最もバカな戦争と思われたサウジとロシアの原油戦争だが、ここにきて収束に向かいつつあるようだ。今日の原油価格はWTIが1バーレル当たり23.92ドルである。一時期28ドルまで上がっていたようであるから、10ドル台も覚悟していた市場関係者にとっては朗報である。トランプ大統領の仲介のうわさやサウジがOPECプラスを緊急招集を要請したと伝わると原油価格ばかりではなく、株式市場の原油関連銘柄の上昇も起こった。私はサウジとロシアの戦争で、一番怖い展開は、ロシアが窮地に陥り、ロシアの最大の武器である戦闘行為をサウジに行うのではないか、もちろん、実際に行うのはイラン系民兵組織だったりするのだが、ロシア製兵器を彼らに与えて、けしかけることは米ロの軍事的な対決を起こしかねなかったのである。その意味ではバカな戦争が終わるのは良いことだが、ただ、例えば、世界の航空会社の経営がおかしくなりそうな状況で、原油の値段が暴騰するなどとは考えられない。せいぜい、20ドル割れが回避されたに過ぎないのである。(くちなし亭、2020.04.03)
Y-FP Office Japanトップページ
Y-FP Office Japanトップページ