インドの人口は14億人を超え、中国を抜いて、今や、世界最大になったと言われている。人口ボーナスと呼ばれる勤労世代の増加によって、GDPは世界第5位に躍進している。新興各国も、この人口増が国家躍進の切り札だとしているのだが、最近、この説に疑問が投げかけられている。インドが思ったほどのGDPの増加を成し遂げていないからである。だから、今は人口の量よりも質が問題だとされているのである。インドの問題点は何かと上げれば、真っ先に社会を構成するカースト制度の存在だと言われている。カースト制度とはバラモン(司祭階級)、クシャトリア(王族・武士階級)、ヴァイシャ(商人階級)、シュードラ(農民・サービス階級)で、その下にダリトがある。最近ではこの枠組みの崩れ始めたとはいえ、未だに人々は自由に職業を選べない社会なのだ。だから、多くの有能な人たちは新産業であるソフトウエアーの産業に身を投じる。これら新しい産業はカーストの枠外だからである。だからこれまで、インドのハイテク産業は急激な伸びを示した。しかし、それにも限界があるのだろう。ロイターの報道によれば、インドのソフトウエア・サービス企業協会は16日、同国テクノロジー部門の2023年度(24年3月終了)の売上高の伸びが半減するとの見通しを示した。売上高は前年比3.8%増の2539億ドルと予想。前年度の8.4%から伸び率が鈍化すると見込んだ。(くちなし亭、2024.02.19)
Y-FP Office Japan(http://www.y-fp-office-japan.jp)