キプロスの金融危機がEU支援とキプロスの大手銀行の再編という形で決着したようである。キプロスの銀行は預金利息にかかる税率の低さから、外国、特に、ロシアの富裕層の預金を集めたとされている。国家予算の数倍の規模を持つそうだ。数年前に大問題を引き起こしたアイスランドの銀行と同じ構図である。あの時もアイスランドの銀行が破たんして、国家が危機を迎えたのである。ともに小国である。小国に世界経済が振り回される場合には、その国の特殊な税制が係る場合が多い。だが、最も大事なキプロス市民の生活はもとに戻っていない。銀行は金融取引によって儲ける大口の預金者のためばかりにあるのではない。決済に銀行を使う商店主や給料を銀行口座に振り込んでいる人たちのほうが、その数は圧倒的に多いのである。その人たちが普段の生活をすることができなくなっている。それは小口の引き出し以外に、銀行の休業期間が続いているからである。26日から再開される予定であった銀行業務の再開も、27日までと延長され、政府が再開後の取り付け騒ぎを恐れて、なし崩し的に、この状態がいつまで続くか分からない。このようなときに、市民の行動はどのようなものになるのか、興味がある。まず、思いつくのはカード決済である。外国の信用力のあるカードなら、不安も無かろうと思うのだが、キプロスでは、それも不安で、カードでの支払いを停止した店も多くなってきているようである。だから、結局、ものを買わないか。箪笥預金の出番である。お店でも、集めたお金を銀行に預金できないので、店に滞留することになる。たぶん、泥棒に狙われる。
Y-FP Office Japan
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