係も大事だが、日本だと異動も多いし、結局はB to Bの意識を持ってやることが自分を守ることにつながったりする。
外国人からみて、つまらない会話に見える天気やとりとめのない話をしながら、我々は相手の顔色や声のトーン、仕草などからいろんな情報を読み取っているのだ。ちょっと相手の調子がいつもと違った時、「どうしました」などとは敢えて聞かずに察する・・そういう行動を取ることが多いように思う。
日本だと以心伝心で伝わるものが、外国人とのコミュニケーションだとそうはいかないことはわかる。この本に書いてあることはもちろん大変に参考になるし、もし外国人(どこの国の方かにもよると思うけど)と商談をするなら大いに役立つだろう。ただ日本人相手の場合、話半分に考えた方が良いかも。たまには違う雑談をしてみたいとか、雑談を戦略的に使いたい場合に参考にすれば良いのではないかと思う。